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ジュリエット 新潮クレスト・ブックス
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ジュリエット 新潮クレスト・ブックス

アリス・マンロー(著者), 小竹由美子(訳者)

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ジュリエット 新潮クレスト・ブックス

2,640

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2016/10/31
JAN 9784105901318

ジュリエット

¥2,640

商品レビュー

3.7

4件のお客様レビュー

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2021/06/10

この作者の作品は初読。カナダの女性短編作家で、彼の国初のノーベル文学賞受賞者だそう。 この本は短編と言いつつ、8作品で450ページに迫るボリューム、うち3編は連作。 訳者あとがきだと、この作者にしては「サスペンスフル」なんだそうだが、いずれの作品も女性を基軸にじっくりとその人...

この作者の作品は初読。カナダの女性短編作家で、彼の国初のノーベル文学賞受賞者だそう。 この本は短編と言いつつ、8作品で450ページに迫るボリューム、うち3編は連作。 訳者あとがきだと、この作者にしては「サスペンスフル」なんだそうだが、いずれの作品も女性を基軸にじっくりとその人生(又は内面)を、地方的な因習と絡めながら描くような感じ。普通なら割と大仰に取り上げることができるストーリー中の(特異な)イベントも、この作者だと山場ではなく、あくまで人生に起こり得る一場面のように、落ち着いた筆致になっている。 特に前半の作品(「家出」、ジュリエット三部作)と最後の作品(「パワー」)では、登場人物の行動の「動機」や「背景」、伏線あるいは真実、結末が必ずしもすべて明らかにされるわけではなく、何とも不思議な感覚(ゆえに、理解しようと思うと十分に気持ちが入り込めない)があり、角田光代の帯文「読むというより「触れる」に近い。」が言い得て妙。 一方、「罪」「トリック」(この作品が一番好き)はカチッとした整合感のある構成で、筆力の確かさが証明されていると思う。

Posted by ブクログ

2021/03/02

最後の2作品(「トリック」と「パワー」)がおもしろ過ぎて震えた。 その二つに行くまでは、正直、「今回はビミョーだな」と思っていたのだけど。 表題作含め、いつもより辛辣だなー、という印象だった。いつもちょっとだけ、意地悪、というか、「ピリっと痛い」んだけど、この本はそのピリリ度合...

最後の2作品(「トリック」と「パワー」)がおもしろ過ぎて震えた。 その二つに行くまでは、正直、「今回はビミョーだな」と思っていたのだけど。 表題作含め、いつもより辛辣だなー、という印象だった。いつもちょっとだけ、意地悪、というか、「ピリっと痛い」んだけど、この本はそのピリリ度合いがいつもより強めだった。 あとがきに「ジュリエット」三部作は、アルモドバル監督が映画化した、と書いてあって、「あ~…」とビミョーな声が出てしまった。私の中ではヘンタイ・キモ監督のイメージ。世間では評価高いのだけどね~! いかにもこういう設定が好きそうだわ。でもきっと変態っぽい作品になっているに違いない。(決めつけ) しかし、ジュリエットよりも何よりも私は最後に収録されていた「パワー」に激しく心かき乱された。 まるで少女小説のような甘酸っぱさと、「アンの青春」のような古き良き時代へのノスタルジーで始まる小説なのに、途中でくるくると作品の表情は変わって、結末はもちろん、途中の成り行きすべてに、とても驚かされた。 読み始めて、最初はウィルフとジェニーとナンシーの三角関係が物語の中心なのかと思った。もしくは、ウィルフとオリーとナンシーの三角関係かと。 でも、全く違った。オリーとナンシーの、二人の間の物語だった。 オリーみたいな男の子に恋してしまった気持ちを、私は知っている、と思った。それを認めない気持ちも、それに尻込みする気持ちも。 「彼には影響力がある、でもそれに気づいていないんじゃなくて、その責任をきちんと取らないの」という言い方をアリス・マンローはしていたが、なんとうまい表現か、と思う。 「何かが起こると、あのことをオリーに話せたらなぁ、と思う」という言葉。「自分が恋しがっているのが何なのかさっぱり分からないまま」にそう思う気持ち。 そうか、老年という歳になってもそういう思いは消えないんだ、と思った。変なところに納得した。 しかしこの結末。かなり痛い。 「辛辣だな、ナンシー」とオリーが思わず言うシーンがあったけれど、私も思わずつぶやいたわ~。 辛辣だなぁ、アリス・マンロー・・・ その一つ前の作品、「トリック」も良かった。 これは逆に控えめな甘さにあふれていて、全然アリス・マンローらしくなかった。 でも、短い作品なのに登場人物たちの生き方、ものの見方が染み入るように頭に入ってくるところはやはりいつも通りかとも思う。

Posted by ブクログ

2019/02/10

女性として産まれてきて「ありのまま」でいるのは不可能なことだと思う。色々取り繕ったり周囲を気にし、自分のことは二の次になったり。それが当然であり楽な道なのである。この作品の女性達は結構自分の欲望に対して誠実であり、真摯に追い求め、脇腹甘くなってる所を作者にパシャリとスクープされて...

女性として産まれてきて「ありのまま」でいるのは不可能なことだと思う。色々取り繕ったり周囲を気にし、自分のことは二の次になったり。それが当然であり楽な道なのである。この作品の女性達は結構自分の欲望に対して誠実であり、真摯に追い求め、脇腹甘くなってる所を作者にパシャリとスクープされてしまっている。穿った見方だが「皆さん、これが馬鹿な女の行く末ですよ」。それでは自分を圧し殺して人形のように生きるのが賢いのか。男性からしたら「めんどくせ」だろう。実際女側としてもめんどくせったらありゃしないんだ。

Posted by ブクログ

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