マズロー心理学入門 人間性心理学の源流を求めて

中野明(著者)

• 販売会社／発売会社: アルテ/星雲社
• 発売年月日: 2016/05/01
• JAN: 9784434220135

商品レビュー

2025/07/16

前の本でマズローに感嘆し、より詳しく知ってみたいと思い読了。
心理学的な話は少し肌に合わない面もあったがより深められた点もあった。

「人間と獣に境界線はないというものの、人間にあって獣にはない精神性は厳として存在する。胃の欲求とか口の欲求とか生殖器の欲求とか言った部分的な欲求は存在しない。とはいえマズローが行動主義心理学を全面的に否定したわけではありません。同様にフロイトの心理学についてもマズローは全面否定したわけではありません。そのうえでマズローが目指したのは、フロイト心理学と行動主義心理学の両者を統合する試みです。」

「ジャングルで暮らす人の例を挙げ、このように一連の基本的な欲求が満たされていくにしたがって一連の心理的健康の程度が増加することが分かります。こうしてマズローは基本的欲求がどの程度満たされたかということが、心理的健康の程度と正の相関関係を持っていると思われる。と述べるに至ります。マズローの主張は次のように言い換えられるでしょう。基本的欲求が満たされることで心理的健康度が増進するのだとしたら、その逆すなわち欲求の対象が欠如して欲求が満たされない場合は不健康になるということであって場合によっては病気になることも考えられるのだ。」

「これらの基本的欲求はより高次になるほど動物の本能のように強くて御しがたいものではないという特徴を持つようです。それは弱くて、デリケートで、微妙で、習慣、文化の圧力、誤った態度によって容易に圧倒されてしまう。といった性格を持ちます。そして固有の欲求、情緒、能力の挫折、に遭遇した時、人は破壊的になったり残虐になったりするわけです。」

より高次な欲求になればなるほど、デリケートになっていくということを認識しながらやはりより高次な欲求を自分の中で正しい方向に向けるということがいかに難しくて大変かも知った。自分の成長のためには承認の欲求と自己実現の欲求を自分の中で意識して正しく向き合っていきたい。

2024/01/20

著者は心理学徒ではなさそうだが、内容はとてもわかりやすくてよかった。

マズローが"欲求の5段階"で語り尽くせるものではないということがわかり、思想の深さが垣間見えた。

2022/09/03

分かりやすぎる＋自己啓発書に感じるうっとおしさ、短時間ながらもイライラしながら読んだ。自己啓発書にイライラしてしまうのは、心が弱っているときに悪質な自己啓発書や情報商材の沼にハマったあのときの自分（小学、中学時代の吃音改善に関する情報商材、高校宅浪時の大学受験系、引き寄せ系の自己啓発本、休職後の成功系自己啓発本など）の自分を嫌悪しているからかなと思ったり。そんなアホな自分も自分だったのだから、自分の一部だと認めてやって、許して、受容してあげる方が健康的だと思うけどね。