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リーチ先生
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リーチ先生

原田マハ【著】

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リーチ先生

1,980

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 集英社
発売年月日 2016/10/26
JAN 9784087710113

リーチ先生

¥1,980

商品レビュー

4.1

125件のお客様レビュー

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2024/12/15

感想 今は当たり前になった海外留学も高い志を持って切り拓いた人がいればこそだな。 筆者は、芸術と人の縁を結びつけるのが上手いと感じた。 あらすじ 大分県の日田にある小鹿田は隣町の小石原と並んで焼物が盛んだ。イギリスからバーナード・リーチという大家が小鹿田に滞在して、焼き物を...

感想 今は当たり前になった海外留学も高い志を持って切り拓いた人がいればこそだな。 筆者は、芸術と人の縁を結びつけるのが上手いと感じた。 あらすじ 大分県の日田にある小鹿田は隣町の小石原と並んで焼物が盛んだ。イギリスからバーナード・リーチという大家が小鹿田に滞在して、焼き物を学びたいという。 坂上家はリーチを受け入れ、一郎の弟子の高市がリーチ先生の世話役に抜擢された。高市は父親を亡くした若者で、父と交流があった一郎に弟子として受け入れてもらった。 そして物語は、高市の父の亀ノ介とリーチが高村光太郎を通じて、高村光雲邸でどのように過ごしたか、語られる。 リーチは上野で亀ノ介と暮らし始め、婚約者を呼び、エッジング教室を始める。教室には岸田劉生や武者小路実篤など白樺派の文士が生徒として学びにくる。 リーチは柳宗悦と出会い、親交を深める。リーチが来日して3年が過ぎた頃、富本と一緒に訪れた陶芸教室で感銘を受ける。 リーチは上野の尾形光山に富本と弟子入りして、1から陶芸を学ぶ。その後、自宅に窯を作るが、一度、日本を外から見たいと言い、1年ほど北京へ行く。 その後、柳の別宅の我孫子で窯を作り、亀ノ介と陶芸活動に勤しむ。そこで濵田と出会い、意気投合する。我孫子での窯で火事を起こし、東京の黒田邸で窯を始めるも、妻がイギリスに帰りたいこと、イギリスのセント・アイヴスから誘いが来ていることから、亀ノ介と濵田を連れて、イギリスに帰る決心をする。 セント・アイヴスに移り、土探しから始めるもなかなか見つからない。亀ノ介はパブで出会ったシンシアと良い仲になり、励まされる。そして、遂に理想の土を見つける。 亀ノ介の恋人のシンシアも加わり、リーチポッタリーは二年で軌道に乗りはじめる。しかし、1923年の関東大震災をキッカケに濵田は帰国を決意。亀ノ介も自分の作陶のために帰国をリーチから勧められる。 1979年、沖高市は40歳になっていた。数々の賞を受賞して大家となっていた。高市は、初めてリーチポッタリーを訪れるのだった。

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2024/09/14

大分の小鹿田焼、バーナード・リーチについて書かれているから、原田マハの本だから 読み始めた理由はそんなものだった。 柳宗悦や、民藝、用の美など知りたいことが随所にあり面白かった。 陶芸について、さらにその歴史についてもっと知りたくなったし、バーナード・リーチやその仲間(濱田庄司...

大分の小鹿田焼、バーナード・リーチについて書かれているから、原田マハの本だから 読み始めた理由はそんなものだった。 柳宗悦や、民藝、用の美など知りたいことが随所にあり面白かった。 陶芸について、さらにその歴史についてもっと知りたくなったし、バーナード・リーチやその仲間(濱田庄司、富本憲吉ら)の作品を観てみたいと思った。 嫌な人、悪い人が全く出てこないのがとてもよかった。 白樺派の恵まれ過ぎた環境が庶民の生活とはかけ離れているのが少し気になったが。

Posted by ブクログ

2024/03/27

私の中では鉄板の原田さんのアートもの。 陶芸の里・小鹿田に、高名な英国人陶芸家、バーナード・リーチが来訪することに。 “リーチ先生”のお世話係を仰せつかることになった、陶工見習いの沖高市は、あるときリーチから高市の父親・亀乃介の名を聞かされて驚くのですが、そんな高市にリーチは懐...

私の中では鉄板の原田さんのアートもの。 陶芸の里・小鹿田に、高名な英国人陶芸家、バーナード・リーチが来訪することに。 “リーチ先生”のお世話係を仰せつかることになった、陶工見習いの沖高市は、あるときリーチから高市の父親・亀乃介の名を聞かされて驚くのですが、そんな高市にリーチは懐かしそうにこう告げるのです。 「やっぱり、君は、カメちゃんの息子でしたか。」 実在していた、英国人陶芸家・バーナード・リーチの半生を、架空の人物である沖亀乃介の視点から描いたアートフィクション。 日本の美を愛し、日本と英国の文化の架け橋となるべく芸術活動に打ち込んだリーチ先生と、彼を敬い支え続けた、助手のカメちゃんこと亀乃介との絆に心が温まります。 作中にはリーチをはじめ、濱田庄司や柳宗悦、岸田劉生等々・・といった錚々たる実在した芸術家たちとの交流が描かれているのですが、彼らの芸術に対する熱量がビンビン伝わってきて、勿論フィクションではあるのですが、“実際こんな感じだったのでは・・”と思わせるような生き生きとした描写力はさすがですね。 物語の後半は、舞台が日本から英国に移り、英国西端の町・セント・アイヴスでの日々が綴られるのですが、陶芸に適した“土”を探し求めてあちこち巡る羽目になったり、新しい工房〈リーチ・ポタリ―〉を開くも、最初の火入れが上手くいかなかったり・・試行錯誤しながらも、英国に陶芸の礎となる場所を築いていく様が胸あアツです。 そして、ここでは亀乃介と現地のパブの女給・シンシアとの恋バナもございますよ~。 『リーチ先生』というタイトルで、勿論リーチさんの事が描かれているのですが、同時に亀乃介の物語でもあるので、プロローグとエピローグで亀乃介の息子・高市へと繋がる構成が良くできているなぁと思いました。 結構ヴォリュームがあって、読み応えありましたが、物語の中にすっかり惹き込まれてしまうので、長さは感じなかったですし、読後感も爽やかで良かったです。 本書を読み終えた後、ネットでリーチさんの作品を検索して拝見しましたが、どれも温かさ感じる作品ばかりで、例えば水差し(ジャグ)のぽってり感とか、芸術品というだけでなく日常的に愛用したくなるような親しみがあって、まさに本書にもテーマ的に描かれていた“アーツ・アンド・クラフツ”の精神を感じた次第です~。

Posted by ブクログ