商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2017/11/30 |
JAN | 9784103534358 |
- 書籍
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バースデイ・ガール
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バースデイ・ガール
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商品レビュー
3.6
64件のお客様レビュー
たった1度の20歳の誕生日。貰えたかどうか分からないプレゼント。やっぱり幻想的で素敵。上手く言葉には現せれないけど、すごく大切な事を伝えてくれてる気がする。私は20歳の誕生日、何をしてたかなあ…?
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誕生日って自分でも蔑ろにしてるなぁと最近感じてました。来年も来るし、年をとったから何か特別なことが起こるでもない。けど全員の人間が公平に一つずつ持つ、大切な日だと後書にもかいてあり...もう少し祝ってあげようと思いました。 自分の20歳の誕生日は...一人暮らししていて、自分...
誕生日って自分でも蔑ろにしてるなぁと最近感じてました。来年も来るし、年をとったから何か特別なことが起こるでもない。けど全員の人間が公平に一つずつ持つ、大切な日だと後書にもかいてあり...もう少し祝ってあげようと思いました。 自分の20歳の誕生日は...一人暮らししていて、自分でケーキを一つ買って、蝋燭も立てずにスマホを見ながら食べていた気がします。心は漣も立たず静かでした。主人公のように数奇な出来事を経験したならば、もっとはっきり一生覚えているでしょうね。 私は金銭が欲しいと最近は思っています。主人公は人生がうまくいくように願ったのでしょうか? 私も俗語的にいうとあんなイケおじに人生を保証されたいです。
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「行間の文学」 幾度となくノーベル賞にノミネートされている村上春樹。何を書いて、「何を書かない」のか。これがプロの小説家だと率直に感じた。私達が一番知りたいことはここに書かれていない。考えるしかないのだ。これがハルキワールドなのか。 絶妙の比喩表現で物語を彩り、展開していく。...
「行間の文学」 幾度となくノーベル賞にノミネートされている村上春樹。何を書いて、「何を書かない」のか。これがプロの小説家だと率直に感じた。私達が一番知りたいことはここに書かれていない。考えるしかないのだ。これがハルキワールドなのか。 絶妙の比喩表現で物語を彩り、展開していく。同じ本でも、読むタイミングや精神状態で本に対する捉え方は変わってくる。人とのめぐり合わせ、本との巡り合わせも同じだ。読む度に受け取り方が変わる。そんな作品である。 二十歳の誕生日、主人公の彼女はイタリア料理店でアルバイトをしている。長く付き合っていた彼氏と会うため、バイト仲間に仕事を交代してもらう約束をしていたが、当日、仲間が体調を崩し、急遽仕事になる。しかし、数日前彼氏と決定的な喧嘩をし、誕生日の予定は白紙になった為落胆はない。その日オーナーに夕飯を運ぶ仕事を彼女が担当することになる。初めて会う風変わりなオーナーに今日が誕生日であることを告げると、誕生日プレゼントとして「ひとつだけ願いを叶えてあげる」と言われる。疑いながらもある願い事を言う。この不思議な出来事を数年後僕と回想し、話している。 僕が彼女に願いが叶ったのかを尋ねると、「まだ判断がつかない」と答え、逆に僕に「あなたならどんな願い事をした?」と尋ねると、なにひとつ思い浮かばないと言う。つまりこの話は僕からみた彼女の話であるとともに、僕のそして著者の人生観ではないかと推察する。願い事がひとつも思い浮かばない人生は幸せであるが、物足りなくもある。書かれていないこと、つまり彼女の願いは「後悔のない人生」だったのではないだろうか。私としてはそんな人生は寂しく、面白くない。いつも場面は雨が降っていて、ドイツ人のイラストレーターが描く挿絵はミステリアス。決して明るい作品ではないが、人生っていつもどこか憂鬱なのだから後悔することも悪くないと行間が伝えてくれる作品である。
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