商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | ひつじ書房 |
| 発売年月日 | 2016/11/01 |
| JAN | 9784894768123 |
- 書籍
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ハンドブック日本近代文学研究の方法
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ハンドブック日本近代文学研究の方法
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初読の感想としては、「研究法」「研究の方法」というものの捉え方が、根本的に、「文学研究」においては、他領域と違うのだな、という感想である。自分が学生時代に卒論、修論を書いたのは、日本語教育学だったが、日本語教育学で研究の方法論の議論となると、まず最初にぶつかる対立概念は、「量的研...
初読の感想としては、「研究法」「研究の方法」というものの捉え方が、根本的に、「文学研究」においては、他領域と違うのだな、という感想である。自分が学生時代に卒論、修論を書いたのは、日本語教育学だったが、日本語教育学で研究の方法論の議論となると、まず最初にぶつかる対立概念は、「量的研究」と「質的研究」だった。 実証主義的な量的研究に対して、量的研究が見落としてきたものを検討したり、より社会的実践に貢献するものとして質的研究の意義や方法を学んだ。そこでは、「研究」としての質と客観性、実践的な意義を担保するために、数字には還元できないが、より信頼性のある「質的データ」の集め方や分析手順をかなり体系立てて教えられた記憶がある。 文学研究においては、自分が日本語教育学などで学んだような意味での「研究方法」という概念が、おそらくないのだろうと思った。だからこそ、この本は、タイトルこそ「日本近代文学研究の方法」となっているものの、これを読んだところで、具体的な「研究の手続き」はよくわからない。この本で取り上げられているのは、どの章も基本的に、「作家」「読者」「テクスト」「語り」「文化」etc…といった、文学研究において研究テーマとされてきた対象や分析概念に関する研究史である。 そうしたわけで、この本を読んだからといって、今から目の前に、作品、テクスト、作家や読者を置かれても、何をどうしたらいいのかはわからない。具体的に分析対象とする文献、史料、データの集め方はわからないし、集めることができたところで、それをどのように分析すればよいのかもわからない。ここのあたりが体系化されていない感じが、社会科学系で研究法を学んだ身とすると、違和感を感じるところである。 もちろん、そういったことを抜きにすれば、ものすごく勉強になった。「語り論」にはじまり、「読者論」「カルチュラル・スタディーズ」などなど、名前だけ知って、分かっていた気になっていた研究思想について、読んでおくべきなのだろうと思われる基礎文献や、有名な論争を知ることができる。挙げられた本は、読んでおかなくてはいけないなと思った。 ただ、こういってはなんだが、どことなく、どの論考も担当論者の回顧感が漂って、文学研究史の理解として、どの程度、研究者の間で共通理解がはかれるものなのか、怪しく感じてしまう。このあたり、文化や芸術を対象とした解釈学という性質上、仕方がない部分なのかどうかもわからない。 いずれにせよ、おおまかな研究史と、文学研究において大きなテーマとされる分析概念を概観するにはとてもよい本。各テーマ毎に、基礎文献や有名な研究、今後、研究をするのにあたって参照するとよい本や論文などの紹介がされているのが、とりあえずよい。もう一つ、苦言を呈するとすれば、各章で挙げられた文献、論文は、参考文献としてきちんとリストにしておいてもらいたい、というくらいである。 文学の学問体系というよりは、研究の歴史を知るのにおすすめな一冊だった。
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2016年初版。 近代文学作品に対するアプローチは近年多様化している。作家を中心に扱うものよりも、作家から自立したテクストを中心に把握するテクスト論が主流になってきている。さらに時代・社会的な文脈や文化的な記号性を重視するカルチュラル・スタディーズという読解も現れ、様々な研究が行...
2016年初版。 近代文学作品に対するアプローチは近年多様化している。作家を中心に扱うものよりも、作家から自立したテクストを中心に把握するテクスト論が主流になってきている。さらに時代・社会的な文脈や文化的な記号性を重視するカルチュラル・スタディーズという読解も現れ、様々な研究が行われている。 情報量の増えた現代、作家を知る手段も増えて詳細に研究され、作家論・作品論・文学史などを始めとするこれまでの研究に加え、サブカルチャーなどを研究の対象にするカルチュラル・スタディーズもますます広範囲に詳しく研究されるようになっている。 この本では研究分野を次のように、Ⅰテクストと読者、Ⅱ作者とその歴史、Ⅲ文化の諸相、Ⅳ歴史と社会、Ⅴ視覚の多様性、の5分野に分類し、さらにそれぞれが5章か6章の論文で構成されている。 ⅠやⅡの分野は伝統的、正統的な論文で歴史を感じる分野であったし、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴの分野はローカルまたは新しい時代の論文と言える。どれも研究としては重要であるはずだが、オリジナルの文学作品が全てなので完璧な論文というものはないという印象を受ける。個人的には作家論や作品論について興味があるし、テクスト論やカルチュラル・スタディーズというものを深めてみたいとも思った。 近代文学の多様な作品を独自の様々な方法で研究できるのが文学研究の特徴だし魅力だろうが、つまるところは文学作品が一番大事で、文学作品ありきの文学研究である、と思ったら元も子もないという気分になってきた。
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最初に書いておくが、読み物として悪くない文章も、そこそこにある。 「卒論を書く人や他領域の人向け」と書いてあるけれど、これをハンドブックとして何かを調べるには個別の説明や解説が圧倒的に足りておらず、「論」としての性質が際立っている。 ハンドブックと題する以上、執筆者は禁欲して然...
最初に書いておくが、読み物として悪くない文章も、そこそこにある。 「卒論を書く人や他領域の人向け」と書いてあるけれど、これをハンドブックとして何かを調べるには個別の説明や解説が圧倒的に足りておらず、「論」としての性質が際立っている。 ハンドブックと題する以上、執筆者は禁欲して然るべきだった。 ちなみに、ある論考では、ネオリベラリズムとリベラリズムの区別がついていなかった。 「私たちのことを他分野の人に知ってもらいたい」と提示するのであれば、あなたたちも他分野のことをちゃんと知って書きましょうね、と卒論指導みたいなことを言いたくなった。 (言うまでもないことだが、ネオリベラリズムは小さな政府を求めるのに対して、リベラリズムは、必ずしも政府による規制(大きな政府)を排除するものではない。)
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