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縄文人の世界観
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縄文人の世界観

大島直行(著者)

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縄文人の世界観

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 国書刊行会
発売年月日 2016/03/01
JAN 9784336060006

縄文人の世界観

¥2,420

商品レビュー

3.5

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2025/03/12

考古学が縄文人の思考を解明していないのは「単なる想像に過ぎない」からですが、 著者は縄文人の行動様式を「シンボル」「レトリック」の観点で解明できるとし、彼らが残したすべてのモノを再定義しまくっている本です。 縄文人はまず月を不死や再生(誕生・新生)のシンボルと考え、さらにその月...

考古学が縄文人の思考を解明していないのは「単なる想像に過ぎない」からですが、 著者は縄文人の行動様式を「シンボル」「レトリック」の観点で解明できるとし、彼らが残したすべてのモノを再定義しまくっている本です。 縄文人はまず月を不死や再生(誕生・新生)のシンボルと考え、さらにその月と同格の死なないもの(子宮・水・蛇)を見つけ出し、体系づけていった。それがシンボリズム(象徴体系)であり、縄文人の世界観として機能していると著者は主張しています。 そして縄文人は「誇張」と「隠喩」というレトリックを使い、「月ー子宮ー水ー蛇」のシンボリズムを表現しているといいます。 その代表的なものが土偶なわけですが、土偶が現代人から見たら稚拙にも見えるのは、あくまで再生をシンボライズするための呪術信仰的な行為に過ぎないからである。「美」という概念が必要なかったという見立ては「はにわ」などにも言えるかもしれないですね。稚拙造形についてはずっと疑問だったので興味深く読みました。 日本の文化や信仰と再生シンボルを結びつける理論は面白かったですが(蛇口・蛇目やかまくらに水神様を祀るなど)、考古学者が「呪術的なものに使われたと考えられる」とぼやかした縄文遺跡などに片っ端から再生シンボルを当てはめていくというのはちょっとうんざり... 今後月や蛇のモチーフを見たら再生シンボルを思い出すと思いますが、この理論もまた想像に過ぎないということは認識しつつ、引き続き縄文のロマンを楽しみたいと思います。

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2018/09/15

縄文人、同じ時代のソクラテスやプラトン、そして現代人、その脳に何一つ違いはない。人間は合理的思考と非合理的思考を併せ持ち巧みに使い分けてきたけど、縄文人の思考的基盤は非合理的思考にあったと。<考古学者 見てきたような 嘘を言い>(川柳)w 縄文人の世界観は、月と女性から生まれてる...

縄文人、同じ時代のソクラテスやプラトン、そして現代人、その脳に何一つ違いはない。人間は合理的思考と非合理的思考を併せ持ち巧みに使い分けてきたけど、縄文人の思考的基盤は非合理的思考にあったと。<考古学者 見てきたような 嘘を言い>(川柳)w 縄文人の世界観は、月と女性から生まれてるようです。縄文土器、土偶、遺跡などから、縄文人のシンボルは月、水、子宮(女性)、蛇などであり、いずれも再生、不死のイメージだと。縄文人のレトリックである誇張と隠喩も土器や土偶からそれらの装飾が読み取れます。大島直行・縄文人の世界観

Posted by ブクログ

2017/03/03

縄文人の世界観 大島直行 国書刊行会 納得できる最後の七章を先に読むことをおすすめしたい その後で本文に入れば飽きずに読み通せるだろう 現代の物的競争世界の価値観を当てはめて解釈するのではなく 1万年という単位のギャップを飛び越えて思いを馳せ 読み解いていくという姿勢で 大胆に...

縄文人の世界観 大島直行 国書刊行会 納得できる最後の七章を先に読むことをおすすめしたい その後で本文に入れば飽きずに読み通せるだろう 現代の物的競争世界の価値観を当てはめて解釈するのではなく 1万年という単位のギャップを飛び越えて思いを馳せ 読み解いていくという姿勢で 大胆に踏み込んだ発想にも共感をおぼえるし 資料も揃っていて読み応えもある 不死・再生・誕生・命の蘇りとそれを育む子宮につながる 満ち欠けの周期を持つ月と羊水をイメージした水と脱皮するヘビ などを通して精神性を求めたという説からなる これをシンボリズムとレトリックという観念を使って 対等に縄文人の謎に迫ったということにも同調できる 又貝塚をゴミ捨て場とみず 再生を願う祭祀場と考えることにも同意する 更に所有に陥っている現代社会は物欲に特化した 格差という絶対の権利を主張する必要があり 自然摂理の補い合う全体観に包まれた環境に集う縄文人とは違い 普遍のシンボルである絶対的権威の象徴である太陽こそが 権力社会にとって重要な役割と成ると著者は言う
彼らは美や哲学を創造しているのではなく
実を求めて「効き目」を追求しているのだとも言う 知識も幅広く知的な内容だといえるのだけれど そのくせ既成概念の抵抗が強いせいか 多様な全体観に結びつかない独善性が気になる あまりにも思い込みが強いのか兎も角ひつこくクドイ 体制となっている学会の意見の違いを 攻め立てる姿勢にも辟易となる この本の要点だけをまとめれば三分の一の厚みで収まるだろう 多様性に欠ける業界に物申す一つのアンチテーゼととらえて読めば 面白く読めるのかもしれない 彼自身が言う「考古学者見てきたような嘘をつき」を 自らはまり込んでいるようにも思える 写実的な表現は物的価値観に必要な技術であった 支配という神意識のない対等な関係にある縄文人には意味が無いことで ひたすら再生を願い神話的世界をレトリカルに表現することが 重要だったとも読み解く

Posted by ブクログ