だれのものでもない岩鼻の灯台 の商品レビュー
おお、これはいい絵本だなあ。 絵と文が一体になっているよ。あとがきに至るまで完璧な文章に、すべてのページにこれ以上なくぴったりな絵。惚れ惚れするねぇ。 灯台はあれだ、ツンデレだね。 ああ、いい絵本を読んだなぁ。
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おそらく、これまで見てきた町田尚子さんの絵の中で最も心に響くものがあると感じ、彼女の好きな猫も登場するけれども、本書の主役はもちろん灯台である。 町田さんによる、アクリルガッシュの艶の無い生々しい描写には、灯台の打ち捨てられた哀愁感もあるが、それ以上に無骨ながらも活き活きと...
おそらく、これまで見てきた町田尚子さんの絵の中で最も心に響くものがあると感じ、彼女の好きな猫も登場するけれども、本書の主役はもちろん灯台である。 町田さんによる、アクリルガッシュの艶の無い生々しい描写には、灯台の打ち捨てられた哀愁感もあるが、それ以上に無骨ながらも活き活きとした躍動感もあり、それが無生物の灯台にも感じられたことには、山下明生さんの切なくも心温まる、灯台を擬人化した物語もあるのだと思う。 「岩鼻」というのは、岬の先っぽの尖った岩場のことで、そこで何年も人間の為に照らし続けていた灯台は時代の流れもあったのか、ある日突然、お役御免となってしまう。 昼間はまだ、青空や波の様子が見えることで、あまり気にならなかったが、夜になると、まるで灯台の周囲だけ時間が止まってしまったような生命を感じさせない、うら寂しさがあり、それは灯台から遠く離れて見える街の灯りが、より強調しているようにも思われて、これには灯台も「さみしい、さみしい、さみしい!」と、すすり泣いてしまった。 しかし、人間からは必要とされなくなってしまったかもしれないが、動物達はそうでは無かったことを、この後、灯台自体が驚いてしまうほどに次から次へと実感させられることになる、そんな嬉しい驚きは、灯台に感情移入すればするほど、読み手にも伝わってくる微笑ましさがあり、それは灯台も本当は嬉しいはずなのに、そこは照れ隠しなのか、これまでの誇りが邪魔するのか、「いいんじゃない。もう ここは、だれのものでも ないんだから」と拗ねているのが、ちょっと可愛い。 そして、そんな灯台の気持ちを慰めつつも後押しするように、町田さんは様々な角度から灯台の魅力を描いていき、それは遠景や、下から見上げた迫力ある視点、反対に空から見下ろした視点はカモメも加わることで、その存在感をより発揮していると思ったら、その中の螺旋階段をムササビと共に描いたりと、灯台はただ光を照らし出すだけではない、それ自体にも魅力があるのだということを、改めて教えてくれた。 それは、入道雲もたなびく、眩しくも爽やかな夏の青空の中でしっかりと佇む姿や、満月と共に描かれた灯ろうの美しさも同様であったが、更に圧巻だったのは、もう灯台自体が照らすことは不可能なはずだったのに、思わぬところから発生した光の存在であり、しかも、その場所は本来のそれとは真逆のものであることに、それらは対照的でありながらも、実はとても近い存在なのではないかと思えたことに、大きな希望と勇気を与えてくれたような気がして、まさか灯台からこうしたものの見方を知るとは思いも寄らなかった、そんな意外性のあるメッセージも、強く心に残った。 「こうまでなっては、ほんと だれのものだか わかりはしないな このわたしも」 「だれのものでもない」という言葉は言い換えれば、『だれのものにもなりうる』になるということを、改めて教えてくれた本書は、それだけたくさんのものたちに必要とされている喜びがありながらも、改めて見せてくれた、ほのかに輝きながら美しく躍動する光には、そんな照れ屋さんの灯台に対して感謝の気持ちを込めた、ささやかなプレゼントにも思えたのであった。 「ああ、波の音しか きこえなかった、 しずかな 夜が なつかしいよ」 そんな言い方しても、嬉しいのは分かってるよ(笑)
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人間にうち捨てられ、ひとりぼっちになった灯台は、ツンデレさん。寂しさをじっと堪えていました。住処を求めて次々にやってくるいろんな生き物たちに、「好きにすれば」とか言ってても、もう寂しくなくなって内心嬉しいのでしょうね。人間にも、こういう不器用なタイプ、いるなぁ。
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物語も絵もとてもいいと思う。1匹の子猫はウリ坊と並んでホタルイカをながめてるので、みんな仲良く暮らしてるんだなぁとほのぼのする。 ただ灯台のつっけんどんな性格を表すための「すきにすれば」という言葉がすごく嫌。子供に読んであげて、その言葉を覚えてしまったら最悪。 大人向きの絵本なのでしょうね。 それ以外はとてもいい!
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山下明夫 文 町田尚子 絵。 お役御免になった古いひとりぼっちの灯台。 行き場所のない生き物達の拠り所となる。 誰かに必要とされる素晴らしさを教えてくれる。 物語も絵も最高。
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灯台のツンデレな感じが、可愛らしい。 町田さんの絵ととても合っている。 影さえも必要とされるというのは素敵。
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何年も何年も海の向こうに光をおくっていた岩鼻の灯台。、しかしお役御免になって、寂しくて寂しくてすすり泣く毎日を送っていました。 ある日、ちょっとおじゃましていいですか?とたずねてきたのは…? しずかな夜が懐かしいよ!とうそぶく灯台のほかほかの気持ちが伝わってきます。 町田さんの...
何年も何年も海の向こうに光をおくっていた岩鼻の灯台。、しかしお役御免になって、寂しくて寂しくてすすり泣く毎日を送っていました。 ある日、ちょっとおじゃましていいですか?とたずねてきたのは…? しずかな夜が懐かしいよ!とうそぶく灯台のほかほかの気持ちが伝わってきます。 町田さんの絵も素敵だ。
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岩鼻の灯台は、ひとりぼっちになった。誰のものでもなくなり...。でも、そこに厄介になりたい動物たちが集まってきて、最後のホタルイカの光が美しく光る場面がきれいです。
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使われなくなった岩鼻の灯台。ある春の日、ネコの一家が灯台にやってきたことをきっかけに他の動物、鳥、魚…など生き物たちの住処になります。いつの間にか灯台は賑やかになっていました。様々な視点からの灯台の風景も美しい一冊です。(約9分)
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使われなくなった岩鼻の灯台。しばらく経った頃、猫の親子が灯台にやってきます。次第にムササビ、カモメ、イノシシなどの生き物達もやってきて、いつの間にか岩鼻の灯台はそこに住むみんなの灯台になっていました。可愛くて良い物語ですが、タイトルが漢字のためか?なかなか手に取りにくい一冊です。
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