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ロベスピエール
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ロベスピエール

ピーター・マクフィー(著者), 高橋暁生(訳者)

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ロベスピエール

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 白水社
発売年月日 2017/02/01
JAN 9784560095355

ロベスピエール

¥3,960

商品レビュー

4.8

4件のお客様レビュー

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2024/08/19

ロベスピエールはあまりに劇的な最期を遂げたため、死後様々な立場から多種多様に語られてきました。そこに「語る者」の意図がどうしても色濃く反映されてしまいます。 ですが著者のマクフィーは歴史家としてそこからなるべき距離を置こうとします。 権力に飢えた独裁者、冷酷無比な虐殺者、政敵...

ロベスピエールはあまりに劇的な最期を遂げたため、死後様々な立場から多種多様に語られてきました。そこに「語る者」の意図がどうしても色濃く反映されてしまいます。 ですが著者のマクフィーは歴史家としてそこからなるべき距離を置こうとします。 権力に飢えた独裁者、冷酷無比な虐殺者、政敵を無慈悲に断頭台に送り込んだ精神異常者。そんな単純な話で還元できるものではありません。 その姿勢こそ本書の最も特徴的なポイントであり、私が感銘を受けた点でした。 この本は人間の複雑さ、そして置かれた環境によって人間はどうなりうるのかということを考えさせられる名著です。

Posted by ブクログ

2024/05/26

すごく面白かった。日本語の訳書が出たことに感謝したい。 ロベスピエールが"血に飢えた心ない独裁者"でないことは知っていたが、支持者やファンたちによる神格化にも違和感を抱いていたので、「独裁者でも「清廉の人」でもない等身大のロベスピエールへ」という本書のスタン...

すごく面白かった。日本語の訳書が出たことに感謝したい。 ロベスピエールが"血に飢えた心ない独裁者"でないことは知っていたが、支持者やファンたちによる神格化にも違和感を抱いていたので、「独裁者でも「清廉の人」でもない等身大のロベスピエールへ」という本書のスタンスは腑に落ちた。著者はロベスピエールに同情的だが、プレリアル法や晩年の態度など批判すべき点は批判している。また同時代人の多様な証言や手紙が多数引用されており、それを読むだけでも非常に面白かった。我々みんなと同様に多面的なロベスピエールを再確認できた。 テルミドールのクーデターは起こるべくして起こってしまったんだと思った。単に邪悪な"テルミドリアン"が保身のために彼の失脚を伺っていたというだけではなく、革命戦争の勝利が固まったので"独裁体制"の終結を望む人が増えた+ロベスピエールの判断ミスと不適切な態度(誰もが"革命の敵"として告発・断罪される可能性があり、そのリストは彼の手に握られているとほのめかした)により皆が自分たちの身の安全を非常に不安視したことで、もともと敵ではなかった人々まで敵にしてしまったのだろう。 とはいえ、ロベスピエールが顎を砕かれて苦悶のうちに死に、同時代人や後世から悪の象徴として罵られ続けられるべき人物ではないことも明らかだろう。著者はクーデターよりもむしろ死後の彼に対する中傷を批判しているように感じた。 破局へ至る革新的な(だが欠点も持ち、破滅につながるミスを犯した)人物の伝記つながりで、セリーヌの「ゼンメルヴァイスの生涯と業績」を思い出した。 「成長した子供は聖人や悪魔ではなく大人になるのだ」や「ひとの人生に心理分析的カテゴリを無理くりあてはめるべきでなく、その中で起こった悲劇の影響を誇張してはいけない」という結論は、ロベスピエールに限らず人間について考えるときには忘れてはいけないともあらためて強く思わされた。 (とはいえ、著者も1794年春-テルミドールまでの失敗の原因を「心身の疲弊」と強引にまとめているようにも思われる。(「ロベスピエール邪悪論」以外の)考えられる他の理由はないのだろうか。とはいえ、これ以上に説得力のある説明はなかなか思いつかないが...)

Posted by ブクログ

2021/11/10

ロベスピエールは人物としては好感の持てるのではなかったか。清廉潔白で私心がなく、革命の理念に忠実であろうとした姿勢は揺るがない。おそらく、現在のマスメディアが絶賛しそうな存在だ。そういった人が権力を握ったところ、とんでもない独裁が行われて処刑される人数が激増することとなる。内憂外...

ロベスピエールは人物としては好感の持てるのではなかったか。清廉潔白で私心がなく、革命の理念に忠実であろうとした姿勢は揺るがない。おそらく、現在のマスメディアが絶賛しそうな存在だ。そういった人が権力を握ったところ、とんでもない独裁が行われて処刑される人数が激増することとなる。内憂外患といった情勢があったとはいえ、この事実はもっと真剣にとらえられてよいのではないか?

Posted by ブクログ

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