商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 集英社 |
発売年月日 | 2015/05/20 |
JAN | 9784087453249 |
- 書籍
- 文庫
残された者たち
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残された者たち
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商品レビュー
3.2
7件のお客様レビュー
小野正嗣さんの書く物語の温度感が好き。 海沿いの限界集落に住む者たちの物語。自分の好きな登場人物は「校長先生」。杏奈先生と純の生々しい関係は苦手。 何かしら事情を抱えている者ばかりが登場して、その者たちの世界にどんどんのまれてしまうのだけど、現実世界の人間も皆、何かしら事情を...
小野正嗣さんの書く物語の温度感が好き。 海沿いの限界集落に住む者たちの物語。自分の好きな登場人物は「校長先生」。杏奈先生と純の生々しい関係は苦手。 何かしら事情を抱えている者ばかりが登場して、その者たちの世界にどんどんのまれてしまうのだけど、現実世界の人間も皆、何かしら事情を抱えているもので、小野正嗣さんの物語を読むときに感じる不思議な感覚や、(私の苦手な)生々しさは、もうすでにここに在るものなのかもしれない。だからその温度感が私は好きなのかもしれない。 かおるとエトーくんがどうなったのかは、読者の想像力に委ねられる。もし映画E.T.ならば… ハッピーエンドだといいな。 以下、お気に入りの箇所 引用 手入れされないまま放置された墓地は荒れ果て、一面に雑草が生い茂っていた。誰も訪れる者のなくなったこの墓地で、寄り添うように墓石を取り囲む丈の高い草の葉だけが、死者たちに手を合わせて深々と頭を垂れ、風のそよぎに乗せて何かをささやいていた。風雨にさらされ、苔とかびに覆われて、墓石の上に刻み込まれた文字はほとんど読めなくなっていた。倒れた墓石も少なくなかった。後に残してきた子孫たちの暮らしを見守るべく、背筋をぴんと伸ばして、この山から集落を見下ろしていた墓も、子孫たちのほとんどが自分らに合流してしまったいまでは、ある種の責任感からようやく解放されて、かつて何の気兼ねもいらないそれぞれの我が家の中でそうしていたように、片肘ついてのんびりくつろいでいる。あるいは横になってうたた寝していた。だから、かりに墓地を見知らぬ者が通ったとしても、もはや警戒することもなければ注意することすらなかった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
登場人物も少なく、場面もあまりないが、今ひとつ理解できなかった。 結局、エトーくんとは?校長先生とは? もうあの二人は戻ってこない? エトーくんのように、全てが疑問形になってしまう…
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登場人物が皆、それぞれの役割をきっちりと演じているような感じがして、それでもその役割の中でどうにかして幸せであると言い聞かせているみたいだ。 2018/10/14
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