商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2015/08/01 |
JAN | 9784480432919 |
- 書籍
- 文庫
木挽き町 月光夜咄
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木挽き町 月光夜咄
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商品レビュー
4.1
21件のお客様レビュー
2011年刊行の吉田篤弘さん初のエッセイ集です。吉田さんの小説も好きですが、本作もなかなかよかったです。話題は多岐にわたり、話があちこち飛びますが、自身のルーツである木挽町を辿り、若かりし頃や様々な物へ思いを馳せ綴られます。その内容は、知らぬ間に連鎖しながらも、一本筋が通った小...
2011年刊行の吉田篤弘さん初のエッセイ集です。吉田さんの小説も好きですが、本作もなかなかよかったです。話題は多岐にわたり、話があちこち飛びますが、自身のルーツである木挽町を辿り、若かりし頃や様々な物へ思いを馳せ綴られます。その内容は、知らぬ間に連鎖しながらも、一本筋が通った小説のようでもありました。 現在の銀座二丁目・歌舞伎座周辺は、江戸時代から昭和26年まで「木挽町」という町名で、吉田篤弘さんの曾祖父が鮨屋を営んでいたと云います。 本屋、古本屋、中古レコード屋、食堂、喫茶店などを巡回する吉田さんの思考や嗜好、さらに行動を基にした筆致から、過ぎ去ったこと、今はないもの、出会えなかったもの‥、これらへの追慕や空想が、吉田さんの創作源なのだなと実感できます。 人は、なくなったものや人から何らかの影響を受けて、それが連鎖し、また誰か・何かとつながっていく‥。つまりは、人の人生は自ずと未来につながっている、そのつながりを見出し、愉しむのも人生の醍醐味かもしれません。 「月光夜咄」のネーミングが絶妙で、ほの暗い灯の下、ひっそりと寛ぎながら吉田さんの語りを聞くのが相応しい一冊でした。
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著者のルーツを辿るエッセイ。とは言え、一直線には進まない。あっちへ寄り道、こっちに引っかかりと、興味や関心の赴くままに、点から点へと飛び移り、しかるのちにいつの間にやら本筋に戻っていたりする。これでこそ吉田篤弘、とわくわくさせられる。自らのルーツと出会うべく12キロを歩くために1...
著者のルーツを辿るエッセイ。とは言え、一直線には進まない。あっちへ寄り道、こっちに引っかかりと、興味や関心の赴くままに、点から点へと飛び移り、しかるのちにいつの間にやら本筋に戻っていたりする。これでこそ吉田篤弘、とわくわくさせられる。自らのルーツと出会うべく12キロを歩くために12キロ体重を落とすというこじつけのようなこだわり方も面白い。
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このタイトルを見たときから、わくわく。 好きな感じ。 吉田篤弘さんのエッセイ。 小説と同じく楽しめた。 はじめに目から鱗だったこと。 大は小を兼ねるは、砂時計では違うということ。しきりに感心してしまった。 吉田さんは、もともとは左利きで痩せていたそうで、鏡で全身を見たり、地下...
このタイトルを見たときから、わくわく。 好きな感じ。 吉田篤弘さんのエッセイ。 小説と同じく楽しめた。 はじめに目から鱗だったこと。 大は小を兼ねるは、砂時計では違うということ。しきりに感心してしまった。 吉田さんは、もともとは左利きで痩せていたそうで、鏡で全身を見たり、地下鉄表参道駅のA4番出口の階段を上ると、息が上がることで、太っていることを認識する。 12キロのダイエットを決意。 赤堤から木挽町までが12キロ。 こんな感じで、今まで読んできた吉田さんの小説と同じく、言葉同士の繋がりがたくさんあって、楽しかった。本籍地の場所での偶然な繋がりもすごいと思った。 曾祖父の音吉さんがやっていた音鮨、武蔵野美術大学で非常勤講師をしていたこと、ギターのことなど、自身のルーツから東北の震災までの吉田さん情報という感じでもあった。 話が脱線していって、また脱線して、もどってという部分もあり、読んでいて飽きなかった。 最後に書かれていたことで、絶対なことは、〈死〉と〈誰にでも父母がいること〉と気づいた吉田さん。祖母が福島出身だと震災後に知ったことは、必然だったのかも。 そして、今更ながら『つむじ風食堂の夜』が映画になっていたことをこの本で知った。吉田さんの勝手なキャスティングもおもしろかったし、見てみようと思う。
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