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紅のトキの空 評論社の児童図書館・文学の部屋
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紅のトキの空 評論社の児童図書館・文学の部屋

ジル・ルイス(著者), さくまゆみこ(訳者)

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紅のトキの空 評論社の児童図書館・文学の部屋

1,760

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 評論社
発売年月日 2016/12/01
JAN 9784566013988

紅のトキの空

¥1,760

商品レビュー

4.8

5件のお客様レビュー

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2023/09/03

スカーレットが、障がいのある弟のレッドと働けないお母さんと3人で暮らしていたのに、火事が原因で家族がバラバラになってしまったのを、一緒にいられるようにがんばったお話。 どうなっちゃうんだろうって思いながらずっと読んでいた。もし自分がスカーレットだったら、同じようにがんばれなくて、...

スカーレットが、障がいのある弟のレッドと働けないお母さんと3人で暮らしていたのに、火事が原因で家族がバラバラになってしまったのを、一緒にいられるようにがんばったお話。 どうなっちゃうんだろうって思いながらずっと読んでいた。もし自分がスカーレットだったら、同じようにがんばれなくて、泣いて終わっちゃうかもしれない。でも、がんばれるかな。大変だけど大事な家族、優しい新しい家族、友だち、どれもすごく難しい。悩む。 でも、とにかく、お話がハッピーエンドだったからよかった。 ぼくは、レッドに鳥の羽をくれた動物園のジムが一番好きだった。ジムは優しい人だけど、ジムもレッドも鳥が好きで、仲良くなれたし、病気のことも理解してくれた。(小6)

Posted by ブクログ

2022/12/23

スカーレットは十二歳。 母さんと弟と、三人で静かにくらすことが願いだ。 なのに、母さんは入院してしなくちゃいけないし、 弟は児童ケアホームに入らなくちゃいけない。 どうして、家族がはなればなれになるの? ー本書あらすじより 上記のあらすじにあるように、 イギリスに住む主人公・...

スカーレットは十二歳。 母さんと弟と、三人で静かにくらすことが願いだ。 なのに、母さんは入院してしなくちゃいけないし、 弟は児童ケアホームに入らなくちゃいけない。 どうして、家族がはなればなれになるの? ー本書あらすじより 上記のあらすじにあるように、 イギリスに住む主人公・スカーレットはたった十二歳にして、おそらくは自閉症やアスペルガーである弟・レッドの面倒を見、お酒とタバコに逃げ時にはレッドにつらく当たる母の世話もし、学校に行きながら家事もすべてこなしていた。 遊ぶべき時期に遊べない子どもの典型例だ。 しかしスカーレットの気持ちは、典型だのと型にはめて語ってはいけないものだ。 このような生活を続けていれば、早く家を出たい、母も弟も嫌いだと思う子どもも居そうなものだが、スカーレットの場合は違う。 スカーレットの家系のルーツは全く分からないし、そういう意味では自分の出自によりどころがない。 でも、だからこそだろうか。 スカーレットは三人での生活を壊したくなかった。 この生活を守るためなら、毎日の家事などが忙しくても、勉学にも頑張って励み、ソーシャルワーカーのジョー(スカーレットは彼女に心を開かず、ペンギンという渾名やギデオンさんと他人行儀に呼んでいる)にも我が家は大丈夫なのだとアピールする。 特に弟レッドとの絆は、互いにとても強い。 レッドはスカーレットにだけ懐き拠り所にし、スカーレットはレッドには私が絶対に必要だと自負している。 そしてそんなきょうだいを繋ぐのが、鳥ー特に真っ赤で美しいショウジョウトキだった。 レッドが大の鳥好きなのだ。 動物園のスカーレットたちの事情を知っている従業員が、本当はダメだけど無料で動物園に入れてくれる。 たまにきょうだいで行く動物園の時間が、特に二人の楽しみであった…。 スカーレット視点で物語が動いていくので、スカーレットの気持ちが痛いほど伝わってくる。 たとえ周りはスカーレットたちのことを思って行動していても、それが結果的に家族をばらばらにするのなら、スカーレットは周りを敵視する。 親友だったシタもそうだ。 シタもシタのお母さんも、スカーレットたち子どもを守るために福祉へと繋いだが、スカーレットは家族一緒に住んでいたかったから、彼女たちにも良い感情を抱かなくなってしまった。 そして思わぬかたちではなればなれになった家族。 結果はあらすじの通りだ。 そこから里親に引き取られたスカーレット。 けれどスカーレットはどうしても家族ー特にレッドと一緒に暮らしたい。 でもギデオンさんも里親も、レッドがどこにいるのか教えてくれない。 いつもそうだ!誰もわたしになにも教えてくれない! …そんなスカーレットの気持ちが刺さる。 そしてスカーレットは里親の家庭に居心地の良さを感じたり、母親が良くなることを祈ったり、里親家庭で母親もレッドも一緒に暮らせたらいいのにと思ったり、大人に守られるってこういうことなんだと実感したり…いろんな気持ちがぐるぐるぐるぐる…… スカーレットの気持ちもそうだが、この物語は短い期間に、様々に展開が移ろい変わっていく。 新しい里親、新しい家、新しい学校、新しい友達、友達が出来たかと思えばハブられたり… 一難去ってまた一難。 作者あとがきの最初には、 「物語は、ときには一つのくっきりしたイメージから生まれてきます。まるで本の中を一本の川が流れているように。でも、ときには、いくつかの小さなイメージが重なって小さな流れとなり、進みながらまとまっていて物語ができる場合もあります。 この作品は、多くのイメージや多くの人々の物語に触発されて、スカーレットと弟のレッドをめぐる物語になりました。」 とあります。 まさにこの文章の通りの物語だと感じた。 この物語は、読みやすくて、感情移入もしやすくて、だけど、主人公のスカーレットの気持ちや周りの環境、日々起こる出来事は複雑だ。 でも最後は一つにまとまってゆく。 中学一年生(イギリスでは七年生)という、ただでさえ不安定な年齢に様々な出来事が起こって、追い詰められてゆくスカーレット。 それを見ているこちらはハラハラしながら見守るしかない。 そういうことって、現実でもよくある。 あとがきでスカーレットみたいな子はイギリスにたくさんいるとあるが、日本にもたくさんいる… まるでひとりの実在する女の子の人生の一部に寄り添わせてもらった。そんな読了感だった。 あっ、ハッピーエンドなのでその点安心してほしい。 最後に、スカーレットやレッドはもちろん、特に好きな登場人物はジェズとマダム・ポペスクです。

Posted by ブクログ

2020/04/13

12歳のスカーレットは、精神状態の悪い母親の代わりに家事をこなし弟レッドの世話をして家族を守ってきた。だが母親が出した火事により家族がバラバラになってしまう。 スカーレットは里親に預けられた家で初めて、大人に守られる子ども本来の生活を知る。 その当たり前なことを知らなかった、そう...

12歳のスカーレットは、精神状態の悪い母親の代わりに家事をこなし弟レッドの世話をして家族を守ってきた。だが母親が出した火事により家族がバラバラになってしまう。 スカーレットは里親に預けられた家で初めて、大人に守られる子ども本来の生活を知る。 その当たり前なことを知らなかった、そういう子どもがいることに胸が張り裂ける。 けれど、その暮らしに居心地の良さを感じることに後ろめたさを抱くスカーレット。あまりに不憫だ。 スカーレットは施設に預けられたレッドを救い出すために、今の居心地の良い暮らしを棄てる決心をする。 障害を抱えたレッドの救いは鳥。鳥を愛する人々との繋がりが愛しい。 トリニダードトバゴのカロニー・スワイプの湿原をボートで行くスカーレットとレッド。 夕暮れ時、ショウジョウトキの群れが空を染めて戻り、マングローブ林に紅のランタンを灯したようになって眠る。二人が眠りにつく前に描く景色が美しくて切ない。

Posted by ブクログ

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