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昨夜のカレー、明日のパン 河出文庫
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昨夜のカレー、明日のパン 河出文庫

木皿泉(著者)

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昨夜のカレー、明日のパン 河出文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 河出書房新社
発売年月日 2016/01/01
JAN 9784309414263

昨夜のカレー、明日のパン

¥660

商品レビュー

3.9

497件のお客様レビュー

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2025/02/13

テツコとギフの暮らしがとても自然で居心地がいい感じがとてもよく伝わってきました。 たぶん、本当の血の繋がった親子だったらこうはいかないんだろうな。適度な距離感がちょうどいいのかもと思いました。 そこへ加わりたいけど土足では踏み込まないようにしている岩井さんがなんだか切ないけど、岩...

テツコとギフの暮らしがとても自然で居心地がいい感じがとてもよく伝わってきました。 たぶん、本当の血の繋がった親子だったらこうはいかないんだろうな。適度な距離感がちょうどいいのかもと思いました。 そこへ加わりたいけど土足では踏み込まないようにしている岩井さんがなんだか切ないけど、岩井さんにとってもいい距離感でもあるのかなと思いました。 距離感を大事にしながら、過ごしていくのは難しいけど、お互いにそれができると居心地がいいんでしょうねー ギフが詐欺にあった話では、岩井さんとのやり取りにクスッとさせられました。

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2025/02/05

何にもないのに、何回も泣きそうになった。 日々の暮らしの中にある幸せや悲しみ。 大切な人がいなくなっても、暮らしは続く。 主人公?のテツコと、亡くなった旦那の一樹のお父さん、ギフとの暮らし。その周りの人たちの話。大きな何かがあるわけじゃない日常の中で、でもやっぱり何かがあって。...

何にもないのに、何回も泣きそうになった。 日々の暮らしの中にある幸せや悲しみ。 大切な人がいなくなっても、暮らしは続く。 主人公?のテツコと、亡くなった旦那の一樹のお父さん、ギフとの暮らし。その周りの人たちの話。大きな何かがあるわけじゃない日常の中で、でもやっぱり何かがあって。大切な人がいなくなったり、詐欺にあったり、家出したり、運命の出会いがあったり、泣いたり笑ったり。 昨夜のカレーの匂いを感じること、明日のパンを抱えること。 愛おしい日々に、残酷な日々に、なぜか何回も泣きそうになった。 なんだオレ、こんな殺伐としたところにいたのかぁって。生きてるって、本当はあんな感じかもしれないね。本当は殺伐としてんだよ。みんな、それ、わかってるから、きれいに着飾ったり、御馳走食べたり、笑い合ったりする日をつくっているのかもしれないな。無駄ってものがなかったら、人は辛くて淋しくて、やってられないのかもしれないな。 人は変わってゆくんだよ。それは、とても過酷なことだと思う。でもね、でも同時に、そのことだけが人を救ってくれるのよ 動くことは生きること。生きることは動くこと。 この世に、損も得もありません。 それが母の口癖だった。

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2025/02/03

本作は2013年に発表された、シナリオライターの木皿泉さん(ご夫婦の共同ペンネーム)の初めての小説。書き上げるのに9年もかかったらしい。 だんだんと小説を書く事に慣れてきたのか後半に行くほど読みやすくなる。やっぱりシナリオと小説は別物なんだなぁと感じた。 とは言え、人物設定や台詞...

本作は2013年に発表された、シナリオライターの木皿泉さん(ご夫婦の共同ペンネーム)の初めての小説。書き上げるのに9年もかかったらしい。 だんだんと小説を書く事に慣れてきたのか後半に行くほど読みやすくなる。やっぱりシナリオと小説は別物なんだなぁと感じた。 とは言え、人物設定や台詞回しは最初っから面白い。「ムムム」をめぐる「ギフ」と「オヨメチャン」の会話など、どこかトボけてて、その中に、近いようで遠いお互いの距離感も滲み出ていて絶妙だ。 印象に残ったのはラスト3編の「夕子」「男子会」「一樹」。各編で主役が交代するのだが、この3遍の母→父(+α)→息子のリレーはこの小説を収束させるにあたって見事。親子など身近な関係であっても、本人が思う自分と他者から見る自分には微妙なズレや違いがあって、そこには多少の打算や諦めと、相手への思いが溢れている。夕子さんの切迫感あふれる話から、打って変わってドタバタと慌てふためくギフや岩井さんの様はおかしい。トリは重要人物でありながら出番が少なかった一樹さんの人となりがわかる一編。優しい気持ちになれます。 なお、文庫化にあたって書き下ろされた「ひっつき虫」が巻末に収録されています。主役はテツコ(オヨメチャン)。ちょっと暖かくてちょっと前向き。それまでのテツコの行動の答え合わせ的な面もあり、スッキリしました。残された3人に幸がありますように。

Posted by ブクログ