![ヴェネツィアのチャイナローズ 失われた薔薇のルーツを巡る冒険](https://content.bookoff.co.jp/goodsimages/LL/001734/0017346402LL.jpg)
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 原書房 |
発売年月日 | 2015/05/01 |
JAN | 9784562051632 |
- 書籍
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ヴェネツィアのチャイナローズ
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ヴェネツィアのチャイナローズ
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商品レビュー
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すべての薔薇好きにおすすめします! 著者が出会った「ローザ・モチェニーガ」と呼ばれる愛らしいピンクのバラは、先祖ルチアがフランスから持ち帰ったものではないか…。ルチアはナポレオンの皇后で世界中のバラを収集していたジョゼフィーヌと親しく交際していたのだから。 その探索を通じて...
すべての薔薇好きにおすすめします! 著者が出会った「ローザ・モチェニーガ」と呼ばれる愛らしいピンクのバラは、先祖ルチアがフランスから持ち帰ったものではないか…。ルチアはナポレオンの皇后で世界中のバラを収集していたジョゼフィーヌと親しく交際していたのだから。 その探索を通じて、バラの交配が盛んとなった19世紀の時代が浮かび上がります。皇后ジョゼフィーヌの薔薇蒐集への情熱と、彼女が引き起こした当時のパリ社交界の「薔薇熱(ロゾマニー)」の様子。 アジアとの貿易が盛んになり、西欧が競って珍しい植物を輸入していた19世紀。そしてそれらをもとに育種家が交配をし、新種の美しい薔薇を産み出そうと躍起になっていた時代。 「スレーターズ・クリムゾン・チャイナ」は東インド会社の重役のギルバート・スレーターにちなむことや、「ノワゼット」は当時パリで育苗園を営んでいたルイ・ノワゼットにちなむことなど、オールドローズにつけられた名前としてしか知らなかったものが実在の人物となって立ち現れてきます。 また捜索の過程で知りあった、エレオノーラ・ガルラント夫人が第二の主人公と言える。北イタリアのアルテーニャというところでオールドローズを栽培するアマチュア専門家。彼女が語る、ひとつひとつの薔薇の名前に込められたドラマが紹介されるのに心が躍り、わくわくします。著者の語りも魅力的で、これらのエピソードをいつまででも読んでいたくなり、もっと語ってほしいと思いました。 また話は、ナポレオン時代にかぎらず現代の薔薇にも及びます。とりわけ印象的なエピソードは、男娼に撲殺され痛ましい最期を遂げた映画監督パゾリーニにまつわる薔薇の話。彼とその母親スザンナの墓には、スザンナが愛した品種不明の紫の薔薇が植えられおり、それは「スザンナの薔薇」と呼ばれているとか。薔薇を愛した母親、荒れ果てた家の庭から薔薇を救い墓に植えた建築家、薔薇がつないだ美しい縁の不思議さを思わすにいられません。 その紫の薔薇はどんなかしらと思い期待せずにネットで検索すると、なんとyoutubeに映っていました!下のサイトの3:10辺りをご覧ください。ひょろりとした薄緑の薔薇の株が、ライラック色の明るい紫の花をつけて揺れています。(2018.2月視聴) https://www.youtube.com/watch?v=vEaYSAhfHX8 そう、もう一つの楽しみはつぎつぎに出てくる薔薇の名前を調べながら読むこと。「ジェニー・デュヴァル」「ル・ベル・ロール」「ダッチェス・オブ・ポートランド」…薔薇の名前にうっとりしながら思い浮かばない品種は繰る手ももどかしく図鑑を引き、ネットで検索する楽しさ♪ 薔薇好きにはたまりません。 しかし、ため息が出るのは育種家や蒐集家が亡くなると消滅や荒廃はあっという間だということ。ジョゼフィーヌのマルメゾンの庭園もしかり。失われてしまったオールドローズは数千品種を数えるそうで、いま私たちが目にしているオールドローズは往時のほんのわずかにすぎないのです。 しかしながら、それらの中のいくつかはどこかの田舎の庭の片隅で、名のわからない可憐な薔薇として愛され、いつか素性を明らかにしてもらえるのを待っているかもしれません。 そして愛らしい「ローザ・モチェニーガ」の謎は明らかになるのかどうか。みなさん読んで確かめてみてください。 私も何かチャイナローズを育ててみたくなりました。
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いよいよバラの咲き乱れる季節となります。著者は、先祖代々の土地で『ローザ・モチェニーガ』と呼ばれる野生化したバラをみつけました。そのルーツをたどっていくと、なんと、ナポレオン皇帝の時代に遡ります。ピエール=ジョセフ・ルデゥーテの『バラ図譜』とともに楽しみたい作品です。
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推理小説のような一冊 のような、なのでミステリファンとしては起承転結に欠け、結を読み過ごしそうになるのが気になるところ ノンフィクションとしては情緒的で読みやすい
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