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かぜのてのひら 新装版
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かぜのてのひら 新装版

俵万智(著者)

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かぜのてのひら 新装版

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 河出書房新社
発売年月日 2017/06/22
JAN 9784309025827

かぜのてのひら 新装版

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商品レビュー

4.3

6件のお客様レビュー

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2024/11/06

俵万智さんの第二歌集。 24~28歳までの歌集で、どの歌も瑞々しく、真っ直ぐな眼差しを感じる。好きな歌がいっぱいあった。 高校教師のときの歌もあり、教師をしながら歌人としても活躍されていたのだと思うと、今さらながらスゴすぎる。 あとがきに「心が鳴る瞬間、自分の中に確かに聴こえ...

俵万智さんの第二歌集。 24~28歳までの歌集で、どの歌も瑞々しく、真っ直ぐな眼差しを感じる。好きな歌がいっぱいあった。 高校教師のときの歌もあり、教師をしながら歌人としても活躍されていたのだと思うと、今さらながらスゴすぎる。 あとがきに「心が鳴る瞬間、自分の中に確かに聴こえた音楽を言葉という音符で書きとめることが、歌を詠むこと」といったことが書かれていた。素敵だなぁ。だから、俵万智さんの歌はいつもストレートでまっすぐ心に届くんだね。 以下、特に心に響いた歌を。 ○ぎこちない父との会話 茶柱が立てばしばらく茶柱のこと ○窓辺には父の愛したアメリカのガラス細工の鳥のはばたき ○心散るならば満開の木の下でそっと言われたかったさよなら ○ぎんいろの郵便受けを光らせて待つためにある初夏の一日 ○ピストルの音 いっせいにスタートをきる少女らは風よりも風 ○君の指から吾の指へ伝い来るてんとう虫のたしかな歩み ○スクランブル交差点、青 いっせいに魔法が解けて人歩き出す ○三度めの春を迎える恋なればシチューを煮こむような火加減 ○四万十に光の粒をまきながら川面をなでる風の手のひら ○家族というまあるいケーキを切り分けて吾にひとつぶの苺をのせる ○B4の上質紙トンと揃えおり心もこんなふうにトトンと ○しゃぼんだま追えば追うほど遠のいて空と溶けあうまでの距離感

Posted by ブクログ

2024/08/19
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※このレビューにはネタバレを含みます

特に好きな歌。 ◇母と娘のあやとり続くを見ておりぬ「川」 から「川」へめぐるやさしさ ◇泣きじゃくるチア・リーダーよこんなにも悔しいことがあるということ ◇読み終えてしまった推理小説のように男に抱かれておりぬ ◇渡されし缶コーヒーは生ぬるくあなたをかばうように飲みほす ひらがなとカタカナを意識しながら読んだ。

Posted by ブクログ

2023/06/06

天才歌人、俵万智さんの第二歌集。 24歳の早春から28歳の冬の終わりまでの四百七十余首だそうです。 その四年間は俵さんにとってかなり起伏の大きい四年間だったそうです。 まる四年間勤めた橋本高校を退職されたことはあとがき「心が鳴る」に書かれていますが、この歌集で気になるのは第一歌集...

天才歌人、俵万智さんの第二歌集。 24歳の早春から28歳の冬の終わりまでの四百七十余首だそうです。 その四年間は俵さんにとってかなり起伏の大きい四年間だったそうです。 まる四年間勤めた橋本高校を退職されたことはあとがき「心が鳴る」に書かれていますが、この歌集で気になるのは第一歌集『サラダ記念日』では、もう幸せいっぱいとしかいえなかった万智さんの恋の行方でした。 なんだか、淋しい方向に進んでいるみたいで胸が痛くなる歌が多かったです。 タイトルの『かぜのてのひら』は ○四万十に光の粒をまきながら川面をなでる風の手のひら からとられています。 この歌集は、恋の歌以外も色々載っていますが、やっぱり気になる恋の歌中心に以下に載せます。 ○「おまえとは結婚できないよ」と言われやっぱり食べている朝ごはん ○かつて我が夫に立候補せし人の婚の知らせを聞く十二月 ○「たすけて」と言えばあなたは会いに来てくれるだろうかくれぬだろうか ○君の子として生まれきしみどりごを花より早く知るこの四月 ○君の子を生める女人のほほえみの眉毛も唇も三日月の夜 ○チューリップの花咲くような明るさであなた私を拉致せよ二月 ○三度目の春を迎える恋なればシチューを煮こむような火加減 ○今日からは妻と呼ばれる友がいてはにかむような桜のつぼみ ○来年のことは言わない原っぱに菜の花色の時限爆弾 ○さみどりの葉をはがしゆくはつなつのキャベツのしんのしんまでひとり ○六月になれば心をよぎる人夢の中にてすずらんを振る ○花ことば「さびしい」という青い花一輪胸に咲かせて眠る ○「斜陽館」にて更ける夜は思いきり一人よがりの日記を書かん ○はなむけの言葉を生徒に求められ「出会い」と書けり別れてぞゆく ○選択をするなら誰にも憎まれぬ国より一人に愛される国 ○「もし」という言葉のうつろな人生はあなたに一度わたしに一度

Posted by ブクログ

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