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だれのものでもない岩鼻の灯台
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だれのものでもない岩鼻の灯台

山下明生(著者), 町田尚子

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だれのものでもない岩鼻の灯台

1,430

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 絵本塾出版
発売年月日 2015/12/01
JAN 9784864840859

だれのものでもない岩鼻の灯台

¥1,430

商品レビュー

3.9

13件のお客様レビュー

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2024/09/21

絵を描いている町田さんといえば猫!のイメージが強いので、猫が出てきた時ちょっとテンション上がったよね。 ちょっと捻くれてるけど、灯台がみんなにまた必要とされてツンデレな感じで最後まで通しちゃうのもこの絵本のいいところ。 なんか段々懐柔されていくのかと思うじゃない。 最後までツンツ...

絵を描いている町田さんといえば猫!のイメージが強いので、猫が出てきた時ちょっとテンション上がったよね。 ちょっと捻くれてるけど、灯台がみんなにまた必要とされてツンデレな感じで最後まで通しちゃうのもこの絵本のいいところ。 なんか段々懐柔されていくのかと思うじゃない。 最後までツンツンしてるんだもん。 なんか可愛くなっちゃって。

Posted by ブクログ

2024/08/02

おお、これはいい絵本だなあ。 絵と文が一体になっているよ。あとがきに至るまで完璧な文章に、すべてのページにこれ以上なくぴったりな絵。惚れ惚れするねぇ。 灯台はあれだ、ツンデレだね。 ああ、いい絵本を読んだなぁ。

Posted by ブクログ

2024/05/29

 おそらく、これまで見てきた町田尚子さんの絵の中で最も心に響くものがあると感じ、彼女の好きな猫も登場するけれども、本書の主役はもちろん灯台である。  町田さんによる、アクリルガッシュの艶の無い生々しい描写には、灯台の打ち捨てられた哀愁感もあるが、それ以上に無骨ながらも活き活きと...

 おそらく、これまで見てきた町田尚子さんの絵の中で最も心に響くものがあると感じ、彼女の好きな猫も登場するけれども、本書の主役はもちろん灯台である。  町田さんによる、アクリルガッシュの艶の無い生々しい描写には、灯台の打ち捨てられた哀愁感もあるが、それ以上に無骨ながらも活き活きとした躍動感もあり、それが無生物の灯台にも感じられたことには、山下明生さんの切なくも心温まる、灯台を擬人化した物語もあるのだと思う。  「岩鼻」というのは、岬の先っぽの尖った岩場のことで、そこで何年も人間の為に照らし続けていた灯台は時代の流れもあったのか、ある日突然、お役御免となってしまう。  昼間はまだ、青空や波の様子が見えることで、あまり気にならなかったが、夜になると、まるで灯台の周囲だけ時間が止まってしまったような生命を感じさせない、うら寂しさがあり、それは灯台から遠く離れて見える街の灯りが、より強調しているようにも思われて、これには灯台も「さみしい、さみしい、さみしい!」と、すすり泣いてしまった。  しかし、人間からは必要とされなくなってしまったかもしれないが、動物達はそうでは無かったことを、この後、灯台自体が驚いてしまうほどに次から次へと実感させられることになる、そんな嬉しい驚きは、灯台に感情移入すればするほど、読み手にも伝わってくる微笑ましさがあり、それは灯台も本当は嬉しいはずなのに、そこは照れ隠しなのか、これまでの誇りが邪魔するのか、「いいんじゃない。もう ここは、だれのものでも ないんだから」と拗ねているのが、ちょっと可愛い。  そして、そんな灯台の気持ちを慰めつつも後押しするように、町田さんは様々な角度から灯台の魅力を描いていき、それは遠景や、下から見上げた迫力ある視点、反対に空から見下ろした視点はカモメも加わることで、その存在感をより発揮していると思ったら、その中の螺旋階段をムササビと共に描いたりと、灯台はただ光を照らし出すだけではない、それ自体にも魅力があるのだということを、改めて教えてくれた。  それは、入道雲もたなびく、眩しくも爽やかな夏の青空の中でしっかりと佇む姿や、満月と共に描かれた灯ろうの美しさも同様であったが、更に圧巻だったのは、もう灯台自体が照らすことは不可能なはずだったのに、思わぬところから発生した光の存在であり、しかも、その場所は本来のそれとは真逆のものであることに、それらは対照的でありながらも、実はとても近い存在なのではないかと思えたことに、大きな希望と勇気を与えてくれたような気がして、まさか灯台からこうしたものの見方を知るとは思いも寄らなかった、そんな意外性のあるメッセージも、強く心に残った。 「こうまでなっては、ほんと だれのものだか わかりはしないな このわたしも」  「だれのものでもない」という言葉は言い換えれば、『だれのものにもなりうる』になるということを、改めて教えてくれた本書は、それだけたくさんのものたちに必要とされている喜びがありながらも、改めて見せてくれた、ほのかに輝きながら美しく躍動する光には、そんな照れ屋さんの灯台に対して感謝の気持ちを込めた、ささやかなプレゼントにも思えたのであった。 「ああ、波の音しか きこえなかった、 しずかな 夜が なつかしいよ」  そんな言い方しても、嬉しいのは分かってるよ(笑)

Posted by ブクログ

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