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アルトー後期集成(Ⅱ)
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アルトー後期集成(Ⅱ)

アントナン・アルトー(著者), 管啓次郎(訳者)

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アルトー後期集成(Ⅱ)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 河出書房新社
発売年月日 2007/07/20
JAN 9784309705323

アルトー後期集成(Ⅱ)

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2019/05/26

アントナン・アルトーという存在は謎である。これまで何冊か断続的に読んできてはいるものの、すっきりと掴みきれないところが多い。 本書はロデーズの精神病院に入院させられた時期の断章や手紙で構成されており、この時期のアルトーの「あがき」や毒をまき散らす様子がよくわかる。 特に第2部の書...

アントナン・アルトーという存在は謎である。これまで何冊か断続的に読んできてはいるものの、すっきりと掴みきれないところが多い。 本書はロデーズの精神病院に入院させられた時期の断章や手紙で構成されており、この時期のアルトーの「あがき」や毒をまき散らす様子がよくわかる。 特に第2部の書簡集は面白く、毒を盛られただのといった被害妄想がいろんな人に向けて書かれ、これは完全に「統合失調症」の症候なのである。 では、アルトーの著作とは、脳の一部の障害により混迷した病者の妄言にすぎないのか? いや、アルトーの場合はそれでもなお、どこか明晰なところがあって、初期から一貫した言説の流れが感じ取れる。強度の統合失調症患者による激越な妄想の記録ということではシュレーバー回想録もあるが、アルトーの場合は症候そのものが興味深いということではなく、病状の強弱もあろうが、この両者のテクストは根本的に何か違っている。 演劇の脚本を除けば、アルトーの著作は「芸術作品」ではなく、「思想書」とも呼べない。 何と呼んでいいかもわからないまま、その「テクスト」を通して、世界の亀裂からずっと奥へと突進するような意味論的パトスを、いつも裏切られる「言葉」と戦いつつアルトーが生きるというその希有な出来事を、我々は手に汗握って見守るしかないのである。

Posted by ブクログ

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