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マップメイカー ソフィアとガラスの地図(下) ハヤカワ文庫FT
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 早川書房 |
発売年月日 | 2015/07/01 |
JAN | 9784150205775 |
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マップメイカー ソフィアとガラスの地図(下)
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マップメイカー ソフィアとガラスの地図(下)
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商品レビュー
3.5
3件のお客様レビュー
映画にもなりそうな世界観とテンポ良く主人公が生き生きと動き回るのは非常に痛快。 でも星4つなのは、この世界観をもっと知りたいというか、せっかくのこの世界観なのに、なんというか浅いというか、もうちょっといけると思ったから。なんかもったいないと思う部分があったんだなぁ。 つまりはこ...
映画にもなりそうな世界観とテンポ良く主人公が生き生きと動き回るのは非常に痛快。 でも星4つなのは、この世界観をもっと知りたいというか、せっかくのこの世界観なのに、なんというか浅いというか、もうちょっといけると思ったから。なんかもったいないと思う部分があったんだなぁ。 つまりはこのマップメイカーの描かれている大崩壊という世界が非常に興味深い、本当に映画にでもしたい、そんな世界観だったりする。 まぁ、もうちょっとというところが描かれていないからこそ、頭の中に映像が浮かび、想像できるのかもしれないが。 大崩壊が終わったわけじゃないし、もしかしたら続編もあるかも?と期待しつつ。。。
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「大崩壊」で世界中の時代がめちゃくちゃになり、探検家や地図製作者(マップメイカー)が活躍する世界。時代がバラバラって設定がすごい。でも小難しくはなく、設定の解読にあまり気を取られずに面白く読めた。 誘拐された叔父シャドラックを追って旅に出るソフィアと、ふいにできた友人セオのコンビ...
「大崩壊」で世界中の時代がめちゃくちゃになり、探検家や地図製作者(マップメイカー)が活躍する世界。時代がバラバラって設定がすごい。でも小難しくはなく、設定の解読にあまり気を取られずに面白く読めた。 誘拐された叔父シャドラックを追って旅に出るソフィアと、ふいにできた友人セオのコンビは時に慎重で時に思い切りがよく、生き生きとして、敵に追われる旅の中でも緩急がついて飽きることがない。助けてくれる海賊がまたいい味。 ラストも印象的で、どうにもできない「現実」の前になすすべなく皆が立ちすくむ。叔父は取り戻したけれど、すべてがめでたしめでたしではない終わり方・・・続きが、気になる!
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・map、地図といふもの、あの国はどこにある、あの国の首都はどこなどといふ時に使ふものである。地名からその場所を特定し、更にはそこが平地か山地 か、島か半島か等々の情報をも提供してくれるものである。縮尺の大小を考へて使へば、なかなか役に立つものであり、かなり強力なツールになる。私...
・map、地図といふもの、あの国はどこにある、あの国の首都はどこなどといふ時に使ふものである。地名からその場所を特定し、更にはそこが平地か山地 か、島か半島か等々の情報をも提供してくれるものである。縮尺の大小を考へて使へば、なかなか役に立つものであり、かなり強力なツールになる。私はそんな のが地図だと思つてゐる。ところが、S・E・グローヴ「マップメイカー-ソフィアとガラスの地図-」(ハヤカワ文庫FT)はそんなのだけが地図ではないと言つてゐる。現実にも私が考へる以外の様々な地図があるのであらうが、それらに私は縁がないから、それらを知らないだけかもしれない。それでもこの物語の地図は発想の転換を迫るものであつた。 ・主人公ソフィアのおじのシャドラックは有名な地図製作者、マップメイカーである。彼が姪に地図について教へ始める時の最初の言葉、「地図と言えば、わた したちはふつう、紙に描くものだと考える。紙の上に、線や言葉や記号で描くものだとね。(中略)だが実際には、地図はかたちも、大きさもさまざまだ。そのうえ異時代の地図は、わたしたちの地図とはまったくちがう。」(98頁)そんなわけで、私達が現在使ふやうな紙の地図ばかりではないとまず示唆する。さうして「地図は、ほとんどすべてのものに描くことができるんだ。石にも、木材にも、土や砂や金属や布、石鹸や大きな葉っぱにも描ける。(中略)われわれの時代の地図学者が使う紙の地図のほかにも、わたしは主要な四つの素材、すなわち金属、ガラス、布、土を使った地図作りを学んだ」(99頁)と言つて、紙以外の地図の説明に入る。この物語のポイントは副題通りガラスの地図である。その地図がいかなる内容か、いかにして読むか、これが分かれば物語は終はる。この地図をめぐつて追いつ追はれつ、登場人物が動き回る。そして例の如きカタストロフィとエピローグ、ある意味、よくできた物語である。簡単にカタストロフィが来すぎるとは思ふ。おもしろい? さう、おもしろい。ただ、私の印象に残つたのは紙以外に様々な地図があるといふ点であつた。これ以外の物語そのものはあまり印象に残らなかつた。その発想こそがおもしろかつたのかもしれない。こんな地図がある。「おまえがさっき“のっぺらぼうの長方形”と言ったこの四枚の地図」(101頁)である。ここには「紙の地図の百倍もの情報が記されている」(同前)といふ。「この四枚の地図は場所だけを記録しているわけじゃない。ここにはボストンの一八三一年二月という時間(原文傍点付き、tetu注)も記録されているんだ。」(同前)だから「そのときのその場所で起こったこ とを、はっきり感じとることができる。」(同前)のである。今ならば出来の良いビデオレコーダーか、あるいは高性能のメディアといふところであらうか。物 語に即して言へば、これは記憶地図とでもいふべきものであり、実際に物語中にも人間の記憶を抜き取る場面がある。問題のガラス地図もそんなものの一つと思 しい。この物語にはそんなのともまた異なるタイプの地図も出てくる。しかも、それらは特定の条件に反応してその役割を果たすのである。そんな地図があればおもしろいし、だからこそこの物語もおもしろくなり得たのである。今一つ物語をおもしろくしたのは、舞台が〈大崩壊〉後のパッチワーク世界だといふことで ある。この世界、時と場所が世界中でランダムに入り組んでゐるのである。異なる時代が同時に存在してゐる、複雑怪奇な世界であるらしい。その時代の狭間とガラスの地図から起きるカタストロフィ、正にソフィアとガラスの地図の世界であつた。
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