吉田松陰の時代 岩波現代全書105

須田努(著者)

• 販売会社／発売会社: 岩波書店
• 発売年月日: 2017/07/01
• JAN: 9784000292054

商品レビュー

2023/01/04

20171022
教育者としての吉田松陰、つまり松下村塾だけにフォーカスせず、兵学者として時勢に立ち向かった吉田松陰を記述した作品。学者の文章であるため、周辺情報や文献が豊富である。
山鹿流兵学を基礎とし、外界に直面した松蔭。基礎とした思想は国体を守るということであり、日本を守るというものである。
国体＝日本とは何であろうか。吉田松陰や三島由紀夫は天皇を中心と置いた。私にとって天皇至上主義は考えづらいが、日本を守るため、国家のためにという意識はある。何か思想の核が無いことには、立ち位置が揺らいでしまう。
日本の自然や四季、八百万の神々に感謝をする神道の思想を突き詰めると、万世一系の天皇思想に繋がることになってしまう。何か無いのだろうか。祖国への思い、文化、自然、経済、人々を誇れるための核を自分でも見出したい。
吉田松陰は、至誠を貫き底抜けに明るい楽天家だったという。一部自分と重ねられる部分があり、参考にしながら他人を感化できる思想を持ちたい。

吉田松陰の生きた幕末、明治初期の歴史を横串を刺して俯瞰する
時勢の中で、兵学者として、覚醒して変化していった吉田松陰像

国体
尊王攘夷の思想
至誠