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文化的再生産の社会学 増補新版 ブルデュー理論からの展開
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文化的再生産の社会学 増補新版 ブルデュー理論からの展開

宮島喬(著者)

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文化的再生産の社会学 増補新版 ブルデュー理論からの展開

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 藤原書店
発売年月日 2017/04/01
JAN 9784865781182

文化的再生産の社会学 増補新版

¥4,620

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2024/03/30

「日本における「対応分析」受容の現状を踏まえて、 EDA(探索的データ解析)の中に対応分析を位置付け、 新たなデータ解析のアプローチを実現する」 藤本一男 https://tsuda.repo.nii.ac.jp/records/345 「1.2 ブルデューの「ディスタンクシオン...

「日本における「対応分析」受容の現状を踏まえて、 EDA(探索的データ解析)の中に対応分析を位置付け、 新たなデータ解析のアプローチを実現する」 藤本一男 https://tsuda.repo.nii.ac.jp/records/345 「1.2 ブルデューの「ディスタンクシオン」の翻訳での対応分析をめぐった混乱  社会学と対応分析の関係が語られる時、ピエール・ブルデューと彼による「変数の社会学」批判が引き合いにだされる。それは、時に、次のような挑発的なフレーズとともに参照される。 「私は対応分析をよく用いますが、それは対応分析が関係論的な手続きであり、私にとっては社会的現実を構成するものを十全にあらわす哲学だからです。それは、関係論的に思考する手続きであり、私が界概念とともに試みていることです。(Lebaron 2010:102、磯 2020:130)」  ここに表現されている多重対応分析への注目 2)は、必ずしも理解されてこなかった。確かに、『ディスタンクシオン』はブルデューの基本文献なのだが、そこでの計量手法、つまり対応分析と彼の社会学概念が切断されているからである。  それは、ブルデューが用いた計量分析の手法(対応分析)が、「照応性の分析」と訳されていることに加えて、対応分析の基本的な概念、その意味では、ブルデューが「界」の概念と対応させている多重対応分析の重要概念である「慣性」「因子」の翻訳で失敗している。  対応分析において「慣性」とは伝統的統計学でいうところの「分散」であり、訳註で説明されるような「比喩」などではない 3)。  さらに原文で「factorielle」とあるものが、すべて「因子」と翻訳されているが、これは「座標軸(もしくは主軸)」と訳されるべきものである。第 5 章の注の英訳は「This means that the first factor in the factorial analysis corresponds to the second dimension of the social space and the second factor to the third dimension.」となっている(Oxford 版 p580 の(6)、Routlege 版では p574 の 8)。 日本語訳では、「(8)このことは、因子分析の第一因子が社会空間の第二次元に、第二因子が第三次元にそれぞれ対応しているということを意味している」となっている。  原文は、以下の通りである。  「8. – Cela signifie que le premier facteur de l’ analyse factorielle correspond à la deuxième dimension de l’espace social et le second à la troisième.」  つまり、日本語で「因子分析」とされている部分は、「l’analyse factorielle」であって、社会学や心理学で多用される(探索的)因子分析ではないのである 4)。」 「4) こうした理解のねじれによって、ブルデューが用いた計量的手法が「因子分析」である、という誤解、混乱が生じた可能性もある。宮島・藤田 1991 の第 8 章は、日本での調査データに対して因子分析をおこなってブルデューの展開として展開している。その分析を結果をうけるかたちで執筆された『文化的再生産の社会学』の初版(1994)はいざしらず、2017 に刊行された増補版でも分析方法についてはそのままである(宮島・藤田 1991, 宮島 2017)。」

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2020/10/06

ブルデュー、パスロンにおける文化再生産の再解釈に加え、その理論に則り日本社会の文化相続を横断的に分析した本。 「階層」の概念が曖昧な分、日本における学生のクロス分析は難しいと思われたが、授業態度という新たな視点から分析したのは面白い。もう少し踏み込んで、文化資本、特に身体化された...

ブルデュー、パスロンにおける文化再生産の再解釈に加え、その理論に則り日本社会の文化相続を横断的に分析した本。 「階層」の概念が曖昧な分、日本における学生のクロス分析は難しいと思われたが、授業態度という新たな視点から分析したのは面白い。もう少し踏み込んで、文化資本、特に身体化されたハビトゥスが初期教育にどのくらい影響しているか、教育政策の根拠となるような分析もしてくれてたら嬉しかったです。

Posted by ブクログ

2017/05/07

文化資本論に関する基本書を探していたところで本書(増補新版)が刊行された。ブルデューの『ディスタンクシオン』で得られた結果を直ちに日本に適用することが難しい点が一部あるが、適宜著者が日本の状況を検討している。例えば、フランスでは中級と上級階級の差は明瞭だが、日本では一般ホワイトカ...

文化資本論に関する基本書を探していたところで本書(増補新版)が刊行された。ブルデューの『ディスタンクシオン』で得られた結果を直ちに日本に適用することが難しい点が一部あるが、適宜著者が日本の状況を検討している。例えば、フランスでは中級と上級階級の差は明瞭だが、日本では一般ホワイトカラー層が文化的に上層と接近している様相にあることがある(p.227)。 本書ではいくつかの枢要なブルデューの理論を丁寧に引いた上で、日本社会を診断していく。例えば、生徒・学生の進路選択には、本人の自由な意志だけではなく、家庭内外の環境により、深く条件づけられたものであるはずと説く。このことを踏まえ仕事や子育てと向き合うことは、好みはあるかもしれないがおそらく有用なのだろう。この他にも下にいくつか引用したが、冷徹にそうした指摘を一読することで「社会」の仕組みについて考えやすくなると思った。 『ディスタンクシオン』から引用された、例の音楽作品の質問と集計結果についても簡潔にまとめられている。「平均律」「ラプソディ・イン・ブルー」「青ダニ」の中で好きなものを問うものだが、階層によりきれいに区分できるという。こうした趣味・欲求等は、環境の中で無意識裡に習得するとのことだ。 衝撃的なのは、授業出席率と問題解答ノウハウ(p.209)のクロス表の分析である。授業の30%未満しか出席しない50.5%の学生が、素早く察知し、答えをだす、としており、皆勤の学生は31.9%しかこのカテゴリーにない。勤勉性と中下層出身者の生活習慣の関連をこの後議論している。学校側・教師側がこの結果を了解しておく必要があろう。まじめさは、意外に「再生産の環から抜け出す」(p.220)変数でない可能性がある。 この本からは、大学・学校経営者等の教育コンテンツを提供する側が学ぶ点が多い。階層間の様々な差が、どのように在り、正当化され、再生産されてしまうのか、そのメカニズムをしたたかに理解しておきたい。職務によっては、学生の保護者から授業料等の支払いを受け、再生産の一部のプロセスを委託されているケースがある。その場合、立場上、仕事の中におけるある種の公平性の追求は馴染まないといえよう。 <旧版書評> https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_10614916_po_ART0002079112.pdf?contentNo=1&alternativeNo= https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsr1950/47/4/47_4_502/_article/-char/ja/

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