商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 白水社 |
| 発売年月日 | 2016/12/01 |
| JAN | 9784560095270 |
- 書籍
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わたしはこうして執事になった
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わたしはこうして執事になった
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商品レビュー
3.6
7件のお客様レビュー
『おだまり、ローズーー子爵夫人付きメイドの回想』を書いた著者が、5人の執事(従僕)の回想を聞き出してまとめた一冊。メイドの実録に続いて執事の実録ということですね。 20世紀初頭から1970年代にかけてキャリアを築いた5人の回想である。いずれもナンシー・アスター、その執事で伝説の...
『おだまり、ローズーー子爵夫人付きメイドの回想』を書いた著者が、5人の執事(従僕)の回想を聞き出してまとめた一冊。メイドの実録に続いて執事の実録ということですね。 20世紀初頭から1970年代にかけてキャリアを築いた5人の回想である。いずれもナンシー・アスター、その執事で伝説の人物であるエドウィン・リーと関わりを持っていた(リー自身も5人のうちの1人である)。 リーの薫陶を受けて執事に昇りつめた(1人は途中で別の道に転じた)人々で、「お屋敷勤め」の中でも優秀なエリートなのであるが、彼らは数年で勤め先を次々と変えながらキャリアを形成していく。これが少々意外だった。 前著を読んでいたら、著者(ロジーナ・ハリソン)やリーは数十年にわたってアスター家で働いていたので、そういうものかと思っていたが、彼らは例外的な存在のようだ(もしくは前世紀の遺風を体現していた)。 あと、前著でもハリソン自身が仕えていたアスター夫人とのトラッシュトークについて書いていたのだが、本書でそれを第三者の視点で語られると、その特異さが際立つと思った。 やっぱり自分自身の日常だと麻痺する部分があるのだろう。 また、ハリソンがヨークシャー訛りで子爵夫人とやり合うことのニュアンスを私が読み取り切れていない可能性が高い。 本書でも様々なエピソードが語られるが、一つだけ取り上げる。 「ウィンストン・チャーチル首相が週末を過ごす館で指令本部でもあったチェッカーズの上空を、ドイツの偵察機が何機も飛んでいた。すでに近くに爆弾がいくつか落ちており、いずれ館が激しい空爆にさらされる恐れがあると推測された。」 ということで、執事の1人が働いている屋敷(オックスフォードシャーのディッチリー・パーク)が首相の滞在先として選ばれた。 護衛の兵士たちは「窓に目張りをしたバスに乗せられ、田舎をぐるぐる走り回ったあげくにディッチリーに連れてこられたため、自分たちがどこにいるのかまったく見当がつかなかったらしい」。 ロンドン警視庁の犯罪捜査部の人間も護衛として来ており、首相が部屋でとる朝食を運んでいたら皿にかぶせてあった蓋を取り外した。自分の顔も知っているだろうにと頭にきた執事が「まったく、ばかじゃないのか。爆弾を隠しているとでも思ったのかよ」と大きめのささやき声で言うと、部屋の中にいたチャーチルは片目をつぶってみせ、声をひそめてささやいた。「私が言ってやりたかったくらいだ」 このチャーチルの避難は、著者ロジーナ・ハリソンも戦後20年以上知らなかったといい、そのことをナンシー・アスターは知っていたはずで 「なんとも信じがたいことながら、レディ・アスターは秘密を守れる方だったことになります。」 死んだ元主人相手にもトラッシュトークをしているのだろうか? とりとめなく書いてしまうので、以下まとめ。 前著『おだまり、ローズーー子爵夫人付きメイドの回想』には劣るけど、前著の補足情報がいっぱい載っているし、「お屋敷勤め」について知るには有意義な一冊だと思う。
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割とつい最近までこんな世界があったのだ。 クリスティの世界みたいだった。 でも、割と適当なとこもあり 滅私奉公ではないんだなー。
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おだまりローズの続編。 今回は、アスター家に関係していた男性使用人の話で、執事になるまでのことが書かれている。 分厚かったけど、読めば読むほど興味がわいてきて、あっという間に読み終わった。写真も少しあって当時の様子を想像する助けになった。もっと写真があったら良かったなぁ。
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