商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2015/12/01 |
JAN | 9784102451168 |
- 書籍
- 文庫
オラクル・ナイト
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オラクル・ナイト
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商品レビュー
3.7
21件のお客様レビュー
ジャケ買いした本。当時は「いい表紙だな」と思っただけだったが、写真は過去に3度の回顧展に足を運んだことのあるソール・ライターのものだったことが判明。惹かれたのは必然だったっぽい。 大病から生還した作家の男が過ごした、とある9日間の出来事を描いた物語。個人的には少し難解だった。前...
ジャケ買いした本。当時は「いい表紙だな」と思っただけだったが、写真は過去に3度の回顧展に足を運んだことのあるソール・ライターのものだったことが判明。惹かれたのは必然だったっぽい。 大病から生還した作家の男が過ごした、とある9日間の出来事を描いた物語。個人的には少し難解だった。前半は静かに、しかし確実に読み進ませる力を感じたが、後半は凄惨な描写も増え、ほとんど濁流に飲み込まれていた気する。しかもここまでやっておいて最後は割と収まるところに収まるように畳まれたので、逆に混乱した。 登場人物の誰もが、人間なら持ち得る秘密、欲望、後悔、凶暴性を抱えていて、哀れでいながら、誰も彼もが人間らしく見えない作品だと思った。記憶を失い、地上で人間として振る舞う天使か悪魔が起こした騒動でも見ていたような感じがする。けど、この混沌や錯乱のような描き方も、「まだ大病から病み上がりの、世界との接点が曖昧な男が見た景色」だと思えば、作者の意図したものなのかもしれない。 こういう予想外の作品にぶち当たるところが、ジャケ買いのいいところでもある。
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1980年代初め。ブルックリンに住む34歳の作家シドニー。 命に関わる重病を患いながらも、奇跡的に復活し、再び美しく、心から愛する妻グレースとの生活を再開する。 同時に、作家としても復帰したいと考えている中、街中を散歩していると「ペーパー・パレス」なる不思議な文具店と、M.R.チ...
1980年代初め。ブルックリンに住む34歳の作家シドニー。 命に関わる重病を患いながらも、奇跡的に復活し、再び美しく、心から愛する妻グレースとの生活を再開する。 同時に、作家としても復帰したいと考えている中、街中を散歩していると「ペーパー・パレス」なる不思議な文具店と、M.R.チャンという不思議な店主に出会う。 これをきっかけに、彼の生活がなんとも奇妙な方向へと流れていく。 物語の中でシドニーは作品を書き、その内容も記述されていくため、メタ的な、重層構造を持った物語が展開されていく。 そして、物語の中の物語が、何故か(物語の中の)現実と奇妙にリンクしだし、なんとなく不気味な雰囲気を作り出していく。 このあたりはさすがオースターといったところなのだけれども、日本人の我々にとってこの奇妙さは、村上春樹を彷彿させる。 M.R.チャンは、羊男的な役割を担っている。彼と出会うこと、ペーパー・パレスに入ることは、違う宇宙に入ることなのだと私は解釈する。 違う宇宙をいったりきたりしながら、迎える最終盤。 読み始めからは到底想像できないような後味の結末へと向かって行く。 ラストはなかなか、重い。 「オラクル・ナイト」というタイトルから、もう少しほっこりとした物語が展開されるのかと思っていたけど、全然違った。重い。 まあ、よくよく考えてみれば「Oracle(ご神託)」という言葉には特にポジティブな意味は含まれていないのだけれども。 中間までは面白い。ただ、中盤以降は、だいぶ人を選ぶだろうなと思う。 でも、とてもオースターらしい小説だと思うし、これこそが純文学の醍醐味なのだとも思う。 まあそれでも、この読後感はなんとも言えないのだが。
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1人の作家の日常と、構想中の話いくつかと、その話の中に出てくる話と…という、もとから作中作品の多い作家がこう来るか⁉︎となるような話。 どこが主人公の中の話で、どこが作中の話かごちゃごちゃなりつつ、時々起こる何か不穏な雰囲気。そうなったら一旦読むのをやめて(電車の中で読むことが多...
1人の作家の日常と、構想中の話いくつかと、その話の中に出てくる話と…という、もとから作中作品の多い作家がこう来るか⁉︎となるような話。 どこが主人公の中の話で、どこが作中の話かごちゃごちゃなりつつ、時々起こる何か不穏な雰囲気。そうなったら一旦読むのをやめて(電車の中で読むことが多いため)家で続きを読み進めたり…特にラストはもう、どうなるのか怖くて読み進められない。先が短いとわかりつつ、ごわごわ読み進めると、そこまで救いようのないラストではなく、少し安心。
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