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現代という時代の気質 ちくま学芸文庫
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現代という時代の気質 ちくま学芸文庫

エリック・ホッファー(著者), 柄谷行人(訳者)

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現代という時代の気質 ちくま学芸文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 筑摩書房
発売年月日 2015/06/01
JAN 9784480096791

現代という時代の気質

¥1,210

商品レビュー

4

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2023/01/02

生涯を一介の労働者の身に置きながら、思想家として名を成したという人物は、彼が唯一無二ではないのだろうが、そんな中でもエリック・ホッファーの名がまずもって頭に浮かぶ理由は何だろうか? 私のような、とくに普段から思想書に触れることの少ない立場から言えば、それは何より後続の作家、著名...

生涯を一介の労働者の身に置きながら、思想家として名を成したという人物は、彼が唯一無二ではないのだろうが、そんな中でもエリック・ホッファーの名がまずもって頭に浮かぶ理由は何だろうか? 私のような、とくに普段から思想書に触れることの少ない立場から言えば、それは何より後続の作家、著名人からの言及の多さに帰結する。中上健次の線から、ホッファーにたどり着いた口である。 すぐれた本は、書かれた当時の時代を鋭く切り裂いて見せるのは勿論、著者が亡くなってしまった後の世に対しても、切れ味が残っていたりする。 文庫で手に取りやすく、価格もそこそこ(むしろ1,000円で手に入る叡智としては最高のコスパか)であるし、著者の入門としては最も良いのではないか。

Posted by ブクログ

2022/08/04

西洋社会におけるアウトサイダーの位置から歴史・文明をとらえた論考。 …というのが直観的な印象。 エリック・ホッファーは沖仲士として働きながら物を書いた人物であり、周縁の者として、大衆に関心をもっているのは一目瞭然である。大衆の青年性、大衆と知識人の対決など。 それは少数者への関...

西洋社会におけるアウトサイダーの位置から歴史・文明をとらえた論考。 …というのが直観的な印象。 エリック・ホッファーは沖仲士として働きながら物を書いた人物であり、周縁の者として、大衆に関心をもっているのは一目瞭然である。大衆の青年性、大衆と知識人の対決など。 それは少数者への関心と言いたくなる。世界における例外的な存在である西ヨーロッパ、西洋社会における異端児であるアメリカ、という枠組みで世界をとらえているのだ、と。 なので西洋社会へ乗り込もうとする部外者・日本人にとって響くところがあるのではないかな。 という雑感はともかく、1960年代に書かれたものでありながら2020年代の現在を見通していたような洞察が随所にあって惹かれる。 この1冊で上記のような断定をするのは性急でもったいなく、代表作である『波止場日記』や『自伝』なども読みたくなった。

Posted by ブクログ

2019/03/21

人間を解放する自動化 ロボットや人工知能(AI)による仕事の自動化が大量の失業を生み、社会を崩壊させるという警告をよく聞く。2020年の米大統領選に出馬を表明した民主党候補の一人、実業家のアンドリュー・ヤン氏は、仕事の自動化は米国社会を決定的に崩壊させるリスクがあるとし、それを...

人間を解放する自動化 ロボットや人工知能(AI)による仕事の自動化が大量の失業を生み、社会を崩壊させるという警告をよく聞く。2020年の米大統領選に出馬を表明した民主党候補の一人、実業家のアンドリュー・ヤン氏は、仕事の自動化は米国社会を決定的に崩壊させるリスクがあるとし、それを防ぐために、成人の米国民すべてに無条件で毎月1000ドル(約11万円)のおカネを配るベーシックインカムを提案する。 しかし米国の社会哲学者、エリック・ホッファーの意見は違う。自動化は社会を崩壊させるどころか、人間が労働から解放される楽園に導くという。 本書でホッファーは、失業は必ずしも悪ではないと説く。失業は人間の創造的エネルギーを解き放つきっかけになりうる。その典型は、古代文明における文学の出現である。 文字が発明されたのは、書物を書くためではなく、帳簿をつけるためだった。文字の技術を生業とする書記は官僚であり、何世紀もの間、記録を取り続ける。その書記が作家として物を書き始めたきっかけは、失業だった。 エジプトでは、古代王国の崩壊で広大な官僚組織が瓦解すると、官僚の地位を失った書記の中から、朗々たる文句で国土に降りかかった災禍を記述しようと志す者が現れる。パレスチナでも、中央集権化したソロモン王国が崩壊し、書記が多数失業した後に文学が始まった。中国では周の崩壊後、国は群れをなして放浪する書記で満ちあふれ、文学や哲学にエネルギーを振り向ける。孔子もその一人であった。 ホッファーは、自動化によって大衆が労働から解放されることで、潜在的な創造力を実現できるとみる。文学、美術、科学などの才能は特別な人だけに恵まれているのではなく、一般大衆にもあるという。ルネサンス時代のフィレンツェでは芸術家の数が市民の数より多かったといわれるが、これらの芸術家たちの大半は店主、職人、農民、下士官などの息子だった。 7歳のとき失明し、15歳で突然視力を回復したホッファーは、一度も正規の学校教育を受けず、沖仲仕として長く働く。60歳を過ぎてカリフォルニア大学バークレー校の教授となるが、65歳になるまで港湾労働はやめなかった。 彼が半世紀以上前に本書で示した考察は、インターネットで大衆の創造力が花開く現在を見事に言い当てた。自動化が人間を解放するという予言も、きっと的中するだろう。

Posted by ブクログ