商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 草思社 |
発売年月日 | 2017/10/01 |
JAN | 9784794223043 |
- 書籍
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全国鉄道事情大研究 東北・東部篇
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全国鉄道事情大研究 東北・東部篇
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このシリーズも既に完結してゐますが、最後まで残つたのが東北地方の鉄道。これはやはり、震災による被害が影響してゐるでせう。あまりに大きな被害の為、その実情や復旧計画、その見通しなど、全体像がつかめるまで川島氏も様子見をしてゐたのでは。あの惨状を目にしては、まともな取材もできなかつた...
このシリーズも既に完結してゐますが、最後まで残つたのが東北地方の鉄道。これはやはり、震災による被害が影響してゐるでせう。あまりに大きな被害の為、その実情や復旧計画、その見通しなど、全体像がつかめるまで川島氏も様子見をしてゐたのでは。あの惨状を目にしては、まともな取材もできなかつたといふ事情もあるでせう。著者の愛する鉄路が、無残にも破壊されたのです。通常の精神ならばとても耐えられますまい。 本書『全国鉄道事情大研究 東北・東部篇』は、その震災から6年余りが経過した時点での執筆。他の地域よりも「現状報告」としての側面が大きいですな。 JR線でいふと、八戸線・山田線・大船渡線・気仙沼線・仙山線・石巻線などが特に大きな被害を受けてゐます。第三セクター鉄道の三陸鉄道北リアス線・南リアス線も同様であります。 三陸鉄道は被災直後から、動ける区間だけでも動かさうと、当初は被災者のために運賃無料で部分復旧しました。そして補助金を受けながらも、見事に南・北線ともに復旧させました。さすがにマイレール・さんてつの面目躍如たるものがあります。 一方でJR線は、東北新幹線は逸早く再開させたものの、ローカル線に関しては復旧させる費用に見合ふだけの需要の無い大赤字線といふことで、かつての姿を取り戻すには道半ばといふ感じです。 これをもつて、JR東は怪しからんと非難する声も多いのですが、JR東は黒字企業といふことで公的資金の補助がない中、自力で再生させねばならぬ事情があるので、ちと酷ではないかと存じます。もはや親方日の丸の国鉄ではなく、営利企業となつてゐますゆゑ、銭勘定に厳しくなるのは当然と申せませう。 むしろ、兎に角地元の「足」を確保せんと、バス専用道を整備して、鉄道時代よりも便数を増やしてバスを走らせてゐるのは評価できるでせう。これは「代行バス」ではなく、BRTと呼ばれる(バス・ラピッド・トランジットの略ださうな)交通システムであります。 そんなこともあつて、本書の収録路線は仙台付近の通勤線以外は何かと苦闘中です。それでも福島交通や阿武隈急行のやうに健闘してゐる路線もあります。成功事例は自社のみのノウハウとするのではなく、もはやローカル線共通の処方箋として活かす時代ではないでせうか。みんなで手を繋いで生き残らう。 ところでこのシリーズ、各路線ごとに「もつとかうすべきだ」といふ、川島節を効かせた提言がウリだと思ふのですが、現状解説が多すぎませんかね。無論それも参考になるのですが...... http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-816.html
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鉄道マニアなら一度は通る川島令三氏の著書。すっごい昔に関東あたりのを読んだ記憶がありますが、こないだ東北を旅行したので、最新刊である本著を手に取ってみました。 本シリーズはもう25年以上も刊行され続けているので、ある種のテンプレが完全にできあがっていて、本著もこの例に漏れません...
鉄道マニアなら一度は通る川島令三氏の著書。すっごい昔に関東あたりのを読んだ記憶がありますが、こないだ東北を旅行したので、最新刊である本著を手に取ってみました。 本シリーズはもう25年以上も刊行され続けているので、ある種のテンプレが完全にできあがっていて、本著もこの例に漏れません。各路線の概要・沿線風景(実際には線路配置とか…)の記述が主で、改善策を提案するパートはほんのちょっと、という感じ。三陸鉄道のみ、改良案の時刻表抜粋がついてました。 改善策の方向性は川島氏らしさ満点で、高速化、特急・快速運転、増発と、まぁ設備投資とコストがかかって、乗客が増えても採算はどうなるんだろうという印象を受けますが、私も含めて読者はそういう川島節が読みたくて読んでいる訳なので、もっとその方向を推し進めてもらえればと。 人口減少に加え、鉄道離れと言われて久しい地方であっても、ブレずに「高速化すれば客は戻ってくる!」というような著者の考えが維持されているのには感嘆しました。三陸鉄道の130km/h化というのはビックリしましたが。本当にそうなるか、どこか1路線で試しにやってみれば良いと思うのですが。 そういえば、転換クロスシート車両を導入すべし!という論が本著にはみられなかったような。何か方針が変わってしまったのでしょうか。
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