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レモン畑の吸血鬼
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レモン畑の吸血鬼

カレン・ラッセル(著者), 松田青子(訳者)

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レモン畑の吸血鬼

2,970

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 河出書房新社
発売年月日 2016/01/01
JAN 9784309206967

レモン畑の吸血鬼

¥2,970

商品レビュー

4.1

15件のお客様レビュー

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2024/04/01

光の描写の美しさが強く印象に残った。ヨーロッパの国をモデルにしているであろう作品は特にだが、作者の描く光には透明感があり、からっとしていて温かい。それらが時にはひやりとするような状況や人物の恐ろしい心情を際立たせ、作品の魅力をぐっと増していると思った。 童話や諺のような一見おか...

光の描写の美しさが強く印象に残った。ヨーロッパの国をモデルにしているであろう作品は特にだが、作者の描く光には透明感があり、からっとしていて温かい。それらが時にはひやりとするような状況や人物の恐ろしい心情を際立たせ、作品の魅力をぐっと増していると思った。 童話や諺のような一見おかしな状況設定も多いが、決してアイデアのみの一発芸的なストーリーではなく、どの作品も深い後味を味わうことができた。

Posted by ブクログ

2023/07/16

“「レモンが効かないわ」「いつから、そうだった?」「効いている振りをしていたよりも、長くよ。ごめんなさい」” 血を吸わないことによる渇きをやり過ごすためにレモンを啜る吸血鬼の会話なのに、倦怠期の夫婦が交わしているとなると違う響きを帯びてくる。 古い因習を捨てて、若い妻と新しく理...

“「レモンが効かないわ」「いつから、そうだった?」「効いている振りをしていたよりも、長くよ。ごめんなさい」” 血を吸わないことによる渇きをやり過ごすためにレモンを啜る吸血鬼の会話なのに、倦怠期の夫婦が交わしているとなると違う響きを帯びてくる。 古い因習を捨てて、若い妻と新しく理想の生活に踏み出したはずの吸血鬼が落ちいる閉塞。 永遠の愛のために払った犠牲を数え始めたとき、心はすれ違い、愛には苦味が混じる。だが、吸血鬼である二人を死が分かつことはない。 表題作を始めとして、カレン・ラッセルの描く物語は、奇想であっても幻想ではない。登場人物はみな、リアルな痛みと抜け出せない苦しみにもがいているー縛り付けられた土地、人生、異形の身体、自らの選択ー。そして記憶や過去から。 『帰還兵』では、PTSDに苦しむ帰還兵と、治療を担当するマッサージ師は、真実を検証することのできない記憶を、それぞれ内に抱えている。物語の最後に導かれた、辛い記憶からの回復への答えは決して恩寵ではないかもしれない。それでも簡単ではない問題に対して精一杯、誠実であろうとする作者の思いが物語を超えて聞こえてくるような気がする。 『エリック・ミューティスの墓無し人形』もそうだ。償うことのできない過去。忘れて蓋をした過去が現れたとき、人は赦しを乞うことはできるのだろうか。読んでいて苦しい。この作品だけは共感で語れない。それでも、後悔や懺悔とも違う、内面から滲み出した行動を美しいと思った。

Posted by ブクログ

2020/09/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2017年に途中で放り出した本をがんばって読了。 アイデアはかなりすごい。日本のライトノベルなら ありそうななさそうな設定…を力技で昇華している、 というイメージ。 「お国のための糸繰り」「任期終わりの厩」 「帰還兵」が良かったです。 大統領が馬に転生する、というのは日本の 総理でもぜひ誰かに書いてもらいたい設定です。

Posted by ブクログ

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