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エロスと「わいせつ」のあいだ 表現と規制の戦後攻防史 朝日新書551
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 朝日新聞出版 |
| 発売年月日 | 2016/02/12 |
| JAN | 9784022736512 |
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エロスと「わいせつ」のあいだ
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エロスと「わいせつ」のあいだ
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商品レビュー
3.3
7件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ろくでなし子さんをはじめ、現代の猥褻事件から歴史を遡り、刑法175条の解釈の変遷を見ながら「裁判官が猥褻だと思うものが猥褻だ」論理でしか裁けない刑法175条はどうなのよ、という話。年齢規制をしている店での展示物や、ゾーニング(分離展示)して注意書きを書いて年齢制限を設けていたもの、年齢制限をかけて販売していた漫画などが有罪になるのはおかしい。この本は「エロスと猥褻の間の定義がおかしいよ!」という本で、「エロスと猥褻の間の定義はこうだよ!」という本じゃなかった。文章が読みづらかった。
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新書シューイチチャレンジは先週に続いて「わいせつ」規制について。文化としての「エロス」と刑罰の対象になる「わいせつ」の区別・一線について。チャタレイ事件、「悪徳の栄え」事件、「四畳半襖の下張」事件と、憲法でもお馴染みのわいせつ表現規制について興味深い記載。「わいせつ」規制の背景に...
新書シューイチチャレンジは先週に続いて「わいせつ」規制について。文化としての「エロス」と刑罰の対象になる「わいせつ」の区別・一線について。チャタレイ事件、「悪徳の栄え」事件、「四畳半襖の下張」事件と、憲法でもお馴染みのわいせつ表現規制について興味深い記載。「わいせつ」規制の背景には明治期における「西欧文明に合わせた日本の近代化政策があり、そのために国内の『乱れた風俗』を浄化しなければならず、『性は恥ずかしいもの』という観念が広められていった」(P177)とされている。性的羞恥心は「社会制度である」というルソーの言葉を思い出した(本書でもふれられている)。インターネットが普及し情報環境が劇的に変化した中で「裏本、裏ビデオ」といっていた時代のわいせつ概念に再考が迫られている(P252)。
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警察・検察・裁判官が一体となって気に入らない性表現を猥褻認定する構図。 いったい彼らの頭の中はどういう仕組みになっているのだろうか。 謎の常識や意味不明な風紀を振りかざして表現に烙印を押す動きに恐怖を感じた。 一方で、過去に猥褻認定されたものが現在ではふつうに流通しており、社会の...
警察・検察・裁判官が一体となって気に入らない性表現を猥褻認定する構図。 いったい彼らの頭の中はどういう仕組みになっているのだろうか。 謎の常識や意味不明な風紀を振りかざして表現に烙印を押す動きに恐怖を感じた。 一方で、過去に猥褻認定されたものが現在ではふつうに流通しており、社会の流れには勝てないというのは安心材料だ。 そして、このように流動性の高い概念を刑法で扱うことは厳に慎むべきだと感じた。 いまこそ刑法の脱道徳化を推進すべきだと思う。 猥褻概念は明治維新、脱亜入欧の流れで生まれた。 それまでは猥褻という概念はなかった。 伝統で言えばむしろ江戸時代は裸はとくに恥ずかしいものではなかったのだ。 気になるのは、性表現が探せばいくらでもあっただろうに、立件したのは一部であることだ。 てっきり性表現を殲滅することが目的だと思っていたが、違うのだろうか? この手の規制をかけたがる人の頭の中を覗いてみたい。
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