商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2016/12/01 |
JAN | 9784309728797 |
- 書籍
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平家物語
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平家物語
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商品レビュー
4.6
22件のお客様レビュー
古川日出男さんのリズミカルな短いフレーズがなんとも心地良い。古典を全文読むのは初めてで感動。 2924-007
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「平家物語 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集)」(古川日出男 訳)を読んだ。 ええ読みましたとも。 訳者あとがきまで含めて880頁。 原文は『祇園精舍の鐘の声、諸行無常の響きあり。娑羅双樹の花の色、云々』のところぐらいしか知らないけれど、この古川日出男さんの訳文は見事だと思...
「平家物語 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集)」(古川日出男 訳)を読んだ。 ええ読みましたとも。 訳者あとがきまで含めて880頁。 原文は『祇園精舍の鐘の声、諸行無常の響きあり。娑羅双樹の花の色、云々』のところぐらいしか知らないけれど、この古川日出男さんの訳文は見事だと思うな。 まさに琵琶の音に合わせて歌うような語りかけるようなリズムだものな。 畳みかける饒舌さが良いです。 単なる英雄譚ではなく人の弱さを余さず語るところが平家物語の真髄か。 しかしまあ誰も彼もよく泣くのね。 『赤地の錦の直垂に紫裾濃の鎧を着て』とか『赤地の錦の直垂にに唐綾威 の鎧を着て』とか『朽葉色の綾の直垂。その上に赤革威の鎧』とか誰も彼もオシャレだしね。 あー面白かった。 今このときの『安◯派』の凋落ぶりを見るにつけてもまさにまさにおごれる人も久しからずということでございますでしょうか。嗚呼!
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古川日出男による『平家物語』の完訳。 そもそも平家は原文自体が美しく、リズミカルだが、現代から見ると説明が必要だったり冗長だったりする部分も多い。訳者はそこに複数の「語り手たち」を、しかも無常観や仏の功徳について深く知っている「語り手たち」(彼らの正体は平家滅亡時の語りで明かされる)を登場させることによって、物語の主題がより明らかになるようにしている。「前語り」にて、訳者が書いた「物語の中味に改変の手を入れず、どうやって『構成』を付す? 私は、平家が語り物だったという一点に賭けた」という文に示されているように、「語り手たち」の登場によって、物語に新たな構造が生まれている、ということなのだろうと思う。 平家そのものの美しさと訳者の特徴的な文体の迫力とが相まって、始まりから終わりまで、活劇の場面も陰鬱な場面も、飽きさせられずに読み終えることができた。
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