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日本逆植民地計画 日本を救おう。何としても、救おう。
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 小学館 |
発売年月日 | 2016/01/01 |
JAN | 9784093884624 |
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日本逆植民地計画
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日本逆植民地計画
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商品レビュー
4
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
21世紀になって20年が経ったけれど、タケコプターもどこでもドアーも生まれなかった。インターネットは発達したが、生活は思ったほどには変わらず、ドラえもんの時代にあった未来に対する熱はすっかり冷めてしまった。いまや日本の未来は暗く貧しいものでしかない。 ここで橋爪大三郎が日本再生に向けて提案するのは、「ダブル都市」「百年マンション」「太陽熱発電」「どこでもトーク」「無人自動車」「潜水商船隊」「新食糧」「日本逆植民地計画」の8本。最初の3本くらいまでは、政策としてもそれなりに議論されたものだが、ちょいちょいドラえもんが思い返された。ポテンシャルとしては可能なのに、思ったほどには実現されていない。 どこでもトークって、要するにほんやくこんにゃくで、今はディクテーション機能も翻訳機能もかなり高度になっているので、作ろうと思えばやれないことはない。無人自動車だってもう技術的には可能だろう。ドラえもんの時代にはそれらの技術が未来の日常生活を激変させているだろう、と考えられていたが、現実にはそういう方向に動いていない。 飛行機だって、コンコルドが発展し、NY-パリが1時間、とかそんな風になれば、もうこれはほとんどどこでもドアなわけだが、現実には低コストでの大量輸送という方向に行った。 でも生活はそんなに変わっていないようで、平均寿命も凄く伸びたし、週休二日は定着したし、人々のコミュニケーションはずっと幅広いものになったし、多様な情報があっという間に広がるようになった。半世紀前と比べても、ずっと暮らしやすくはなっている。 本書の提言はどれも重要なものばかりだが、未来の危機に向けて人々の意識を変え、実現にまでもっていく政治の貧困ということが、一番大きい問題のような気がする。
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201605/ 経済の専門家は、データやモデルをいじくるばかりで、未来を語ることを忘れている。政治のプロは、将来のビジョンを語るパワーを失っている。人びとは、ソーシャルメディアのじょうほうの洪水に溺れている。データや情報は、過去に何が起こったかを教えるだけの、足かせになっている。...
201605/ 経済の専門家は、データやモデルをいじくるばかりで、未来を語ることを忘れている。政治のプロは、将来のビジョンを語るパワーを失っている。人びとは、ソーシャルメディアのじょうほうの洪水に溺れている。データや情報は、過去に何が起こったかを教えるだけの、足かせになっている。専門知識は、これまでのパターンに思考を閉じ込める、思考停止の言い訳になっている。誰もが、自分の目で未来を見ることをができるのを忘れている。いま必要なのは、これからこうしたい、こうすべきだ、という構想である。提案である。勇気である。/ アップルのスティーブ・ジョブスが、マーケティングなんか、私は関心ないとのべた。マーケティングは、消費者に「いま、何が欲しいですか」と質問して、売れそうな商品をつくること。消費者に質問して、それを追いかける時点で、時代に遅れている。ほんとうに新しいアイディアは、消費者も気がつかない、その先にある。それをあなたは、まず考えなさい。そう、言いたかったのではないか。/ 外国人労働者受け入れ積極派と、受け入れ慎重派。この論争は、いまのかたちでいくら議論しても、決着がつかないと思う。それは、積極派も慎重派も、日本の経済や社会についてのプラス、マイナスばかり議論していて、日本にやってくる外国人の、当事者の立場にたっていないからだ。/ 日本はとてもまずいことになっている。経済が落ち込んだせいだと、人びとは思っている。わたしの見方は違う。それは、経済以外のことを考える力が、衰えたせいである。江戸時代の日本人は真剣に、政治や道徳や国防のことを考えた。明治になってもその伝統が残っていた。けれども戦後、人びとは、そういうことは後回しでよい。経済のことばかり考えて何がわるい、と居直るようになった。その結果、外交や軍事が苦手になった。政治が稚拙になった。哲学ができなくなった。言論で他者とぶつかりあい、言葉で公共の場を組み立てることが出来なくなった。経済がどこへ向かうべきか、言葉で提案し、ビジョンを共有できなければ、日本は足踏みを続けるほかはない。経済が落ち込んでいるだけではない。もっと不快ところで、日本社会は深刻な病気になっているのである。この病気が、すぐよくなる特効薬はない。一歩一歩、足慣らしをして、前に進むしかない。
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