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忘れられた巨人 ハヤカワepi文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 早川書房 |
発売年月日 | 2017/10/17 |
JAN | 9784151200915 |
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忘れられた巨人
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忘れられた巨人
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商品レビュー
4
137件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
難しい。でも好き。 文章力が半端なく素晴らしい。 アクセルの妻を呼ぶ時の「お姫様」に、いちいちキュンとするんだよね。 最後、どうなるんだろうか、、、島で再会して欲しいけど、ま、別れるってことなんだろうな、、この書き方は、、、 6~7世紀、イギリス、グレートブリテン島の架空の世界観でのお話。 アーサー王亡き後、ブリトン人とサクソン人の戦いの傷は、雌龍の作り出す記憶忘却の作用がある霧の存在により、平和を保っている。 息子に会いに旅に出る老夫婦、アーサー王の甥であり、いまは龍を守護している老騎士、その龍を倒すべくやってきた戦士、オオカミに傷つけられ生まれ故郷から脱出せざるを得なかった少年、それぞれの行きつく先がどうなるのかハラハラしながら読んだ。
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当時のイギリスの風土・風習など私が知り得るはずもないけれど、ずっと靄のかかっている様な世界観。愛し合っているはずの老夫婦の噛み合わない会話、見ているものでさえ、本当に同じもの見ているのかさえ分からない、そしては更に記憶さえも靄がかかっていて、確かだと思われたものさえだんだん崩れて...
当時のイギリスの風土・風習など私が知り得るはずもないけれど、ずっと靄のかかっている様な世界観。愛し合っているはずの老夫婦の噛み合わない会話、見ているものでさえ、本当に同じもの見ているのかさえ分からない、そしては更に記憶さえも靄がかかっていて、確かだと思われたものさえだんだん崩れていく。年老いた夫が妻を「お姫様」と呼ぶところが好きでした。 上手く言えないけれど、人生というものは所詮勘違いでみんな靄の中をふらふら歩きながら進んでいるようなものだという示唆だったのかな。別れは突然やってくるけれど、それもまた現実を示唆している気がしました。
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カズオ・イシグロのファンタジー小説。残りのページ数を考えると、読み終えるのがもったいないと思いながらの読書でした。 5世紀以降、グレートブリテン島の先住民族であるブリトン人の世界に、サクソン人が侵攻してくるようになります。ブリトン人は、アーサー王の下で侵入者と戦い、王亡き後も戦...
カズオ・イシグロのファンタジー小説。残りのページ数を考えると、読み終えるのがもったいないと思いながらの読書でした。 5世紀以降、グレートブリテン島の先住民族であるブリトン人の世界に、サクソン人が侵攻してくるようになります。ブリトン人は、アーサー王の下で侵入者と戦い、王亡き後も戦争もなく平和な日々を暮らしていました。 しかし、かつては血で血を争う戦いを繰り広げたブリトン人とサクソン人が、平和理に隣り合わせで暮らせているのは、人々の記憶が忘却の彼方に消え失せてしまう奇妙な現象が関係していました。それは遠い過去だけでなく、ごく最近に起きたことでさえ忘れられてしまいます。 ある時、記憶がなくなる異変に薄々気づき始めた老夫婦が、記憶の片隅を占めている遠い地で暮らす息子に会うため、長年暮らした村をあとにして旅立ちます。それは、2人にとって確かな記憶を取り戻し、夫婦の絆を深める旅でもありました。 そこは、鬼が跋扈し妖精が住む世界。途中、アーサー王ゆかりの竜退治を唱える老騎士、竜の呪いがかかった少年、若きサムソン人の戦士、高徳の修道僧など、さまざまな人たちと出会いや別れを経験し、老夫婦は旅して行きます。はたして二人の行く末は… 最終章だけ船頭が語り手になり、老夫婦と探し求めた息子のことが明らかになります。そこで、最後に老人の言った「霧にいろいろ奪われなかったら、わたしたちの愛はこの年月をかけてこれほど強くなれただろうか。」という言葉が印象的でした。忘れていたからこそ築けた愛と、忘れていた記憶が戻って振り返る過去を思うと、忘れたままの方がいいと自分なら思いますが、夫婦は自分たちの人生を最後に受け入れたところが感慨深かったです。 それにしても、『第二章』の雨宿りに入った廃屋での船頭の発言「そもそも、本来ならわたしたちは今日ここで出会ってはいけなかったんです。」や『ガウェインの追憶-その一』での後家の発言が重要だったんだなと、最後まで読んで気付かされました。 ところで船頭の名前はカロンかも知れないですね。読み終わった後、ロックバンドSTYX(スティクス:ギリシャ神話の三途の川という意味)の名盤Cornerstone 収録『Boat on The River』を聴きながら、いろんなシーンを回想したりしていました。
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