商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 早川書房 |
発売年月日 | 2015/11/01 |
JAN | 9784152095770 |
- 書籍
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ユートロニカのこちら側
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ユートロニカのこちら側
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商品レビュー
3.5
23件のお客様レビュー
「地図と拳」が話題になっていたので気になっていた作家、小川哲さんのデビュー作。 マイン社が運営する特別区、アガスティアリゾート。 そこでは住民がすべての視聴覚や位置情報を提供する代わりに生活の保証がされ、そのデータから犯罪も未然に防げる理想都市とされていた。 しかしそれは果たし...
「地図と拳」が話題になっていたので気になっていた作家、小川哲さんのデビュー作。 マイン社が運営する特別区、アガスティアリゾート。 そこでは住民がすべての視聴覚や位置情報を提供する代わりに生活の保証がされ、そのデータから犯罪も未然に防げる理想都市とされていた。 しかしそれは果たして本当に理想なのか。その都市をめぐる様々なひとの短編連作集。 果たしてこんな地区があったとして、実際に人は思考を放棄しはじめるのかな。 わたしは何があっても人ってその環境に順応しつつも考えることはやめないと思うんだけど、でも最近の一部の若い人の想像力のなさとか、スマホ頼りなところを見ると、あながちありえなくもないのか……。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
小川哲作品のはじまりをようやく読めました。 登場人物のやり取りが固いというか、以後の作品とだいぶ違う印象を受けるのですが、舞台がアメリカだからなのか、外国文学の訳書を意識しているような気がします。 さすがというべきなのでしょうが、選評で言われている通り、登場人物の魅力に欠けると言われれば、それはそう…というイメージになります。 以後の作品は、改善されていると思います。『ゲームの王国』のみんな、『地図と拳』の細川さんとか大好き。 みんな考えることをやめることで訪れる完璧な静寂『ユートロニカ』、なんだか『harmony』を思い出しますが、小川哲さんなりのディストピアの構築がみれてよかったです。
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第3回ハヤカワSFコンテスト大賞受賞作にして、小川さんのデビュー作。北米を舞台にした目新しい感覚のディストピア小説だ。 冒頭にアシモフの「ロボット工学三原則」が書かれていてそれに惑わされてしまったが、『ロボコップ』のような暴力的な世界ではない。むしろ穏やかで“楽園”と呼ぶにふさわ...
第3回ハヤカワSFコンテスト大賞受賞作にして、小川さんのデビュー作。北米を舞台にした目新しい感覚のディストピア小説だ。 冒頭にアシモフの「ロボット工学三原則」が書かれていてそれに惑わされてしまったが、『ロボコップ』のような暴力的な世界ではない。むしろ穏やかで“楽園”と呼ぶにふさわしいものだ。だが、その世界のなにが問題かに気づくと空恐ろしい。現代の延長としての「あり得る未来」を創造したという意味で先見性があった。 翻訳調の文体は読みやすいとは言えず、登場人物も平板な印象だが、作家・小川哲の原点がここにある。
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