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完本 春の城
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 藤原書店 |
| 発売年月日 | 2017/07/01 |
| JAN | 9784865781281 |
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完本 春の城
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天草・島原の乱を描いた物語である。完本で取材時のエッセイである「草の道」やインタビュー・対談なども載っている。900ページ。本編だけでも600ページほどある。図書館で借りた。「アニマの鳥」といっしょに借りたが、どうやら同じものであったようだ。連載中は「春の城」、単行本刊行時に改題...
天草・島原の乱を描いた物語である。完本で取材時のエッセイである「草の道」やインタビュー・対談なども載っている。900ページ。本編だけでも600ページほどある。図書館で借りた。「アニマの鳥」といっしょに借りたが、どうやら同じものであったようだ。連載中は「春の城」、単行本刊行時に改題、そしてまた完本として「春の城」と改めているようだ。このところ続けて石牟礼を読んでいる。きっと魂の深いところにつながるのだと思う。他の本がなかなか読めなくなっている。心に響かないのだ。四郎が登場するあたりからドラマは急激におもしろくなるのだが、それよりも何よりも人々が米や麦が底をつく中、なんとか自然の恵みで食いつないでいく様子、その知恵が心にずしりとのしかかってくる。こういう生きるための知恵はおそらくは水俣病が見つかるころまでは続いてきたのだろう。それをこの60年ほどの間で、つまり私が生を受けてから今までの間に受け継がれなくなってしまったのだろう。これで良かったのか、これが良かったのか、なんとも重いテーマなのだ。さて、四郎の周りには人が集まって来る。キリシトの生まれ変わりではないかと思われる。磁石に吸い寄せられる砂鉄のように子どもがくっついてくる。台風の後、四郎がすずをなぐさめるシーンで心が熱くなる。その後も奇跡を起こしていく(実は手品だったのだが)。四郎のことばに人々の心が動かされる。終盤で、四郎にはもうひと活躍してほしかった。そして、ちょっと歴史についての注釈が入るような場面が最後の盛り上がりを冷静にさせてしまったように思う。そうせざるを得なかったのか。連載のためにそうならざるを得なかったのか。もう少し、対談や解説が残っている。そのなかに何かの答えが見つかるかもしれない。最後の最後に、あやめとすずが登場する。そこから光がぱっと広がっていくようでもある。さあ次は「西南の役伝説」である。少し間をあけて、クールダウンしてから読むことにしよう。
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石牟礼道子は、水俣事件の糾弾のためにチッソ本社で座り込みを行った際に、島原の乱に参じたキリスト教徒へ思いを致していたという。 故郷の地が、歴史のとある地点で「試しを受ける供犠の地だったのかもしれない」と述べる。作家のなかで、島原の乱と水俣事件は、ひとつながりである。作家の、40...
石牟礼道子は、水俣事件の糾弾のためにチッソ本社で座り込みを行った際に、島原の乱に参じたキリスト教徒へ思いを致していたという。 故郷の地が、歴史のとある地点で「試しを受ける供犠の地だったのかもしれない」と述べる。作家のなかで、島原の乱と水俣事件は、ひとつながりである。作家の、400年という射程の広さに驚愕する。 しかし一方で、いたずらに故郷を神聖視するわけではないことは、下記の言及からも明らかだ。 「人は山野や海の光が階調をもって広がる中に置かれると、自ずから生命の気品というべきものをかもし出すものではなかろうか」 故郷はまさに生命の気品を有して「いた」土地。しかしそれは特有の条件ではなく、本来あたりまえのようにあった人間の暮らし様であったこと。故郷が神聖なのではなく、当たり前であったものが失われた今に対する(声高ではない)気品のある叫びがここにある。 世界史上、無垢の土地にキリスト教布教レースの力が及んだ悲劇は数多あり、島原もその単なる一例。しかし、歴史を引き受けて、悲劇を繰り返す宿命を引き受けた土地であることも事実。 ページ数的に再読は厳しいが、手元に置いて折に触れて部分部分を読み返したい、そんな気にさせらる、私にとっては価値の高い一冊。
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