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生命・人間・経済学 科学者の疑義
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 日本経済新聞出版社 |
発売年月日 | 2017/03/01 |
JAN | 9784532357214 |
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生命・人間・経済学
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(宇沢)現実には経済理論からいわば一つの思想が生まれていって、その思想が実際の政策の方向づけをしていくのですが、問題はいま近代経済学からその思想のところが欠落していることで、しかも理論そのものにも大きな欠陥がある。そういう現状で経済学者が政策的な提言をすることが果たして可能であるかという疑問をもたざるをえません。 経済学はいまの経済社会の、さまざまな矛盾を生み出しているメカニズムを正当化するような理論体系をつくり、その理論体系を使って現在のメカニズムが望ましいものであることが証明されたと主張しようとしている。一種のトートロジーですよ。最初に渡辺さんから出された経済学に対する不信感というのは、おそらくそういうところに根ざしているのではないでしょうか。(pp.65-66) (渡辺)道義的とか人間的とか言うのは、極論すれば実は社会的便宜性じゃないのかな。それによって社会が安定するといった意味での便宜性。だから経済的な効率性とある程度似た問題だろうと思うんですよ。それは生物本来の性質ではなくて、社会生活のなかで半強制的につくられたものじゃないかと思う。(p.129) (宇沢)「科学」という言葉が、自然科学のほうで言うときと社会科学のほうで言うときとで、違った意味にとられていますね。「科学的社会主義」なんて言い方に表れているのですが、往々にして「科学」というのは本質から人びとの目をそらす面を持っていたと思うのです。(p.216) (宇沢)結局GNP主義というのは、コストがかかればかかるほど、いい生活をしてるような幻想をみんなに与えてきたわけですね。それは単なるイリュージョンではなくて、実際に産業に対する需要になっていたわけですが。それに対しても費用はかからなくて、しかも文化的に豊かな生活を営めるような社会が望ましいという自明なことを再確認しておきたいと思います。(p.256)
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