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犬と鬼 知られざる日本の肖像 講談社学術文庫
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犬と鬼 知られざる日本の肖像 講談社学術文庫

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犬と鬼 知られざる日本の肖像 講談社学術文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 2017/01/12
JAN 9784062924054

商品レビュー

4

6件のお客様レビュー

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2024/01/04

日本文化をこよなく愛する筆者だからこそ書ける、日本への厳しい批判が並びます。 出版は20年以上前ですが今読んでも刺さる部分がかなりあります。つまり日本は中々変わることが出来ていないというのが実感出来ます。

Posted by ブクログ

2023/07/08

2002年のハードカバー版を読んでいたが、ふと思い出して再読した。 あれから20年。日本は変わった。さらに悪く。 欧米の常識と比較しての日本論は、やや上から目線が気になるものの、指摘されている内容は耳が痛い。一例として「土建国家」は、災害への備えを欠かせない日本にとって建設業の...

2002年のハードカバー版を読んでいたが、ふと思い出して再読した。 あれから20年。日本は変わった。さらに悪く。 欧米の常識と比較しての日本論は、やや上から目線が気になるものの、指摘されている内容は耳が痛い。一例として「土建国家」は、災害への備えを欠かせない日本にとって建設業の供給能力維持は不可欠なのだが、それでも1960年代の技術を「そのまま」単純に拡張するのは明らかにおかしい。 かつて日本が手にしていた自然の美しさと個性的な地方の景観が、狭くみすぼらしい道路、味気なく場違いでそのくせ使いづらい建物、東京の劣化コピーでしかないチェーン店の看板で台無しにされてしまった姿は、実体験として本当に悲しい。 「鏡の国のアリス」として例えられているとおり、本当に必要な国民の健康や個人資産、自然や文化遺産を保護するための規制は皆無なのに、天下り先確保のためだけに制定された無意味どころか有害な許認可制度は続々と制定され、土地の有効活用や新しい産業育成を阻害する規制は残ったまま、外資や竹中のような拝金主義者を利する規制緩和は破壊的に進められる。 すべては「中途半端で」「醜く」そして「幼稚」だ。 革命や改革の希望は気色悪いポリコレ勢力に汚染され尽くし、本物の伝統を守る真の意味での保守は敗戦と戦後の変更教育で消え失せた。 疲れ果てた国民は行き場のない怒りと絶望をドファルジュ夫人の編み物に埋め込む。 今度「二都物語」を読んでみよう。

Posted by ブクログ

2023/04/02

日本の魅力を発信するアメリカ人による、日本の問題点をした本。日本のバブル後の失われた20年に起こった日本の課題を指摘している。断片的な事象もって日本の官僚組織を批判したり、一部の意見をもって日本の特性と断定したり、分析・評価に説得力のない点が多いが、外国人から見た当時の一面として...

日本の魅力を発信するアメリカ人による、日本の問題点をした本。日本のバブル後の失われた20年に起こった日本の課題を指摘している。断片的な事象もって日本の官僚組織を批判したり、一部の意見をもって日本の特性と断定したり、分析・評価に説得力のない点が多いが、外国人から見た当時の一面としては、参考になる。経済的な基礎知識が欠如していると思われ、残念。 「瑞々しく青々とした山々、エメラルド色をした岩の上を流れる清流など、世界でも有数の美しい自然環境。東アジアのあらゆる芸術的財産を受け入れ、何世紀もの間日本特有の感性でさらに練り磨いた、アジアで最も豊かな文化遺産。先進国でも屈指の優秀な教育制度や、高度なテクノロジーを誇る日本。工業分野の成長は各国の称賛を浴び、その過程で得た利益で、ひょっとすれば世界で最も裕福な国となったかもしれない。世界をリードする新たな輝かしい文明を築くところまで来ていた。だが、1990年代の日本はどういうわけか意気消沈してしまった」p6 「日本の器用に組み立てられた「行政」という名の機械は、致命的に重要な部品が一つ欠けている。それはブレーキだ。いったん進路を取り始めると、他の国々では考えられないほどの過剰な次元に行きつくまで、継続する傾向にある」p15 「(ロバート・マクニール)広島から東京まで、延々800キロ続く退屈な風景にはうんざりした。味もそっけもない効率一点張りのゴミゴミした眺めは見るのもつらく、トンネルに入るとほっとしたほどだ」p23 「(土建国家・日本)巨額の補助金が建設に流れ、驚くことに、国の歳出予算のなんと40%が公共事業に充てられている(アメリカでは8~10%、イギリスやフランスでは4~6%)」p28 「日本は秋草や紅葉に埋もれた野山を愛でる国で、日本の美と聞いて思い起こすのは地味、繊細、白木、素焼きなどである。だが現代日本は、それとはまったく反対の道を突き進んでいる」p41 「日本人はよく「きれい」という言葉を使うが、それは「美しい」と同時に「きちんとして清潔」という意味もあり、ブルドーザーでならしたばかりの山腹や、コンクリートで改修したばかりの川岸についてもいう。すらっとした人工のものが「きれい」だというのは、1950年代から60年代の「発展途上国」時代の後遺症である。当時、田舎の道はまだほとんど舗装されていなかった。でこぼこの泥道になめらかなアスファルトが敷かれ、朽ちかけた木の手すりが輝くスチールに替わったのを見た時、人々がどんなに喜んだか想像できる」p44 「台風で砂がバケツ一杯流されただけでも、山のてっぺんから石ころがひとつ落ちただけでも、それは行政が対処しなくてはならない」p47 「(企業の廃棄物投棄)田舎の道路際はゴミだらけで、空きビン、古い冷蔵庫、エアコン、自動車、がらくたの詰まったビニール袋など、さまざまなゴミが捨ててある。海岸にはペットボトルが散乱している。メースンは言う「京都の北山をドライブすれば、道端には必ずゴミが落ちている。コロラドなどでは考えられないことだ」。コロラドだけではない。ヨーロッパのほとんどの国でも、シンガポールやマレーシアでもそれは同じである」p80 「元警察官はパチンコ業界に天下り、またプリペイドカードの利益の一部が警察関連組織に流れるから、全国にパチンコ店がはびこってしまった。建設省河川局の役人は儲かるから数百となくダムを造る。無用なモニュメントがあちこちに建ち、海岸がセメントで埋め立てられるのは、建設会社が政府機関から特別扱いをされているためだ」p164 「(加藤シヅエ)ラフカディオ・ハーンの文章を読み、美しい風景を期待して日本を訪れる多くの外国人は、美しく比類のない文化遺産を日本人が無残にも破壊しているのを目の当たりにして驚き、憤っているであろう」p194 「(日本は)伝統文化そのものを見直すことだ。日本の伝統文化には、競争心という傾向が清貧と共存している。かつてならや京都に都を築いたとき、朝廷は肩越しに中国や朝鮮をうかがっていた。奈良時代、真っ先になすべきこととされたのは、国の総力をあげて東大寺を建立することだったが、その目的は唐の都・長安にある巨大な寺院と張り合うことだった」p271 「ウォルフレンが指摘しているように、コンセンサスや遵奉が重視されるために、責任者がだれもいないという状況が生まれる。一度進みだしたら、日本はもう止まらない。舵手がいないから、国家という船が進み始めると、ギアをバックに入れ直すことをできる者がいない。船はどんどん速度を上げていき、ついには岩に激突してしまうのだ」p276

Posted by ブクログ

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