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釜ヶ崎から 貧困と野宿の日本 ちくま文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2016/01/01 |
JAN | 9784480433145 |
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釜ヶ崎から
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商品レビュー
3.3
7件のお客様レビュー
西成という言い方の方が慣れていて、釜ヶ崎という呼び名自体初めて聞きました。ドヤ街というと東京の山谷がとても有名です。どちらかというと自己責任でドヤ街で日雇いの仕事じ従事しているというイメージを持っていました。なので貧困に関する本を色々読みながらも日雇い労働従事者は省いて考えていた...
西成という言い方の方が慣れていて、釜ヶ崎という呼び名自体初めて聞きました。ドヤ街というと東京の山谷がとても有名です。どちらかというと自己責任でドヤ街で日雇いの仕事じ従事しているというイメージを持っていました。なので貧困に関する本を色々読みながらも日雇い労働従事者は省いて考えていたかもしれません。 筆者は大学を出てから30年、釜ヶ崎で日雇い労働者として働きながら、支援団体メンバーとしてこの地域に関わってきた経験を、この本に注ぎ込んでいます。その為客観的な視点よりも主観的なエッセンスが特盛です。 野宿者(路上生活者)が怠け者だから路上で暮らしているという思い込みを、この本を読むと崩されます。殆どの路上生活者は不況によって仕事が無くなり、空き缶集めや段ボール集めを一日10時間以上行って¥1,000程度の収入を得る。究極のワーキングプアという状態です。決して怠けている訳ではないのです。 野宿者に対する襲撃が社会問題化した時期がありました。面白半分に暴力を振るいあまつさえ殺害する。現場で実際に被害者と接してきた彼の言葉は非常に重いです。頭蓋骨を砕かれ殺害された人、ガソリンをかけられて焼かれた人。さまざまな方法で人でなし達のはけ口になっている人々がいます。そういう人々が罪悪感なく同じ社会で生きている事がにわかには信じられません。 そしてドヤ街にに集う人々が高齢化し、町全体が福祉の街化すると同時進行で、若年者の雇用の不安定化によって別の形での貧困が進んでいます。不安定雇用に従事する若年者が住む場所を失ってネットカフェ等に宿泊し、お金が尽きると野宿者化する。世代と方式を変えて貧困が継承されていく状況です。 この本は貧困者側に立ってというよりも中から書かれた本です。その為客観性が無いと評価される可能性もあります。これだけ読むと路上生活者を公共の場所から排除しようとする地域住民が悪いように感じてしまいます。しかし子供を抱える親等の不安も分かるのです。一方の意見だけではなく色々な意見を読んで自分の中で消化する事が大事だと思います。 しかし超主観的な本というのは弱者の中からは生まれて来にくいので(教育水準の問題から)、この本はとても貴重なのではないかと思います。知らないうちに僕らは、高度経済成長を支えてきた日雇い労働者達を、怠け者として切り捨ててきたのだなと思った次第です。
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文庫版への序―「西成特区構想」以降の釜ヶ崎 はじめに―北海道・九州・東京、その野宿の現場 第1章 不安定就労の極限―80~90年代の釜ヶ崎と野宿者 第2章 野宿者はどのように生活しているのか 第3章 野宿者襲撃と「ホームレスビジネス」 第4章 野宿者の社会的排除と行政の対応 第5...
文庫版への序―「西成特区構想」以降の釜ヶ崎 はじめに―北海道・九州・東京、その野宿の現場 第1章 不安定就労の極限―80~90年代の釜ヶ崎と野宿者 第2章 野宿者はどのように生活しているのか 第3章 野宿者襲撃と「ホームレスビジネス」 第4章 野宿者の社会的排除と行政の対応 第5章 女性と若者が野宿になる―変容する野宿問題 第6章 野宿問題の未来へ 文庫版への補章―2008年以降の野宿の状況
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著者は釜ケ崎に暮らして30年の生き字引。西成の歴史だけでなく、来し方、行く末を冷静な視点から読み解いてみせる。
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