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戦争・天皇・国家 近代化150年を問いなおす 角川新書
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戦争・天皇・国家 近代化150年を問いなおす 角川新書

猪瀬直樹(著者), 田原総一朗(著者)

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戦争・天皇・国家 近代化150年を問いなおす 角川新書

880

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 KADOKAWA
発売年月日 2015/07/09
JAN 9784040820330

戦争・天皇・国家

¥880

商品レビュー

4

5件のお客様レビュー

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2019/01/10

明治以降の近現代史を俯瞰できる。明治14年の政変、大正デモクラシーの挫折、1940年体制といった節目が現代につながっていることがわかる。 明治14年の政変では、薩長藩閥の伊藤博文や井上馨がプロシャ風の専制君主国家をつくると主張し、佐賀藩出身の大隈重信が中津藩出身の福沢諭吉と共に...

明治以降の近現代史を俯瞰できる。明治14年の政変、大正デモクラシーの挫折、1940年体制といった節目が現代につながっていることがわかる。 明治14年の政変では、薩長藩閥の伊藤博文や井上馨がプロシャ風の専制君主国家をつくると主張し、佐賀藩出身の大隈重信が中津藩出身の福沢諭吉と共にイギリス風の立憲君主国家をつくることを目指して国会開設の意見書を提出して対立したが、大隈が失脚して下野した。 1911年に関税自主権を回復し、不平等条約の改正を達成したという意味では、日清・日露戦争は日本の独立戦争だった。 第一次世界大戦では、日本は特需景気で経済規模が3倍くらいに膨らんだ。その頃の大正デモクラシーの時代は、旧体制の崩壊の流れの中にある。大正時代の半ばにサラリーマンという言葉が生まれ、日給から月給になり、私鉄が通勤線を敷設して郊外に住宅が建てられ始めた。夏目漱石や森鴎外などの読者や雑誌も増えて、政党が人々の欲求を吸収するようになった。原内閣は、藩閥の影響を受けない初めての政党内閣だった。原敬は、出世がコネによる抜擢だった官僚機構を壊して、優秀な人材を評価して任命していった。原敬が暗殺され、藩閥時代のコネがなくなっただけでなく、抜擢人事もなくなり、成績だけが評価の尺度になった。その結果、意思決定を先送りしていくシステムができあがってしまった。 岸信介は、官僚時代に1年間の外遊を経験し、ソ連で始まった第一次五か年計画に大きな影響を受けた。1931年に重要産業統制法を成立させると、日本は自由経済から統制経済へと舵を切り、政府の指導の下に企業をカルテル化させることで生産量の増大を図った。1940年には、終身雇用・年功序列の賃金体系が整い、直接税中心の税制を採用して財源を集中化し、源泉徴収制度が導入され、国家目的の達成を使命とした日本銀行法が制定されて、株式市場からの資金調達ではなく、銀行中心の間接金融が行われ、業界団体がつくられ、営団や金庫が生まれた(1940年体制)。戦後の高度経済成長も、岸が立てた生産力倍増十か年計画を基にした官僚主導の国家社会主義的な政策によるものだった。 総理大臣になった岸が取り組んだ日米安保条約の改定のポイントは、アメリカが新しい基地をつくるときは事前に日本側と協議すること、日本が危機に陥った時はアメリカが救うことで、日米地位協定は改定できなかった。 田中角栄は、世界の石油を完全に牛耳っていたオイルメジャーに対抗して、和製メジャーを作ろうとし、ブラジルやオーストラリアなどに働きかけたことが、アメリカに大反対されて命取りとなった。 立法は国会の専権と憲法で規定されながら、実際には官僚が法律をつくっている。戦前は天皇主権、戦後は国民主権が名目だが、実際には戦前も戦後も官僚主権である。冷戦が崩壊した1990年頃までは、田中角栄を例外として、官僚出身の政治家が総理大臣を務めた。官僚機構には、省庁間の権限争いなどが起きた時、それを国家意思としてまとめる能力はない。平時はどうにかなるが、国難ではそうはいかなかった。

Posted by ブクログ

2018/10/09

国、社会の今を理解するには近代史の理解が不可欠。本書ではそれは所謂「戦後」ではなく黒船がやってきた江戸時代末期からの近代てあるとして、猪瀬氏と田原氏が対談形式で解説していく。政治家としては潰された猪瀬氏の活動が活発化し改めて本領発揮しつつある事が喜ばしい。

Posted by ブクログ

2016/01/08

黒船来航からの150年の視点で日本を考えるという猪瀬直樹独自の歴史観が大変勉強になった。 強調されるのは、150年間ずっと対米関係が日本外交の中心的課題であったこと、日本が第一次世界大戦をほとんど間接的にしか経験しなかったことの影響の大きさ、そしてこれからの日本にも対米協調路線し...

黒船来航からの150年の視点で日本を考えるという猪瀬直樹独自の歴史観が大変勉強になった。 強調されるのは、150年間ずっと対米関係が日本外交の中心的課題であったこと、日本が第一次世界大戦をほとんど間接的にしか経験しなかったことの影響の大きさ、そしてこれからの日本にも対米協調路線しか現実的な選択肢はないこと。 最後の田原総一朗の総括は具体性に欠け不満が残るが、日本の置かれた国際社会の現実を改めて教えてくれる一冊だった。

Posted by ブクログ

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