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オラクル・ナイト の商品レビュー

3.7

19件のお客様レビュー

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2022/08/28

1人の作家の日常と、構想中の話いくつかと、その話の中に出てくる話と…という、もとから作中作品の多い作家がこう来るか⁉︎となるような話。 どこが主人公の中の話で、どこが作中の話かごちゃごちゃなりつつ、時々起こる何か不穏な雰囲気。そうなったら一旦読むのをやめて(電車の中で読むことが多...

1人の作家の日常と、構想中の話いくつかと、その話の中に出てくる話と…という、もとから作中作品の多い作家がこう来るか⁉︎となるような話。 どこが主人公の中の話で、どこが作中の話かごちゃごちゃなりつつ、時々起こる何か不穏な雰囲気。そうなったら一旦読むのをやめて(電車の中で読むことが多いため)家で続きを読み進めたり…特にラストはもう、どうなるのか怖くて読み進められない。先が短いとわかりつつ、ごわごわ読み進めると、そこまで救いようのないラストではなく、少し安心。

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2021/04/20

病み上がりの作家「私」の視点で描かれる物語。 「私」は色々な意味でふわふわと不安定ですが、関係ないようでいてやけに印象的な挿話の数々がテンポを操りながら、層を織りなし、主旋律である「私」をより立体的に浮かび上がらせます。 ポール・オースターのこの不思議な雰囲気をまとった物語を紡ぐ...

病み上がりの作家「私」の視点で描かれる物語。 「私」は色々な意味でふわふわと不安定ですが、関係ないようでいてやけに印象的な挿話の数々がテンポを操りながら、層を織りなし、主旋律である「私」をより立体的に浮かび上がらせます。 ポール・オースターのこの不思議な雰囲気をまとった物語を紡ぐ、柴田元幸氏による訳文の一語一語も目から入る滋味のようです。 久々にこの世界を堪能しました。 面白かったです。

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2020/07/30

悪い夢をみているかのような物語。 最後に夢から覚めてようやく主人公は安堵したのでしょうか。言葉が未来を引き寄せる、というのには同感するところがありました。言葉には何か不思議な魔力?があるのかもしれません。

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2021/01/13

作中作小説にすら掌編が存在する稀有な構成に加え、ハードボイルドの古典「マルタの鷹」が引用されていたりと、今作も随分とディテールに趣向が凝らしてある。三角関係の件は途中で予想がつくものの、この巧妙なストーリーテリングは正しく唯一無二だろう。悲劇的で痛ましい物語だが、決してその印象だ...

作中作小説にすら掌編が存在する稀有な構成に加え、ハードボイルドの古典「マルタの鷹」が引用されていたりと、今作も随分とディテールに趣向が凝らしてある。三角関係の件は途中で予想がつくものの、この巧妙なストーリーテリングは正しく唯一無二だろう。悲劇的で痛ましい物語だが、決してその印象だけでは終わらない。このタイトルの意味合いは読了して初めて理解出来る。主人公のシドはこの14日間の数奇な体験を通し、肉体的だけではなく、精神的にも【再生】したのだろうな。こんな凄い小説家を今まで知らなかったのは本当に勿体ないぞ、私。

Posted byブクログ

2019/06/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2019年6月2日(日)読了。 (きっかけ) ある読書会のサイトで課題本にされていたので読んでみた。 (疑問) ニック・ボウエンの物語はどうなったのか。 最後のジョン・トラウズからの手紙。これを読んで、シドは涙したとあるが、その内容には触れられていない。 (面白かった) ジョンからある作品を渡されたシド。その作品は、ジョンとグレースの関係を暗示したものになっていた。伏線。 (その他) 訳者の柴田元幸氏。以前読んだことがあるレベッカ・ブラウン『体の贈り物(涙の贈り物)』の訳者でもあった。

Posted byブクログ

2019/03/14

数年前に一度手に取り、『だめだ…頭に入ってこない』とその重層的な物語に弾き飛ばされてしまったのだが、久しぶりに読み返してみると、するすると物語の重なりに溶け込めた。オトナになったんですかね…

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2018/11/22

自意識過剰な自分語り+メタフィクションという、あまり興味のないコンボなのにそれでも読めてしまうのはポール・オースターの文章力のなせる技。ふつうの人(?)は真似しようとするのはやめたほうがいい。☆3.5

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2018/11/12

長編だけど、小さな範囲を丁寧に書いてくれている小説。小さな範囲だけど、悪い意味での箱庭感はない。文章がすとんと心に収まる感じがしました。不遜ながら、今の自分の身の丈に合った小説だなあと思って、すごく心地よく読めました。【平成30年10月2日読了】

Posted byブクログ

2018/03/03

最後はあっという間の結末だったけれど、そこにさしかかるまでの物語の牽引力はやっぱりすごかった。ところで途中、ちょっと村上春樹を思い起こさせるシーンがあったなぁ・・・。

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2017/11/22

すんごく面白かった。 80年代の『バシャール』の概念を思い出した。 パラレルワールドとか思考の現実化とか…。

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