1,800円以上の注文で送料無料

死者の書 角川ソフィア文庫
  • 新品
  • 書籍
  • 文庫

死者の書 角川ソフィア文庫

折口信夫(著者)

追加する に追加する

死者の書 角川ソフィア文庫

1,012

獲得ポイント9P

在庫なし

発送時期 1~5日以内に発送

商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 KADOKAWA
発売年月日 2017/07/25
JAN 9784044002046

死者の書

¥1,012

商品レビュー

4.3

5件のお客様レビュー

レビューを投稿

2024/06/29

本日、折口信夫(しのぶ)の「死者の書」を苦労の末なんとか読了した。 読んでみて初めて分かったが、本書は折口の最高傑作と言われる恋愛小説である。舞台は奈良時代、藤原南家の姫と謀反のかどにより処刑された大津皇子との魂の触れ合いを描いた恋物語である。 古代の物語りであるから、当然ながら...

本日、折口信夫(しのぶ)の「死者の書」を苦労の末なんとか読了した。 読んでみて初めて分かったが、本書は折口の最高傑作と言われる恋愛小説である。舞台は奈良時代、藤原南家の姫と謀反のかどにより処刑された大津皇子との魂の触れ合いを描いた恋物語である。 古代の物語りであるから、当然ながら文語体の古文で書かれており、言葉や漢字も難しく、脚注や解説抜きでは到底理解し得ない難解な小説である。 時代背景や物語りのあらすじを理解する上で、巻末の持田叙子(のぶこ)氏の解説は絶妙と言える。 作者の折口信夫は、古代史や古代文学の研究者であり、詩人でもあり、また柳田國男と並ぶ民俗学の泰斗でもある。本書「死者の書」は、民俗学や古代文学の研究書や批評ではなく、詩人折口信夫の恋と魂と美を結晶させた純文学小説である。 折口の幼名は(のぶお)であるが、恋心を抱く頃から(しのぶ)に変えている。持田氏の解説にもあるが、折口は男性に対する恋心多き男であり、同級生や弟子との男色恋愛は極めて奔放である。まさしく「忍ぶ恋」を思わせる信夫(しのぶ)ではないかとの持田氏の説明に、その名前の由来が「目から鱗」の思いで得心した。 それ故に彼の小説は、ある時は男性的であり、ある時は女性的にもなる。作者は、別の書物の中で同僚作家に対して、作中の藤原南家の郎女は、自分自身であると告白しているようである。本書は古文なるが故に難解な文章ではあるが、繰り返し読んでいると、幽玄な琴の調べでも聞こえてくるような美しい文体の戯曲を想わせる。 民俗学者としての折口は、「魂」や「霊」を「まれびと」と言う概念を用いて日本文化の基底に据えており、その「魂」の交感を古代の恋愛小説という文学作品に結実したものであろう。 藤原南家の郎女と俤びと(大津皇子)との切なる魂の呼び合いは、まさしく折口自身が藤原南家の郎女となり、彼の学問上の愛弟子であり、恋人であり、そして養子にまでした折口春洋(はるみ)が硫黄島の戦闘で戦死したことへの慟哭であろうか。本書は、折口民俗学の背景にある繊細で詩的な部分を知る上で避けては通れない作品であると思う。 2024.6.29 宮脇公士

Posted by ブクログ

2021/09/11

過去分 このような文体の本をしっかり読んだのは初めてだったので、読みづらかった!意味もあまり理解できず、、。 しかし、情景の美しさは目に浮かぶようで、奈良時代の良さ、悪いところが見えた気がした。 文章は流れるようで美しいと感じた。

Posted by ブクログ

2019/09/18

平安時代よりもさらに遡った奈良時代が舞台の小説で、最初は何が書いてあるのかさっぱり分からないなりに、所々の文書に惹かれて読み通し、2度目になんとか筋がわかってきたという(笑)。国文学者であり民俗学者であった作者の文章は、貴さとか美しさとか賢さが奈良時代の物の考え方や言葉遣いを反映...

平安時代よりもさらに遡った奈良時代が舞台の小説で、最初は何が書いてあるのかさっぱり分からないなりに、所々の文書に惹かれて読み通し、2度目になんとか筋がわかってきたという(笑)。国文学者であり民俗学者であった作者の文章は、貴さとか美しさとか賢さが奈良時代の物の考え方や言葉遣いを反映した文章で表現されていて印象的で新鮮。説明という漢字にことわけというフリガナがふってあったり、大体がこんな感じでなんというか、二重に楽しめる感覚がある。

Posted by ブクログ

関連商品

同じジャンルのおすすめ商品

最近チェックした商品