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いつも彼らはどこかに 新潮文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 新潮社 |
| 発売年月日 | 2015/12/01 |
| JAN | 9784101215273 |
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いつも彼らはどこかに
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商品レビュー
3.7
45件のお客様レビュー
動物に関する8編 ビーバーの話が好きだった。 小川洋子さんの物語はいい意味で少し世間ズレしているというか、浮世離れしている感じがする。 サスペンスものやリアリティとかの実際的な出来事に対して深掘りしていくというよりは、小川さんの世界に引き込まれていって、現実的ではなくてもこう...
動物に関する8編 ビーバーの話が好きだった。 小川洋子さんの物語はいい意味で少し世間ズレしているというか、浮世離れしている感じがする。 サスペンスものやリアリティとかの実際的な出来事に対して深掘りしていくというよりは、小川さんの世界に引き込まれていって、現実的ではなくてもこういう世界、見方もあるんだよと感じる。 いろんな物語の中で、世間一般の言い方をすると落ちこぼれ、低所得者、フリーター、ホームレス、と一括りにされる人たちに目を向けてひそやかで穏やかな世界を見せてくれることもある。 この人独自の書き方を無視できない。
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動物、生き物がテーマになっている短編集。奇妙なストーリーが真摯でユーモアがあって面白くて、本という音のない世界が静かだなーと思えて、読んでいる間とても心地良い。彼女たちのように生きてみたいとさえ思う。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
8編すべてに動物が登場する。 読み終わって、人も動物もみんな孤独だという思いを抱いた。それは決して悪いことではなくて、孤独な存在がそれぞれ感じられることが小さな光のようだった。 特に好みだったのは「愛犬ベネディクト」だった。祖父と孫ふたりの生活にはベネディクトという存在が必要なのは分かったけれど、ブロンズ製の犬を中心とした生活に、この家庭の喪失が浮き彫りになっている気がして胸が締め付けられた。手作りドッグフードを食べて病気にまでなっているのだ。この生活はいつまで続けられるだろう、と悲しくなった。 ラストの「竜の子幼稚園」も悲しかったけれど、空っぽの心にじんわりと温かい余韻をくれるような物語だった。
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