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あのころのデパート 新潮文庫
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あのころのデパート 新潮文庫

長野まゆみ(著者)

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あのころのデパート 新潮文庫

572

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2016/07/01
JAN 9784101139548

あのころのデパート

¥572

商品レビュー

3.4

9件のお客様レビュー

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2024/06/29

長野まゆみさんの、エッセイ含む作品の中でも異色だと思う、デパートについてのあれこれ。 「昭和四十年代前半に小学校低学年」の長野さんはわたしの母(昭和三十四年生まれ)と同世代だろうので、母もこんな少女時代を送ったのか…となんだか妙な気分です。 バリバリ都会っ子の長野さんと、地方の田...

長野まゆみさんの、エッセイ含む作品の中でも異色だと思う、デパートについてのあれこれ。 「昭和四十年代前半に小学校低学年」の長野さんはわたしの母(昭和三十四年生まれ)と同世代だろうので、母もこんな少女時代を送ったのか…となんだか妙な気分です。 バリバリ都会っ子の長野さんと、地方の田舎住みの母とでは意味する都会もデパートも違うでしょうけど。 何度か読んでいる本書、その度に新鮮な面白さがあります。 今回はデパートという存在の移り変わりが心に残りました。この、時代の流れに染まらないしスピードにも合わせない(悪く言えば取り残されている)のがいいけど、でもそれじゃ生きていけるのか?というところ。 刊行されてから10年以上過ぎたけれど、変わらなかったところ変わってほしくなかったところ、失われてしまったもの……いつまでも同じじゃいられないけれど、忘れられていくのもどこか寂しいです。 80年代に生まれ、昭和から平成へ元号が代わったこともなんとなく覚えているわたしも、デパートは「ハレ」の場所でした。 デパートへは普段着じゃなく、よそ行きの服を着て行きました。家の周り田んぼだらけだったのでTシャツにズボンという「ケ」の格好で走り回ってたけど、「(福岡)市内に行く」ときはワンピースを着せられていた。 今はない西鉄宮地岳線に乗り、発着曲「心の旅」を聴いておりました。幼心に、博多や天神は都会だった。 わたしでさえそうなので、この本で流れている、デパート黎明期から震災直後の頃まではずいぶんと隔たりがありました。 最近読んだ明治か初期の大正時代設定の漫画で、妻が夫に初めてデパートに連れていってもらう場面があり、入口で履物を脱ぎ(下足番さんがいる)、畳の上に平台だけど高脚のガラスのショーケースがずらりと並んでいて着物の店員さんが隣へ並んでいる、その間をお客さんは歩いて品定め…というデパート描写をしげしげと眺めてしまいました。 解説にもあったけど、この本はルポタージュとしても良書かもしれない。また読もう。 ここで描かれている社員旅行では、男性はゴルフシャツにズボン、若手だとポロシャツにズボン。女性は各々好きな装い。 だけれど、わたしの父方祖父母(昭和10年代生まれ)が地区の農家の組合みたいなもので行ってた旅行の写真を見ると、男性はジャケットとズボン、女性はツーピースを皆さん着ている。農家でこれ。 家族で見ながら、「ほ〜」となってました。母「お義母さんスカート丈が膝上…若い」。旅行も完璧に、「ハレ」だったんだろうな。 読みつつ考えつつ、いろんなこと思い出すのも面白い読書です。

Posted by ブクログ

2024/03/03

著者の長野まゆみさんより年下の世代ですが、70年代半ば生まれなので、デパートへ出かけるというのが一大イベントだった子供時代を懐かしく思いながら読んだ。 ネットで自分が欲しいものに目星をつけて買うのが主流の時代、店員さんのアドバイスよりコスパの時代かもしれないけれど、やはり、買い物...

著者の長野まゆみさんより年下の世代ですが、70年代半ば生まれなので、デパートへ出かけるというのが一大イベントだった子供時代を懐かしく思いながら読んだ。 ネットで自分が欲しいものに目星をつけて買うのが主流の時代、店員さんのアドバイスよりコスパの時代かもしれないけれど、やはり、買い物をするとき、あれこれ見比べながらアドバイスをもらいながら、ときに友人とふらふらしながらの買い物は楽しい。デパート、無くなってほしくないな。子どもの頃、大きくなったらデパートに住みたいと思ったことを懐かしく思い出した。

Posted by ブクログ

2017/09/09

長野さんは、バブル期直前までの一時期を、デパートの店員として勤務した経験があるという。 関西拠点の、電鉄会社を母体とするKデパート、つまり、近鉄百貨店の東京店。 本書いう「あのころ」の大半は、確かにその時期のことを指す。 が、お母さんもデパートに勤めた人だったとのことで、話はもう...

長野さんは、バブル期直前までの一時期を、デパートの店員として勤務した経験があるという。 関西拠点の、電鉄会社を母体とするKデパート、つまり、近鉄百貨店の東京店。 本書いう「あのころ」の大半は、確かにその時期のことを指す。 が、お母さんもデパートに勤めた人だったとのことで、話はもう少し古い頃のことも出てくる。 私自身も八〇年代後半ごろからなら、なんとなく記憶にあり、また住んでいたのが地方だから、まだ八〇年後半でもここに書かれているようなことは、まだ残っていたかもしれない。 そのせいか、なんかとても懐かしかった。 デパートに定休日があったころ。 デパートの店員さんが制服を着ていたころ。 表紙にもあしらわれている、チュールリボンで作った花なんかもあったなあ。 その昔、「暮しの手帖」が、デパートのテストをしたことがあったという話が紹介されていた。 贈答品として砂糖を贈る習慣があったころのことらしい。 チェック項目は伝票に誤字があるかどうかまで及んでいたという。 レトロスペクティヴな傾向はあるけれど、筆者は一方で、不便だった「あのころ」に戻れるのか、と問いかける。 あの震災の直後に書かれた文章だけに、便利な現代の生活をどう受け止めるかが、筆者自身も自問するところだったのだろう。 きれいごとだけではすまされないものを、指摘された感じがする。

Posted by ブクログ

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