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「イスラム国」と「恐怖の輸出」 講談社現代新書2327
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2015/07/17 |
JAN | 9784062883276 |
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「イスラム国」と「恐怖の輸出」
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商品レビュー
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7件のお客様レビュー
(「BOOK」データベースより)amazon ニュースではわからない「不安定」が日常化する世界の現実。“建国”1年。事態はさらなる混沌へ。“敵”となった日本人に必要な自衛策とは?情報・危機管理のエキスパートが詳細に読み解く。
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◆IS(Islamic State)の跳梁跋扈の模様を、それが生まれた根源としてのアメリカ・子ブッシュ政権のイラク戦争に遡り、宗派的対立や、シリア・イラクの地勢とを絡めて解説◆ 2015年刊。 著者は元東京財団リサーチ・フェロー。 中東などで猛威を振るってきたIS(Islamic State)。現状では支配地域は縮小しつつあるとの観測も多いが、その根源は消えていない。本書の提示するIS成立の理由が、イラクでもシリアでも失われていないからだ。ならば、大々的に復活することはあり得るだろう。 さて、本書によると、ISを生んだ最大の要因はブッシュjrがイラク戦争を始めたこと。そしてバース党政権下での軍人を武装解除しないまま放りだしたことが最大の要因と。 そして、オバマ政権がなんとか米軍撤退に漕ぎつけた要因、つまりイラク国内騒乱要因の解消。換言すれば、シーア派・スンニ派の和解(些か強引ではあったが)を、イラク国内多数派シーア派の頭目マリキ首相が無茶苦茶にしてしまったことで、ISの跳梁跋扈に関して取り返しがつかない状況に至らしめた。 特に、対立宗派の融和の道筋が見えていない点に危惧が残る。 他方のシリア。アサド政権、反政府ゲリラ、その中のIS。さらにはクルド民族問題を巡る周辺諸国の思惑。地域大国を狙うイランとサウジの対抗関係等の混乱状況が全く解消されない点も、ISネットワークの維持に一役買っている。 ここまで拗れた糸が簡単に解けるとは思えない。著者はそういう前提に立ち、例えば海外での取引や事業展開において、あるいは国内でのテロの危険性を考慮に入れた上で、自衛(リスク軽減策と換言可能。なお、リスク消滅策は短期間には想定できないと見ているよう)のための具体的方策を提示する。 また、公開情報の緻密に見る嗅覚もまた重要だということをチュニジアの例を挙げて説明している。この点はリスクコンサルティングを業とする著者らしいところだ。 後藤健二氏と湯川遥菜氏の誘拐殺人に関し、ISが殺人自体を交渉の手札くらいにしか考えていない旨の指摘は、残念ながら自覚しておくべきか。 しかし他方で、イスラム過激派の勢力縮小のためには、それら及びそのシンパの減少が不可欠であり、いわゆるイスラム穏健派を敵に回すような物言い、レッテルはIS的なグループを強化するだけという、(身も蓋もないが理解は可能)指摘もまたお腹に止めておくべきものであろう。
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