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貧者の息子 カビリーの教師メンラド 叢書《エル・アトラス》
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貧者の息子 カビリーの教師メンラド 叢書《エル・アトラス》

ムルド・フェラウン(著者), 青柳悦子(訳者)

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貧者の息子 カビリーの教師メンラド 叢書《エル・アトラス》

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 水声社
発売年月日 2016/11/01
JAN 9784801002418

貧者の息子

¥3,080

商品レビュー

4.5

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2026/01/10

アルジェリアでは作者は現代文学の祖と目され、本書はなかでも代表作である国民的小説であるらしいが、発表から邦訳まで50年以上かかったという事実がまず日本と当地との縁遠さを示しているようで寂しい。 文化的・歴史的背景の予備知識も必要だ。随分とイスラム教の描写が少なく、どう考えてもムス...

アルジェリアでは作者は現代文学の祖と目され、本書はなかでも代表作である国民的小説であるらしいが、発表から邦訳まで50年以上かかったという事実がまず日本と当地との縁遠さを示しているようで寂しい。 文化的・歴史的背景の予備知識も必要だ。随分とイスラム教の描写が少なく、どう考えてもムスリムの聖職者ではない土着の「道士」が多く登場すると思っていたら、アルジェリアでも多数派を占めるアラブ人ではなくアマジグ人(個人的には「ベルベル人」の呼び方が馴染み深いが、蔑称とのこと)を描いていることを解説でようやく知り、腑に落ちた。 その風俗や生活様式こそ私にとっては目新しいものでありつつも、貧しい農民の息子が勉学に励み師範学校に至るまでの物語には普遍的な味わいがあり、そしてその瞳に映るさまざまなままならなさに共感を覚える。特に終盤、一族で初めて高い教育を受け村の教師になった主人公と、それによって金持ちになったのだと意識が変わってしまいそれまでの勤勉さや倹約を忘れてしまった両親との間に生まれる溝は物悲しい。「おえらい教育」を受けた主人公の言葉はもはや一族や村民にとってはエイリアンの言葉と同じであり、埋めようがない価値観の違いが横たわってしまう。 家族というもの、世代を繋げるということ、そのために畑を耕すこと、そして植民地支配と戦争──解説で知る作者の最期も歴史に翻弄されたものであり、重い溜息が出る。読んで良かった。

Posted by ブクログ

2017/04/18

アルジェリア文学の始祖とも言われるムルド・フェラウンの作品 アルジェリアのカビリー地方の原住民カビリー人でもある筆者 ムルド自身を作品の下地にし、民族の文学、歴史、慣習をフェラウンという青年の目語られる フランスの植民地 貧しい農民生活 カビリー人の家族の在り方 誇り 少数...

アルジェリア文学の始祖とも言われるムルド・フェラウンの作品 アルジェリアのカビリー地方の原住民カビリー人でもある筆者 ムルド自身を作品の下地にし、民族の文学、歴史、慣習をフェラウンという青年の目語られる フランスの植民地 貧しい農民生活 カビリー人の家族の在り方 誇り 少数派民族の彼らを通して人間温かさ、優しさ、残酷さ社会の不条理など善悪の混在を描く 弱い者、劣った者が逆転して勝利することを目指すのではなく、あくまで弱さを抱えたまま、つまり他者を虐げる勝者となることなしに、しかしながら他者への隷属とは違う方法によって、人間として充足した状態に至る道をこの作品は模索してるように思われる この訳者あとがきを裏打ちする一文がある 「ときにはフランスを疑うという小さな罪犯したかもしれないが、たとえ口から出る言葉が時流に流されたとしても、彼らの素朴な心が変わることは一度もなかった」 無知だからこそ、抗う文化を持たないのではないか?とも疑問憤りを感じたりもしたが、フェラウンは学があった 社会の矛盾を知ってもなお自分たちの在るべき姿を追い求めたのだろうか 良いものは変わらなくてもいい 変わらない事を選択した強さ 理想主義者と安易に語れないのは、フェラウンの目から観た虚飾のない貧困、人間の姿 そこには私たち近代文明に浸った者が忘れてしまった沢山のものがあった 私にとっても大事な一冊になった

Posted by ブクログ