商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 雄山閣出版 |
発売年月日 | 1981/03/20 |
JAN | 9784639000365 |
- 書籍
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廓の生活
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廓の生活
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江戸時代から現代まで「廓」で働く人々やシステムを中心に語られた日本の性産業本。昭和56年刊行。 たった40年前なのに文章がかなり堅いが、内容の湿度とのミスマッチが読んでて心地いい。 この手の本は数十冊読むが冒頭には白黒ながら珍しい題材の浮世絵や明治の遊女フルヌードに大正の芸者水...
江戸時代から現代まで「廓」で働く人々やシステムを中心に語られた日本の性産業本。昭和56年刊行。 たった40年前なのに文章がかなり堅いが、内容の湿度とのミスマッチが読んでて心地いい。 この手の本は数十冊読むが冒頭には白黒ながら珍しい題材の浮世絵や明治の遊女フルヌードに大正の芸者水着写真から始まる。 「廓と遊里」では廓の一日、吉原システム、明治の遊郭、京阪の遊郭、明治以降など。「娼家と茶屋」では様々な種類を紹介。これが珍しくて読み応えあり。「遊女と私娼」は湯女、夜鷹、鮒饅頭、踊り子、後家と丁寧に掘り下げ。「遊びと遊客」は顧客の変化様子と揚代に広告などを紹介。「大正昭和と遊里」はカフェーやパンパンをベースにモダン売春から昭和30年代まで。「古川柳にみる廓の生活」はそのまま。 ページ数の割に挿絵や写真が限定的で堅い文章が続き、本文のおおまかな内容自体はどの本でも読むことが出来るが、独特の門松の飾り方や妓楼の二階へ上がる階段を途中で止まる禁忌、暴走人力車、遊女屋掟、川柳など、本文の流れを止めず自然と織り込まれたミニ情報のお陰で全く飽きない。 揚屋、引手茶屋、妓楼のパワーバランスや隆盛の説明表現も初めて見るもの。 他の本では「芸娼妓解放令後は普通の金銭消費貸借契約なんだけど実質同じでー」とささっと書いてるものが多い気がするが、ここでは「表向きはそれ。場所貸だけ。でもそれだと心許ないから裏証文ね。そもそも客と直交渉とか無理でしょ?じゃあ仕方ないよねぇ」と見てきたように説明。分かりやすい。「芸者」についての考察も「元々売春。それを芸事が得意な子がそれ専門になった。ちょうど女郎の芸がなくなったのとマッチした。で、また元通り。」なるほど。 芸者の男名前に黒羽織という男性装を、山車に跨る勇壮な男衆が背中に背負う花笠とともに紹介してるのもユニーク。人ってなんか行って帰ってみたいなの好きよね。 様々な私娼分類も楽しい。今も昔も人々は言葉遊びが大好き。客を騙には尾の要らない狐、特に江戸時代の「しや」(芸者とは名ばかり売春メインの芸のない芸者の呼称)は初めて聞いた。 買春の隠語(鬼買い=お二階)や川柳も沢山引用されている。どれもセンスいいものだが「切見世は立消えのする頬冠り」「おちよとは舟饅頭に禁句なり」のダブルミーニングもオシャレ。 どの項目も多くの過去文献に基づいて詳細に説明してくれているが、ひとつだけ謎ポイント。 「戦乱の世では男色が盛んとなるので女性達は自分たちへの性回帰を狙って華美な装いをする」 こんなの初めて聞いたけどほんまかいな???
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明治以降の廓・遊里について、詳細に書かれている。江戸期については、同作者の、遊女の生活のほうが詳しいようである。戦後、売春防止法の施行される時期まで。公娼→私娼。
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