商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2017/05/12 |
JAN | 9784000928267 |
- 書籍
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定本漱石全集(第六巻)
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定本漱石全集(第六巻)
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今まで漱石の作品は大抵文庫版を読んでいたのだが、今回初めて「全集」なるものに手を出してみて、その注解の量と丁寧さに驚いた。中でも当時の東京市街図には本当に助けられた。おかけで読破に相応の時間はかかったものの、理解は深めることができたように思う。 この丁寧な注解のおかげか、「それか...
今まで漱石の作品は大抵文庫版を読んでいたのだが、今回初めて「全集」なるものに手を出してみて、その注解の量と丁寧さに驚いた。中でも当時の東京市街図には本当に助けられた。おかけで読破に相応の時間はかかったものの、理解は深めることができたように思う。 この丁寧な注解のおかげか、「それから」も「門」も、私なりにとても楽しむことができた。漱石特有の溌剌とした粋な言い回しは鳴りを潜め(主人公が30代だからかもしれない)、あらゆる事件も感情の起伏も、あくまで静かにひっそりと描き出しているが、そこには途方もない奥行きがあり、登場人物たちが立体的に表現されている。静かだからこそ際立つ感情の深さに何度胸を打たれたことか、、、漱石はこんな文章も書けるのかと、作品を読むたびに驚かされる。誰も彼もが本当に愛おしくて切なくて、欠けているけれど満たされている、いや欠けているからこそ満たされている、そんな矛盾がぴたりと当てはまるような作品だった。 漱石の前期三部作はこれで読破したことになるのだが、「三四郎」にここまで胸打たれることなかったのはやはり注解の違いか?それとも私の年齢の関係?どちらにしろ、どんなに(物理的に)重くても漱石の作品は全部「全集」で読んだ方がいいなと思った。
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