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復活の日 新版
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復活の日 新版

小松左京(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 早川書房
発売年月日 2018/01/10
JAN 9784152097385

復活の日 新版

¥2,530

商品レビュー

4.1

16件のお客様レビュー

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2024/06/03

コロナ禍に再注目されていたので、その時に読めば良かった。 5類緩和以降の今となっては、コロナ禍にあった将来が見えない不安感がなくなってしまい、小説の迫力も変わってしまう。コロナ禍が懐かしい、というと不謹慎なのだろうか。正直、インドア派で孤独を好む性分のため行動制限のある、終末感...

コロナ禍に再注目されていたので、その時に読めば良かった。 5類緩和以降の今となっては、コロナ禍にあった将来が見えない不安感がなくなってしまい、小説の迫力も変わってしまう。コロナ禍が懐かしい、というと不謹慎なのだろうか。正直、インドア派で孤独を好む性分のため行動制限のある、終末感には独特の味わいがあった。 コロナ禍も振り返ると、過剰反応だったのでは、と思う事もある。それでも、当時は何もかもが分からなかったのだから仕方なかったのだろう。それ故に、手探りしながら、何かの予感に怯え、期待し、それを強く共感するような妙な連帯感や分断があったのだと思う。 本書は、ウイルス(細菌?)が蔓延し、人類滅亡の危機に瀕するという話である。残された人々の試練、生き方を問うような内容だ。コロナ禍を経験したせいで、それと比較してしまい、もっと違う動きになるのではとか余計な事を考えてしまう。だからこそ、もっと臨場感のあるタイミングで読めば良かったのかもしれない。読書には、タイミングや環境も重要だという事を改めて感じた次第である。

Posted by ブクログ

2022/04/15

【感想】 人類は、滅亡を前にするとどのような感情が生まれるのだろうか。しかもそれが隕石の落下といった劇的な幕切れではなく、「ただのかぜ」によってぽっくりと絶滅していくとき、人々の間に勇敢な精神は宿るのだろうか?それとも「なぜこんなことに…」という薄っぺらな後悔の中で哀れに死んで行...

【感想】 人類は、滅亡を前にするとどのような感情が生まれるのだろうか。しかもそれが隕石の落下といった劇的な幕切れではなく、「ただのかぜ」によってぽっくりと絶滅していくとき、人々の間に勇敢な精神は宿るのだろうか?それとも「なぜこんなことに…」という薄っぺらな後悔の中で哀れに死んで行くのだろうか? 本書はそうした「滅亡を前にした人類たち」の死にざまを描いたSF小説だ。書かれたのは1964年、キューバ危機の2年後であり、ちょうど第一回目の東京オリンピックが開かれた年である。「未知の病原菌により人類が窮地に追い込まれる」という内容なこともあり、コロナ禍の今再注目されている。といっても、現在の状況と類似している部分はあまり無く、描かれるストーリーはあくまでSFの範疇に収まるものだが。 私が本書で見事だと思ったのは、人間たちを決してヒロイックに描かなかったことだ。 人類は、すばらしくもなければ絶望的でもない。むしろこの宇宙においてはウイルスと同じような「ただ増殖する存在」である。そのちっぽけな存在が知性を宿し、文明を生み出し、地球を滅ぼすほどの科学力を手にした。それが「人類はやはり特別なのだ」という驕りに繋がっていく。恐竜といい、人間以外の類人猿といい、数多く栄えた種族もいつかは滅亡する日がやってくる。にもかかわらず、「人類がこんなことで滅ぶはずがない」という慢心がくすぶり続け、未知の病原菌を前に手を取り合わなかった。人々が死に、文明が停止し、もう取り返しがつかない地点に到達してようやく、自分たちが行ってきたのが実にくだらない諍いやあさましい反感だったことを悟るのだ。 一章の最終盤、文明史の教授がラジオに向かって最後の講義をする場面は、こうした人間の愚かさを見事に言い表している。ぜひとも必見だ。 ――この災厄はある意味人災であった。自己の存在を過信することなく、つまり人間とは地球上において特別な存在であると驕ることなく、むしろウイルスと同様に一介の生命集団だとみなし、自己の存在のおかれた立場に目ざめ、常に災厄の規模を正確に評価するだけの知性を、全人類共通のものとして保持し、つねに全人類の共同戦線をはれるような体制を準備していたとしたら、災厄にする闘いもまた、ちがった形をとったのではないでしょうか? ――「戦争が科学の発達を――特に応用科学を促進した」と、誰かはいいました。これこそ、残念ながら否定できない、戦争の文明に対する貢献だ、と…。戦争は、レーダーをうみ、ジェット機をうみ、ロケットをうみ、電子脳をうみ原子力を解放した、と……。だが――こんなバカげた理論があるでしょうか?人類は、戦争あるいは軍備の名目においてしか、これらのすばらしい科学の発達をうながすような、大規模な開発投資ができなかったのでしょうか?人類は、死神のスポンサーにたよる以外に、これらのすばらしいものを、もっと迅速に、能率よくうみ出すことができなかったのでしょうか?(中略)われわれ学者はそれを、文明の資本主義――功利主義段階の不可避的事態、として、宿命として、うけいれてしまうだけで、未来に期待をかけるだけでよかったでしょうか? ――われわれ人類は、もっと早くその全人類的意識を獲得することによって、冥蒙たることをやめ…、相互殺戮の、侮辱や憎悪の、エネルギーを…真の人間のための闘い――貧困と飢餓と冥蒙と疫病に対する闘いに、そして認識のための闘いに…ふりむけていたかも知れない。(中略)今度の大災厄においても究極的チャンスは…もっと早く、もっと強力に全世界のものとされるべきだった「理性と分別」にあったかも知れないのであります。

Posted by ブクログ

2022/01/22

376ページ9行目が印象に残った。 人類も地球の歴史のほんの一部なんだなあとこの本を読んで思いました。

Posted by ブクログ

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