フトゥーワ イスラームの騎士道精神

アブー・アブドゥッラフマーン・スラミー(著者), 中田考(訳者), 山本直輝(訳者)

• 販売会社／発売会社: 作品社
• 発売年月日: 2017/10/26
• JAN: 9784861826498

商品レビュー

2025/04/24

大稔先生におすすめされて読んだ本
フトゥーワをよく知らないまま読んだ。イスラームの考えと騎士道や武士道の関係性に関してあるのかと思ったら、ただただイスラームの人たちが大事にしている精神的な考え方が載ってただけだった。論語みたいに、徳目がズラーっと並んでて、この精神に関して武士道と繋がりがある部分は大きいと思うが、、、

2025/04/13

フトゥーワの根源と意味

原義は「若々しさ」「漢気」で、弱者を助け、気前よく振る舞う生き方
トルコの「ミサーフィルハーネ（客人の家）」の伝統に現在も息づいている
スラミーの著作は、アラブ遊牧民の徳目がイスラームを体現することを示す最初の文献の一つ

フトゥーワの実践

同胞への献身と奉仕: 見返りを求めず、アッラーのために行動を捧げる
客人の歓待: 来訪者を手厚くもてなす
謙虚さと自己省察: 常に自らを省み、アッラーを畏れ敬う
寛容さと赦し: 同胞の欠点を詮索せず、過ちを赦し合う
高潔さと誠実さ: いかなる時も真理を守る
アッラーへの信頼と帰依: 全ての望みをアッラーに委ねる

スーフィズムにおけるフトゥーワ

禁欲、自己批判、他者への奉仕といったスーフィー実践と深く結びついている
多くのスーフィー聖者の言葉を通して多様な側面が紹介されている

現代における意義

近代化や西洋化の過程にあるムスリム社会でも依然として重要な理想とされている
日本においてもムスリムとの相互理解を深める上で有益な概念

重要な事実

フトゥーワは預言者ムハンマドと教友たちの生涯を規範としている
外面的な形式だけでなく内面的な心のあり方が重視される
スーフィズムにおけるフトゥーワは神への専心における内面の陶冶を重視する