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ジャック・ラカン(著者), ジャック・アラン・ミレール(編者), 小出浩之(訳者), 鈴木國文(訳者), 菅原誠一(訳者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 2015/11/28
JAN 9784000240529

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2016/11/01

上巻の終わりの方で出てきた「アガルマ」概念が下巻で大活躍するのではないかと予想していたら、言葉自体は出てこなかった(言葉が出てこないだけで、理論的にはつづいて展開されている)。その代わり、下巻ではいきなり「口唇期」だの「肛門期」だのという、精神分析の基礎概念のおさらいがのっけから...

上巻の終わりの方で出てきた「アガルマ」概念が下巻で大活躍するのではないかと予想していたら、言葉自体は出てこなかった(言葉が出てこないだけで、理論的にはつづいて展開されている)。その代わり、下巻ではいきなり「口唇期」だの「肛門期」だのという、精神分析の基礎概念のおさらいがのっけから始まって「なんで?」と思った。しかし要するに、「愛・欲望」の原初的な姿の呈示ということだろう。 こんどはクローデルの読んだことない(どうも邦訳なさそう)戯曲が詳細に分析される。そこから神話論に発展する。 このへん、下巻のこり3分の1あたりが俄然面白く、興奮した。神話と言うことでもちろんレヴィ=ストロースもちらっと参照されるが、無意識が形成する神話の論理というものは、恐らくニクラス・ルーマンの言うようなオートポイエティックな「システム」であるに違いないという気がした。 そしてシステムにおいて特に注目されるのが小文字のa(対象としての他者)、大文字のS(に斜線が引いてある文字。消退する主体)といったキーワードである。 ラカンは本書で得意の「鏡像段階」論ももちだすが、このへんの自我理論は、私には少し違和感があるので、保留しておく。 結局、本書においてラカンが追究し尽くしたいとかんがえたのは「被分析者-分析者間の転移」という事態の特殊性そのものではなく、愛・欲望・対象関係の普遍的な構造であったのだろう。 セミネールシリーズはいつもそうだし、ラカンの書くものも全部そうだが、末尾はやはりすっきりしない(言い足りない)感じで終わってしまう。 けれども今回は後半の方に、「あ、これだ」とビリビリ来るような印象があったので、改めてラカン思想の面白さを感じた。セミネールシリーズを全部読み返したいくらいだ。 だがそうなると、買いそびれて持ってない巻が惜しまれる。そもそも本国フランスでさえ、まだ全巻が刊行されていないようなのだが。

Posted by ブクログ

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