- 新品
- 書籍
- 文庫
喪失のブルース ハーパーBOOKS
1,090円
獲得ポイント9P
在庫なし
発送時期 1~5日以内に発送
商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | ハーパーコリンズ・ジャパン |
発売年月日 | 2017/10/16 |
JAN | 9784596550729 |
- 書籍
- 文庫
喪失のブルース
商品が入荷した店舗:店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
お客様宅への発送や電話でのお取り置き・お取り寄せは行っておりません
喪失のブルース
¥1,090
在庫なし
商品レビュー
3.5
4件のお客様レビュー
主人公ノラ・ワッツは可愛げがない。 胸がない、お洒落っけがない、女っぽさがない、 愛想がない、愛嬌がない、笑顔がない。 運にも恵まれないらしく、生まれてからずっと災難に見舞われている。 中年にさしかかった現在、すっかりアウトサイダーのサヴァイヴァーである。 まあ、しかし、仕事...
主人公ノラ・ワッツは可愛げがない。 胸がない、お洒落っけがない、女っぽさがない、 愛想がない、愛嬌がない、笑顔がない。 運にも恵まれないらしく、生まれてからずっと災難に見舞われている。 中年にさしかかった現在、すっかりアウトサイダーのサヴァイヴァーである。 まあ、しかし、仕事はある。 生き残るために身につけた嘘を見抜く能力を生かして、 探偵事務所の調査員として働いている。 真っ黒な目くらいしか特徴がない、人目につく容貌でもないので、それも仕事に幸いしている。 まともな住まいもないが、職場の地下室にこっそり住んでいる。 そこにこっそり犬も同居させている。 あまり音を立てることのない、おならさえ静かに出す犬、ウィスパー。 相棒はいるのである。 舞台はカナダ、バンクーバー。 カナダと聞いて、人はなにを思い浮かべるだろうか? 自然、風景、赤毛のアン! 私はこうだ。 だが、アウトサイダー、ノラの目からすれば、そこはサバイバルの舞台だ。 『カナダ人は礼儀正しくて、平和的だと言われているが、そういう評判とは矛盾した』(187頁)人のありよう、国のありようを見せてくれる。 貧富の差、人種の差、先住民、移民、自然、環境、国際社会でのありよう・・・・・・ 思っていたカナダと違う! レビューを見れば「面白かった」「面白くなかった」と、意見は真二つにわかれている。 面白くなかった理由に、この「思っていたカナダと違う」というのもあるかもしれない。 そして、ノラの愛想のなさ。ユーモアの乏しさ。 文章は彼女の一人称、わたしはどうした、わたしはこうしたで語られていくので、彼女と合わなければ、さっぱり面白くないだろう。 だが、彼女に魅力を感じたとしたら? ノラは嘘を言わない。言わせない。 そしていじけていない。 自分についても、まわりの人々についても、社会についても、カナダについても、実に率直に述べている。 自分の尻がたれつつあることも、金髪ではない少女の行方不明事件はまともに捜査されないことも、まっすぐに語る。 私はそんな彼女のごまかしのなさに魅力を感じた。 そして、読みながら連想したのは『生物学探偵セオ・クレイ』だ。 浮き世離れした主人公が、妙な推進力で読者を引っ張って、事件の解決にむけてサバイバルするのである。 片や学者、片やアウトサイダーと、浮き世離れの理由は違う。 性別も違う、妙なおかしみの有無も違うが、主人公の妙な推進力、他にはない独特の力強さは、とてもよく似ている。 どちらもデビュー作で、荒削りのところも似ているし、話のクライマックスも・・・・・・いや、これは読んでのお楽しみ。 人を選ぶ話のようだが、私はたいへん面白かった。 間を置かず、次も読む。幸い手元にそれがある。 そして、三部作の最終章となるらしい、2020年発売予定の本も、翻訳が出るなり読むだろう。
Posted by
主人公が犬連れ、ということで手に取る。 典型的な失踪者探しミステリ。 カナダのミステリは初めてかな。
Posted by
15年前に巻き込まれた事件。育てられなかった娘。他人を信じ寄り掛かることができないノラ。 それでも、いなくなってしまった娘を探すノラ。どんなに痛めつけられても娘を求め続けるノラ。 どうしてこんなに自分を追い込めるのだろう、どうして諦めることが出来ないのだろう。
Posted by