エレノア・オリファントは今日も元気です ハーパーコリンズ・フィクション

ゲイル・ハニーマン(著者), 西山志緒(訳者)

• 販売会社／発売会社: ハーパーコリンズ・ジャパン
• 発売年月日: 2017/12/16
• JAN: 9784596552075

商品レビュー

2024/11/20

「人間は変わるために存在する」
って作中に主人公が思っていたこの言葉、何気に考えさせられた。
重たい内容もありつつ、心が軽くなるような場面もあってそのバランスが良かった。「孤独」というワードが何回か出た時の場面は読んでいて苦しくなった。
相手のことを思いやれる人物が登場するとそれだけで気持ちがホッとする。
エレノアは人との交流を避けて自分時間を楽しむのが好きなのでそこは私も共感できるな〜。
だけど目指したいのはレイモンドみたいな人、、、(タバコは吸わないけど)ここまで見ず知らずの相手のことを想えるのはすごい。
無償の愛がすごい。

2023/11/11

図書館にてジャケ借りをしたわけですが、いやあ、借りてよかった。

しばらくしてからまた再読したいと思える作品に久々にお会いできて嬉しい

2020/02/19

ポップな感じの表紙なのでてっきりブリジット・ジョーンズ的な話なのかと思ったら全然違った。
限りなくアスペルガーっぽいコミュ障のエレノアは孤独に生きてきたのだが、少しづつ人と交流するようになって人生に新たな幸せを感じ始める。しかし同時にトラウマの地獄の窯が開いて鬱病になり自殺未遂…というけっこうな重い話で、過去の悲惨な事件の真相に迫るミステリ要素もありだけど文体自体が軽くて読みやすいのでそんなにきつく感じない。
遠巻きにされる中何か言うと一瞬の絶句とか、爆笑の後「面白い人ですね～」みたいな周りの反応をはじめ諸々、身に覚えがありすぎて序盤はものすごく居心地の悪い読書だった。しかしひたすら丁寧な心理描写で引き込まれる。レイモンドとの仲の進展も急でなく、最後まで友愛の域を出ないのがまた良かった。
自分の状況が魔法のように変わることをどこかで夢見ていて、それは決して叶うことはないという現実に高揚からどん底へ突き落とされるエレノア。孤独の鎧を脱いだ傷つきやすい心から血を流しつつそこから這い上がって、ぶざまでも自分自身と真正面から格闘する姿が良かった。シンデレラになりえない女性のお話。