商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2017/07/28 |
JAN | 9784101209913 |
- 書籍
- 文庫
指の骨
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指の骨
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商品レビュー
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細やかな描写が戦争の酷さ、惨めさを鮮烈に描き出している。まるで見てきたかのような、人が腐り落ちる描写は読む者を酩酊させるよう。 野戦病院という安全地帯で、マラリヤなどで周囲の人間が死んでいくというのに、どこか長閑ささえ感じさせる前半。 そしてひとたび物語が爛熟し腐り始めれば、急...
細やかな描写が戦争の酷さ、惨めさを鮮烈に描き出している。まるで見てきたかのような、人が腐り落ちる描写は読む者を酩酊させるよう。 野戦病院という安全地帯で、マラリヤなどで周囲の人間が死んでいくというのに、どこか長閑ささえ感じさせる前半。 そしてひとたび物語が爛熟し腐り始めれば、急転直下のように死と腐臭の凄惨さが広がっていく。 戦争の最小単位である一人の兵士に焦点を当て、そこに渦巻く悲壮さがリアルに表現されている。もし戦争が起こればこうした無価値な死に包まれ、尊厳なく消滅していくのだと思うと、憤りや恐れ以上に悲しみを感じてならない。
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戦争があり、戦いがあり、病があり、生と死が背中合わせにあった。 情景が淡々と浮かんでは消え、また現れ、消え、の繰り返し。なにかが特別な訳でもない文章が、なぜに心に残るのか。 無声映画をみているような感覚。
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南島の戦場を描いた本書は、戦争文学と分類して間違いない。しかし、戦線の最前であろうと、緊張状態が延々と続くわけではなく、弛緩した空白の時も存在する。食べなければ生きていけない。人と交わらなければ生きていけない。人が人らしく生きるための世界を、暴力的な方法で裏側から描き出している。
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