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お金の流れで探る現代権力史 「世界の今」が驚くほどよくわかる
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | KADOKAWA |
発売年月日 | 2016/12/01 |
JAN | 9784046017628 |
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お金の流れで探る現代権力史
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お金の流れで探る現代権力史
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商品レビュー
4.2
12件のお客様レビュー
世界史を動かしてきたのはお金だということがよくわかります。
著者は元国税調査官。国税局に10年勤務したのちフリーライターになり、30冊を超える税務関係の著作を物してきた人物。『お金の流れでわかる世界の歴史 富、経済、権力・・・・・・はこう「動いた」』同様、この姉妹編も大変興味深く読みました。 第一次大戦後に英仏がドイツに対して巨...
著者は元国税調査官。国税局に10年勤務したのちフリーライターになり、30冊を超える税務関係の著作を物してきた人物。『お金の流れでわかる世界の歴史 富、経済、権力・・・・・・はこう「動いた」』同様、この姉妹編も大変興味深く読みました。 第一次大戦後に英仏がドイツに対して巨額の賠償金を要求したのは、英仏に大量の武器を供給したアメリカがその代金を求めたから。結果、ドイツ社会はハイパーインフレを起こし、国民の不満が鬱積。それを汲んでヒトラー政権が誕生した。 ソ連はドイツと組んでポーランドへ侵攻。しかし英仏はドイツにだけ宣戦布告した。それは当時の英仏にソ連と闘う余力がなかったため。 ヤルタ会談後にトルーマン大統領とサウジのイブン・サウド国王の間に密約が結ばれ、石油取引の決済はドルでおこなうことが決まった。アメリカはその見返りに、アラブが軍事的脅威にさらされた場合には軍事出動して保護することを約束した。ところがイラクのフセインはこの<暗黙の了解>を破って2000年に石油取引をユーロ建てに変更。国際基軸通貨としての地位を脅かされたアメリカは“大量破壊兵器”を持たないイラクに侵攻した。 ドイツの戦後復興が早かったのは、アメリカの支援のためとは言えない。マーシャル・プランの額は英仏に比べると格段に低く、連合国軍の駐独経費はドイツが支払っていた。早期復興の要因はドイツの高いポテンシャルにある。産業の戦争被害は20%程度だったうえ、元来教育程度が高く、また鉄道網や水路などが早くから整備されていたから。 明治維新は、職業選択・交通・居住・土地売買など大幅な経済的規制緩和を日本にもたらし、これが戦前に急激な経済成長を促した。こうして培われた工業生産能力は、実は先の大戦でもほとんど戦争被害を受けていなかったため、戦後復興が早かった。 特に興味深く読んだのは、東西冷戦時のエジプトの動向です。エジプトのサダト大統領が暗殺されたのは私が高校生の頃ですが、当時は中東情勢がよくわかっていなかったので、大統領暗殺の背景が整理できませんでした。 この本によれば、対イスラエル中東戦争の結果、財政問題に苦しんだエジプトはイスラエルと和解することで背後のアメリカからの経済援助を引き出そうと考えます。石油産出国ではないエジプトは他のアラブ産油国への出稼ぎ労働者の国となっていて、パレスチナ問題は宗教問題というよりも経済的な問題として対処を図ったということです。しかし結果的にイスラエルとの融和策はサダト大統領の命を奪うことになってしまいました。 このように著者は平易な文章で、現代史を経済の動きで見つめるという有益な視座を与えてくれるのです。 最後に著者は現代中国の動向について冷静でバランスのとれた提言をおこなっています。経済発展の途上で深刻な大気汚染を引き起こしている中国に対し、日本もかつて公害大国だったことを思い返しながら、中国の抱える各種の問題にはできる限りの協力をしていくべきだと訴えます。その姿勢には見るべきものがあると感じました。
Takashi
1859年に、アメリカのペンシルバニアで世界で最初の大規模油田が発見された。その後、アメリカは各地で大規模油田を発見・開発し、世界最大の石油産出国となった。第一次世界大戦では、戦闘機や戦車、潜水艦が導入され、それらの動力として石油が用いられたが、連合国側の石油のほとんどをアメリカ...
1859年に、アメリカのペンシルバニアで世界で最初の大規模油田が発見された。その後、アメリカは各地で大規模油田を発見・開発し、世界最大の石油産出国となった。第一次世界大戦では、戦闘機や戦車、潜水艦が導入され、それらの動力として石油が用いられたが、連合国側の石油のほとんどをアメリカが賄った。 1945年2月、アメリカのルーズベルト大統領とサウジアラビアのイブン・サウド国王は極秘会談を行い、サウジアラビアは石油取引の決済を全てドルで行い、アメリカはアラブの王国が他の国や勢力に脅かされた場合は、軍を出動させて守るという確約をした。 東西冷戦中のアメリカは、軍備増強と西側陣営内の国々への支援などで財政が逼迫していたが、冷戦の終結によって、さまざまな経済的負担が大きく削減され、西側陣営の国々に強権的にモノが言えるようになった。 中小小売店の保護などを目的に、一定面積を超える出店を届け出制で規制していた大規模小売店舗法は、トイザらスが計画していた新潟市への第1号店出店の見通しが立たないままになっていたことから、1990年の日米構造協議において撤廃を要求されたため、翌1991年に、それまで大型店の出店を扱っていた商業活動調整協議会を廃止する改正法が成立し、各地で大規模なショッピングセンターの進出が進むこととなった。 1990年、日本は赤字国債の発行ゼロにして財政の健全化を達成していたが、史上最悪の財政赤字に苦しんでいたアメリカから内需拡大を要求されて、海部内閣は10年間で430兆円の公共事業を行うと約束した。これは、村山内閣の時に630兆円まで上方修正され、財政赤字の原因となった。
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先日読んだ同著者の『世界の歴史』の最終章に当たる部分をフォーカスしてより掘り下げた本書。 お金の流れという観点から今の世界情勢の経緯が分かる。 興味深かったのは第二次世界大戦で、ソ連が枢軸国側に回る可能性があったっていうこと。ヒトラーがソ連に宣戦布告していなかったらどうなってい...
先日読んだ同著者の『世界の歴史』の最終章に当たる部分をフォーカスしてより掘り下げた本書。 お金の流れという観点から今の世界情勢の経緯が分かる。 興味深かったのは第二次世界大戦で、ソ連が枢軸国側に回る可能性があったっていうこと。ヒトラーがソ連に宣戦布告していなかったらどうなっていただろうか。今の世の中と大きく変わっていただろう。
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