商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2016/01/01 |
JAN | 9784062200127 |
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商品レビュー
3.5
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大学、研究業界の闇。結局偉そうにしている人には誰も逆らえないし、平気でハシゴを外してくる権力者もいる。今はそのことを知っているが、学生だった当時、私はちょうどこの頃すごく勉強していて、小保方さんが泣き寝入りしているように見えてならなかった。学校の先生は有名大学に入って学者になれば...
大学、研究業界の闇。結局偉そうにしている人には誰も逆らえないし、平気でハシゴを外してくる権力者もいる。今はそのことを知っているが、学生だった当時、私はちょうどこの頃すごく勉強していて、小保方さんが泣き寝入りしているように見えてならなかった。学校の先生は有名大学に入って学者になれば怖いものなしと言っているけど、勉強してもこんな風に辛い目にあうんだと思ったことを覚えている。小保方さんの周りの人はあまりうろたえてなかったから、小保方さんばかり辛そうでかわいそうだなと思った。記者会見で小保方さんの絶望している様子に罪悪感は感じられず、むしろ本当に信じてほしいと訴えていたように記憶している。 山梨大の若山先生のとても犯罪的な行動が書かれていたが、これが事実ならこういう人間が自分の名声や報酬と引き換えに日本の研究を破壊していくんだと感じられた。 本来シニアオーサーが問い合わせには対応するはずだったが常識を知らないメディアが騒ぎたて論文の筆頭著者である小保方さんに攻撃が向いたことは、研究者を目指している学生たちを震え上がらせたと思う。 何度も命を断とうと思ったと書いてあったが、なんの邪念もなく研究をしてきた人が、名声ほしさにまんまと人を騙す権威ある研究者に騙された、大きな権力と権力の間で憔悴しきっていく様子は読んでいて辛かった。 主犯は若山先生であるのに世間が小保方さんを捏造犯と責めたことは本当に愚かであり、笹井先生が亡くなったことは本当に残念だった。小保方さんは笹井先生の無念を晴らすために最後まで身を削ってでも諦めなかったんだなと思う。 辞表が受理された日が、一年前のネイチャーからアクセプトを受けたのと同じ日だったのはなんとも無念。
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男からみた小保方さんと、女からみた小保方さんって違うんだろうなと思った。 すごいよこの本!って妻にすすめたら一蹴された…。
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小説よりも小説的、一方でリアリズムに満ちた作品だった。この読後感は、10年以上前に読んだアンネの日記に似ている。 現実に起こったことなのに、小説よりも奇異で無惨で情けなく、不条理にすべてを奪い去り、見返りもなく終わる。悪い者は明らかにされず、ただ不条理な結末を受け入れるしかない。...
小説よりも小説的、一方でリアリズムに満ちた作品だった。この読後感は、10年以上前に読んだアンネの日記に似ている。 現実に起こったことなのに、小説よりも奇異で無惨で情けなく、不条理にすべてを奪い去り、見返りもなく終わる。悪い者は明らかにされず、ただ不条理な結末を受け入れるしかない。序盤には楽しい日常の日々や将来の希望が語られ、自分の関与できないところで大人や組織の思惑や私欲がうごめき巻き込まれ、耐え忍んだ上にようやく浮上できそうな希望が見えたところで徹底的に叩き落とされる。その様子や経緯が重なってくる。 私は専ら小説が好きだった。大人になってから心動かされる小説に出会えることがほとんどなくなっていた。図らずもここまで心を動かされる作品が小説でなかったことに、衝撃を受けている。 現実は小説よりも奇であり、それは体感するまで本当の意味で分かることはないのだと知った。
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